アーシュラ K ル グィンのレビュー一覧
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文字通り「辺境の惑星」である竜座の第三惑星に植民し、数十世代を経て忘れ去られた人類(ファーボーン)たち。世代を重ねるうちにテクノロジーの伝承もほとんど絶え、半ば中世のような暮らしをしている。コミュニティの人口も不妊などで減少し閉塞感が漂うなか、ファーボーンの指導者アガトと原住民族ヒルフの少女ロルリー...続きを読むPosted by ブクログ
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喉も、肺すらも凍りつくほどの真っ白な世界での逃避行。じわりじわりと迫り来るような闇への恐怖と根源的な生への執着、そこで育まれる信頼、友情(友愛)、とまどいと信頼。そして訪れる唐突な別れ。回想。
人生ベストブックです…。
ハマりすぎて本当にショックで、わんわん泣きながら調べ物をしたりデリダの赦しを読...続きを読むPosted by ブクログ -
ル・グィンの処女長篇にしてハイニッシュ・ユニバースシリーズの第一作。全世界連盟より派遣され、未開の惑星であるフォーマルハウト第二惑星へ調査官として訪れたロカノン。連盟に敵対する勢力に仲間を殺され取り残されたロカノンが、惑星の住人たちと共に旅する。SFのようなあらすじだが、ファンタジー色が濃く、様々な...続きを読むPosted by ブクログ
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これは、アイとエストラーベンという、
全く異なる時空、異なる太陽系、異なる社会、身体システム、常識、自然環境に生きた異なる人間同士が、
同じ苦境を乗り越える中でわかりあう旅の物語。
異なる人間がわかりあうためには、絶望と希望の狭間で同じ苦境を乗り越えること。
これを積み重ねること。
それくらい、...続きを読むPosted by ブクログ -
「求めぬ愛」「山のしきたり」で描かれる惑星Oでの結婚は、二つの半族(朝と宵)の男女二組で成立するため、構成員は四人。
異性とも同性ともペアになれるが、同じ半族同士がペアになることはない。
四人はそれぞれ独立した部屋を持つことができ、部屋の主の許可なしにそこへは入れない。
とても自由なようにも、ひどく...続きを読むPosted by ブクログ -
SFが苦手でル・グウィンさんの本はファンタジーしか読んだことがなかったが、彼女はSF界での評価も抜群なのは知っていた。
アニメ作品でいくつかSFに触れる機会があり、チャレンジしてみようという気になりようやく手にとった。
子供向けファンタジーに比べて生々しく、衝動や緊迫に息を飲む機会も多くあったが、...続きを読むPosted by ブクログ -
人類の同盟エクーメンより異星ゲセンに使節として訪れたゲンリー・アイが同盟を結ぶためにゲセンのカルハイド王国宰相セレム・ハルス・レム・エストラーベンの力を借り同盟を結ぶ為の物語を繰り広げていくという内容でしたが、ゲンリー・アイの報告書からの視点では度々ゲセンの表現をこちら側の言語に落とし込んでいる為、...続きを読むPosted by ブクログ
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冬の惑星舞台の冒険ものかつファ―ストコンタクトSF
というのが筋書きだが
書かれて40年も経てば西の良き魔女による古典SFの一言で済むか
今から見ても「生まれてまず尋ねるのは男か女か」のかわらなさが光るPosted by ブクログ -
作家の仁木稔先生のファンになってわりとたちます。
こちらがおくったファンレターがキッカケで、ぼちぼちメールや手紙のやり取りがつづいています。
相手が流石の作家先生なので、気楽に書き散らすというのができにくいので、自然ペースは細々としたものに…それはともかく。
いちど、「先生の作品は、両性具...続きを読むPosted by ブクログ -
読み終わってしばし呆然。ずっしりと重い課題と、ひとかけらの希望を飲み込んだような気分。SFという括りを超えた名作だと思う。
ウラスとアナレスの双子星が舞台。ウラスは自然豊かで長い人類の歴史を持つけれど、競争主義社会で貧富の差がどうしようもなく広がっている。対するアナレスは荒涼とした植民星で、人々は協...続きを読むPosted by ブクログ -
性や性別、人種、宗教、文化を巡って、幾つもの星々の物語を描く短編集。
各星の習俗や歴史を丸々造り上げているから、短編ひとつひとつの情報量が凄まじい。結婚のあり方、孤独のあり方、流浪のあり方…緻密かつ大胆に語られる未知の生活様式。読むごとに気力を使い、読み終えるごとに呆然とさせられるのは、まるで異文...続きを読むPosted by ブクログ -
読みにくいが、最後にはホロリとさせられる
表紙 6点小阪 淳 小尾 芙佐訳
展開 6点2000年著作
文章 5点
内容 750点
合計 767点Posted by ブクログ -
思いつきで借りるにしてはボリュームのある本でした。ゲド戦記は読み始めたら大変だろうと思ってこっちにしたのですが……こっちもなかなか。
技術とか科学とかサイエンスな方向のSFではなくて、社会学とか、民族学とか、心理学関係の要素が強い、文系SF。刺激を受けたこと、じっくり考たいこと、読み返して堪能...続きを読むPosted by ブクログ -
久々に辞書を引き引き読み進める。重厚なSFを読むこの幸せ……!
『どうして人は国家を憎んだり愛したりするのですか?(中略)わたしはその国の人間を知っている、その国の町や農場や丘や川や岩を知っている、山あいの斜面に秋の夕日がどんなふうにおちていくか知っている、しかしそうしたものに境をつけ、名前をつけ、...続きを読むPosted by ブクログ -
ル・グィンらしい名作
表紙 8点辰巳 四郎
展開 8点1974年著作
文章 9点
内容 830点
合計 855点Posted by ブクログ -
「ゲド戦記」などでおなじみのル・グインの作品。わたしは彼女の作品は初めてとなる。この作品は、ヒューゴー賞とネビュラ賞を同時に受賞した作品である。ヒューゴ-賞にしろネビュラ賞にしと、女性作家が受賞したのはこの作品が初めてなのだとか。
もちろん、賞をとったから面白いのだというつもりはないが、いろいろな意...続きを読むPosted by ブクログ -
ル・グィンの作品って好きです。
さらにいえば、ル・グィンのSFをよんで、SFがもっと好きになったし、興味を持つようになりました。知人に言わせれば、「高尚なSF」らしいル・グィンのSFですが、ロマンティックでなんだかキラキラしていて、甘くもほろ苦いこの頃のル・グィンの作品は、巡り合えてよかったと思える...続きを読むPosted by ブクログ -
共産主義社会を思わせる世界の荒涼とした惑星アナレスと、現代の資本主義社会や地球環境をほとんど写したかのような惑星ウラス。
この二つの惑星を舞台に、アナレス出身の科学者、主人公シェヴェックという個人の人生と社会、人々との関わりを重厚なスケールで描いた一冊。この本そのものが膨大な思考実験であり、なおかつ...続きを読むPosted by ブクログ -
ジョン・レノンが『イマジン』の歌詞の三番で「少し難しいかもしれないが想像してほしい」と歌った"所有のない世界”を実現した惑星アナレスから、資本主義と社会主義が対立しながらも美しい繁栄を謳歌する惑星ウラスに降り立った孤独な物理学者の物語。
無政府主義を現実のものとしたアナレスでも、最後の障害は「人々の...続きを読むPosted by ブクログ -
ハヤカワ文庫SFシリーズで「ヒューゴー賞 ネビュラ賞」受賞とあるのだから [SF]に分類してもいいのだが・・・・
未来の宇宙空間にある「所有のない共同体」の詳細が読み取れる。Posted by ブクログ