児玉雨子のレビュー一覧
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どんなことがあっても日常は続いてしまう、というのは最近の作品には多い終わり方だと思う。「オチ」があるわけではない、という意味で、この作品もそうだ。面白い終わり方でスッキリするわけではなくて、どちらかというと最後は開かれている感じ。委ねられていて不安になる。そんな終わり方。
著者の児玉雨子さんはずっ...続きを読むPosted by ブクログ -
児玉雨子さんの作詞が好きで、小説も書いてることは知らず芥川賞候補作でこの作品を知って興味を持って読み始めました。
なかなか厳しい展開が続く中、最後は前向きに向き合っていくところがよかった。Posted by ブクログ -
今っぽい〜!と思った。著者が作詞家ということを読んでから知って、なんか納得した。
「誰にも奪われたくない」の主人公の「わたしを林の中のわたしに変形させようとしないで」という言葉にハッとなったんだけど、「凸撃」がアンサーになってて良かった。Posted by ブクログ -
以下、自分の理解を整理するためのメモ
仕事だと思っていた写真撮影が実は児童ポルノだったこと=本名の雪那の世界
「みさ」「ゆき」と呼び呼ばれることへのかすかなひっかかり。本名以外の世界があることに気がつかされること、本名の世界は自分を傷つけるものだということに気がついてしまうこと。Posted by ブクログ -
若干読みにくい感じがしましたが、最後まで読んでみるとセンスのある作家さんなんだなと感じました。ドキドキしたり泣けるところもなかったけれど、主人公の気持ちが分かる気がして不思議な読後感でした。Posted by ブクログ
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テーマはとても良かった。
インターネットのおかげで過去も現在もごちゃ混ぜで、逃げ場がない窮屈な世の中になってしまった。
主人公の感情が読めないのは、自分が何を感じているのか、本当に分かっていないからなんだろうか。それとも、自分がこの本を読む年代ではなかったということか…。Posted by ブクログ -
昔、「『舞姫』の主人公がバンカラとアフリカ人にボコボコにされる明治文学の話〜」みたいなタイトルうろ覚えの本があって、へー明治時代って現代と比べたら堅苦しいイメージあったけどこんなにパンクだったんだ、って感じたのを思い出した。
江戸時代、って括ると広いけど、この時代もこんなにポップだったんだ。昔も流行...続きを読むPosted by ブクログ -
ちょっと不思議な読後になった。
タイトルが気になって手に取ったけど、思ったよりタイトルとの関連性がないように感じた。
なにが自分の意志でなにが自分たらしめるのか、は本人しかわからないことだし、本人にもわからないことってあるよなと感じた。Posted by ブクログ -
YouTube’’ゆる言語学ラジオ''で紹介されていて読みました。
東海道中膝栗毛などの江戸時代の物語の解説。
その時代の人々の暮らしや風俗のことが分かりました。現代風に翻訳してくれてるのは分かりやすくて親しみを持てた。
よく言えば一つ一つが短くまとめられてたけど、もう少し深掘りして欲しかったなPosted by ブクログ -
ジュニアアイドル活動によって名が自分から解離してゆき、後々までも他人がそれを発見し、不利益を被る主人公。
夢小説を空欄で読む。SNSのハンドルネーム。
「真意」をもって「本当の名前」を取り戻す、気づく、名というもので収束する最終章が心地よい。Posted by ブクログ -
著者が作詞家さんとのことで毛色の違う文章を読んでみたく。
コロナ禍、YouTube、iPhoneSE2、AirPodsPro、あつ森等が頻出し「現代の文章」を摂取した感覚。
会話の描写がテンポがいいようで流れるようにぬるりとした感覚を受けたのはLINEやチャットでの会話に慣れているからなのか、意外と...続きを読むPosted by ブクログ -
え〜みさのちゃんのこと、好きだったんだ?!って普通に思った。わざと?わたしがよみとれてなかったのかな、、最後墨汁かけてから改名して、DM送って、の流れはスッキリして良かった あんまりピンとこなかったかもーPosted by ブクログ
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小学生から中学生の女子の撮影会など怪しげな事務所に所属する雪那と美砂乃。二人の間にあった奇妙な友情を心の奥にしまって成長した雪那の現在を過去と交差させつつ描く。児童ポルノに焦点を当て断罪している。Posted by ブクログ