小池真理子のレビュー一覧

  • 千日のマリア
    解説が的を得てて、そうそれ!ってなった。
    自分にもあるような人には言えない小さな秘密を、覗いてしまったドキドキ感のある短編集だった。
  • 月夜の森の梟
    このエッセイは、作家同士の夫婦である小池真理子さんが、夫である藤田宜永氏の亡くなった後に綴った、50回にわたる朝日新聞の連載を一冊にしたものである。

    「37年前に出会い、恋に落ち、互いに小説家になる事を夢見て、共に暮らし始めた」
    という、前書きから始まる。
    そして、「それにしても、さびしい。ただ、...続きを読む
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集
    傑作ホラーを集めたアンソロジー。1993年以降に発表された全8編を収録する。「七つのカップ」の姉妹編。
    浮遊する水(鈴木 光司)
    猿祈願(坂東 眞砂子)
    影牢(宮部 みゆき)
    集まった四人(三津田 信三)
    山荘奇譚(小池 真理子)
    バースデー・プレゼント(綾辻 行人)
    迷い子(加門 七海)...続きを読む
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    ほろ苦さが秀悦

    ドラマでこの本の存在を知りました。

    豪華な作家陣と、歌詞そのものから情景が浮かびやすいユーミンの曲がどんなストーリーになるのか気になり、一気読みしました。
    多くのストーリーでのユーミンの歌詞の世界で表現されているほろ苦さが秀悦でした。

    もっとマイナーな曲を元にした第2弾が出ないかとひっそり期待。
  • 夜ごとの闇の奥底で
    どんな結末が待っているのか?ドキドキしなから最後までイッキ読み。かなりサスペンスな内容ですが読後感は悪くない。
  • 無伴奏
    自らの青春時代を振り返りつつ、楽しみながら執筆したと言う小池真理子の半自伝的作品「無伴奏」は、彼女が多感な時期を過ごした60年代終わりから70年代初めにかけての何処か張り詰めたような空気がヒシヒシと伝わってくる力作だ。主人公の響子が経験する胸が張り裂けんばかりの出来事には、思わず読んでいるこちら側も...続きを読む
  • 妖し
    全編シンプルに怖い。どろどろしているわけじゃなくて、上品な怖さだけど、それ故に怖い…!作家さんたちがみんな巧みなんだな…
  • 神よ憐れみたまえ(新潮文庫)
    最後がちょっと駆け足すぎたり、途中から全く出てこなくなった美村が唐突に出てきたり、いろいろ詰め込むあまり焦点がボヤけてしまってるとこもありますが、まあ面白かったと思います。

    ここ最近読んだ作品に女性主人公が多くてしかも皆完璧超人なんで凡人すぎる私からしたらちょっと感情移入しにくいとこもあったりしま...続きを読む
  • 二重生活
    題材と、風景描写と、文体がとても好きだった。
    フランス文学には明るくなさすぎるけど、篠原教授が優しく教えてくれる(?)のですごく腑に落ちた。この教授ちょっとネジが外れてて良い。

    主人公視点で物語が進む中、彼氏などに対する認知がどんどん歪んでいってるのが地の文から伝わってきて良かった。この主人公は普...続きを読む
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)
    ユーミンのこの曲はこんな感じだ!という固定観念のムダさを ページの隅々から感じました。作家さんの想像力は やっぱりすごい。個人的に「春よ、来い」が好き。ライブ会場に足を運ぶ人々は 縁もゆかりもないけれど、誰かを必ず想っているんだなぁ〜と思う。だから ライブ後は しあわせ気分が満ち満ちに!贅沢な短編集...続きを読む
  • 唐沢家の四本の百合
    妃佐子、勢津子、夏美に有紗。
    それぞれの夫婦感、愛情表現の違いがうまく絡み合い、それが四人の女性を巻き込み。真相がわかるまでハラハラする作品でした。
    最後に怖い表現があり後味の悪い作品との印象。
    それらも含め、面白かったです。
  • 贅肉 新装版
    「贅肉」だけ既読だったけれど、どんな人でも加害者になるし被害者になる、たまたま今回のパターンではこうだっただけで次の瞬間には変わっているんだな…とつくづく感じました。
    面白かったです。登場人物たちの心はドロドロしてるんだけど、小池さんの文章だと気持ち悪さや醜さを感じず、薄気味悪さのほうが強い。悪意も...続きを読む
  • 月夜の森の梟
    部屋の、住まいの、さらにはその周囲光景の空気感が伝わってくるような、哀しい、寂しい、だけど、心地よいはずはないのになんとも言えない落ち着きというか。
  • 月夜の森の梟
    静謐な空気の中で、果てしない喪失感に満たされた作品でした。というか、このエッセイ集の個々の作品はシチュエーションや時点が作品ごとに異なるのだけれど、どの作品を読んでも最後にはどうしようもない喪失感に襲われてしまいます。渦巻くような悲しみに沈んでしまい、結局最後まで読みきれませんでした。

    小池真理子...続きを読む
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)
    ユーミンの曲を題材にして描かれた短編集です。
    ユーミンの曲は、「春よこい」しか知らなかったので、他の曲も聴きたくなってすぐ調べて曲を聴きながら読んでいました!笑


  • 狂王の庭
    男は庭を造り、女に捧げ、女はすべてをかなぐり捨てた。
    「僕があなたを恋していること、わからないのですか」昭和27年、国分寺。華麗な西洋庭園で行われた夜会で、彼はまっしぐらに突き進んできた。庭を作る男と美しい人妻。
  • 唐沢家の四本の百合
    唐沢慎介の3人の息子たちの嫁と、後妻の美しい連れ子。4人の女性は慎介の別荘で彼の到着を待っていた。そこに不吉な速達が届く。連れ子が「昨日と変わらぬ今日」が破滅へと導く。
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)
    江國香織さんの「夕涼み」と綿谷りささんの「青春リグレット」が読みたくて手に取った。夕涼みは、夫の行動にゾッとしたし、私だったらそんなズレた夫とは一緒にいられないと思った。「逃げたかったわけではない、が、逃げられないと思わされることは恐怖だった。竦むような、恐怖だった。」という言葉に共感。誰かに自分の...続きを読む
  • 神よ憐れみたまえ(新潮文庫)
    文庫王国から。”墓地を見おろす家”しか読んだことがなく、必然的にそのイメージの作家だから、正直期待値は高くなかったんだけど、いやいや恐れ入りました。本作は、心に沁みる人間ドラマ。750頁の超大作ながら、本を置く能わずの展開の妙。倒叙ミステリ的側面を持つんだけど、そこを軸にした組み立てが、実に奏功して...続きを読む
  • 青い夜の底 小池真理子怪奇幻想傑作選2
    久しぶりに読んだ、小池真理子さんの作品。
    怪奇幻想傑作選というだけあって、なかなか雰囲気のある作品たちがズラリと並ぶ。
    ふんわりと(?)スーっと掻き消えるような、
    異様な雰囲気を余韻に残していくさまは、やはり不気味である。
    だが、なぜか不思議な美しさを伴う描写に、いつも惹き込まれていくのを改めて思い...続きを読む