エドマクベインのレビュー一覧

  • 10プラス1

    何が大切なのか

    気持ちのよい春。男が狙撃される。そして、次々と事件は続く。刑事たちの推理と地道な捜査。被害者たちの関係性は?犯人は?ランダムのように見えて、計画性がある。犯人は何故、狙撃続けるのか理由がある。代替え案はいくらでもあった。諦めることも必要であった。戦後のアメリカ。その状況を推し量ることは難しい。
  • たとえば、愛

    それは愛なのか

    季節は4月。心中事件が発生する。心中なのか?違和感を感じた刑事たちは捜査を進める。その直前に起こった、飛び降り自殺を絡めながら、物語は展開する。この事件、たとえば、どんな愛なんだろうか?
  • クレアが死んでいる

    でも、立ち上がって

    まだ暑さの残る秋。ある書店で銃乱射事件が発生。被害者の人物像や過去から犯人を追う。事件の捜査1本に絞った作品。87分署で1番若手のパート・クリング。金髪でスラっとして、彼のことを嫌いな読者はいないと思う。そんな彼のクレアが死んでいたのだ。前作と同様に人種差別が根底にあり、貧困層、性被害の問題も取り扱...続きを読む
  • 警官嫌い

    名作

    洋物ミステリの入り口。決して精密ではないが、キャラが立っている人物が現れ、今後が気になって仕方がない
  • 大いなる手がかり

    雨のように陰鬱

    激しい雨の中で発見された鞄の中には、切り落とされた手首が入っていた。冒頭から気持ち悪い。嫉妬心か、独占欲か。結末は更に怪奇的。キャレラとホースの対比がおもしろい。マイクとエイプリルの成長も楽しみ。雨があがって、暑い夏に突入。87分署シリーズ11作目。
  • キングの身代金

    ある意味未解決であるが

    87分署シリーズ10作目で初の誘拐事件を扱った作品。子どもを誘拐し、身代金を要求するものの、その子どもは人違いであった。自分の息子ではないのに、身代金を要求されると言う葛藤と戦うキング。人間の格差、立場の弱さを人物描写で明確に表現している。黒澤明監督で映画化された作品も見てみたい。
  • 死が二人を

    その複雑さがクセになる!

    シリーズ9作目。オールスターキャストのハリウッド映画のような作品。舞台はキャレラの妹の結婚式。その朝に花婿に贈られた毒蜘蛛がことの発端となる。誰が誰を狙うのか。花嫁と花婿の運命は?複数のストーリーが嵐のように進行する面白さがたまらない。
  • 殺意の楔

    長い1日

    87部署のまた別のとある1日。ニトロを持参した女に振り回される。撃たれて瀕死の状態の者、何とか外に非常事態を伝えようとする者。それぞれが知恵を絞るが上手く行かない。3人の女性と87分署オールキャストの想いが入り混じる。
  • レディ・キラー

    暑い1日

    87分署のある1日のドキュメンタリー。20時と言う制限時間が設定されている中、あれやこれやに振り回される刑事たちを描いた作品。アイソラの暑さが印象的。ホースが魅力的でもあり、危うさもあり、おもしろいキャラ設定だと思う。作者を反映しているのかなと思うと、興味深い。
  • 殺しの報酬

    リスクの高い報酬

    恐喝屋が何物に射殺された。ヤツが脅して大金を振り込ませていたのは誰なのか?87分署シリーズ6作目。キャレラとコットンのバディの息もいい感じになってきた。この作品では、コットンの魅力が垣間見られる。警察組織の中にいながらも、探偵のように単独行動を好む。しかも、命がけ。今後、このキャラがどう成長するのか...続きを読む
  • 被害者の顔

    それぞれの顔

    被害者の多面性が事件を混乱させる。被害者は、何故、いくつもの顔を持っていたのか。その理由はわからないが、とても興味深い。作者は被害者をどんな風にイメージしたのだろうか。架空の街、深夜に事件は起こり、命が失われていく。
  • ハートの刺青

    甘い言葉には

    並行して2つの詐欺を扱っている。1つはマジックの延長のような話術とトリック。もうひとつは男女問題。特殊詐欺が横行している現代。巧みに携帯電話を駆使している。いつの時代も人を騙して儲けようとする人がいるのは、何故なのかと考えてしまった。
  • 麻薬密売人

    勘違い

    季節は秋から恐ろしいほどの寒さの冬に移行した。季節の描写がいつも印象的。夏と冬はドスっと重たいボールを下腹で受け止めた気分になった。キャレラが、あのキャレラが、まさかの結果になるやもで、読者をハラハラさせる。
  • 通り魔

    初々しい

    87分署シリーズ2作目。1作目で結婚し新婚旅行に出かけたキャレラは不在。主役が不在の中、初々しいサブキャラが登場する。2つの事件が並行する面白みがいい。
  • 警官嫌い

    熱波が始まる!

    まだ、黒電話、公衆電話が活躍する、熱波に覆われ大都会。警察小説のおもしろさが詰め込まれている。登場人物が交錯する中、いくつかの柱があり、今後の伏線回収に繋がっていく。エピローグ的な作品。「熱波去る」の新聞記事で終結した作品であるが、いやいや、熱波は始まったばかりです。
  • 魔術
    87分署シリーズ♪ジェネロが一人前になったらしい。怪しいけど( ̄▽ ̄;)いろんな事件が並行してそれぞれ面白かった。奇術師失踪、連続酒屋強盗、バラバラ死体遺棄、婦女暴行殺人。ぎっしり詰まってたね('ε'*)大都会の警察って大変だな。珍しくパーカーご機嫌パーティー('ε'*)
  • 八頭の黒馬
    87分署シリーズ♪謎の日系人フジワラ登場(゜◇゜)ゞ毎度おなじみのデフ・マンの嫌がらせ(笑)今までで一番展開が面白かったかな☆途中まで『またこのパターンか』と思ってたけど最後まで読むと『なるほどなー』と納得した(^・ェ・)クリング離婚してたんだね…。読み逃したよ(^o^;)モノハン&モンローも安定の...続きを読む
  • 晩課
    再読。★3

    ハル・ウィリスと恋人マリリンが過去の因縁に悩まされる事件と、神父が刺殺された事件が並行して描かれる。
    前回読んだ時は全体を覆う暗鬱な雰囲気と凄惨さにのまれて★5をつけたのだったが、今回はそこまでの刺激を受けなかった。
    特に悪魔崇拝の人らに関しては「くだらないことやってんなーどうぞご勝手...続きを読む
  • クレアが死んでいる
    バート・クリングの恋人であり、これまでも物語の中で仲むつまじい様子を見せてくれた、クレアの死。
    クリングとのデートの前に立ち寄った本屋にて、一人の男による銃乱射事件に遭遇してしまったクレアは、命を落としてしまいます。

    犯人は誰なのか。そして犯人の目的は…。仲間であるクリングの恋人を襲った悲劇という...続きを読む
  • 被害者の顔
    マクベイン『87分署シリーズ』。
    ある酒屋で殺害された1人の女性アニイ・ブーンは貞淑な妻であり、優しい母親であり、ある人にはインテリに映り、ある人には酒飲みの情婦に映った。様々な顔を持つ彼女を殺したのは、一体…。

    原題『Killer's choice』とあるように、アニイの持つどの顔が犯人の殺意を...続きを読む