児玉雨子のレビュー一覧

  • 誰にも奪われたくない/凸撃
    どんなことがあっても日常は続いてしまう、というのは最近の作品には多い終わり方だと思う。「オチ」があるわけではない、という意味で、この作品もそうだ。面白い終わり方でスッキリするわけではなくて、どちらかというと最後は開かれている感じ。委ねられていて不安になる。そんな終わり方。

    著者の児玉雨子さんはずっ...続きを読む
  • 私の身体を生きる
    感想
    自分の身体から弾き出された感覚。なんでコントロールできないのか。苛立ちを覚える。けれども。そこに可笑しさもある。この身体で生きる。
  • ##NAME##
    児玉雨子さんの作詞が好きで、小説も書いてることは知らず芥川賞候補作でこの作品を知って興味を持って読み始めました。

    なかなか厳しい展開が続く中、最後は前向きに向き合っていくところがよかった。
  • ##NAME##
    薄味の展開を常温の文章で淡々と進む。時系列から想像させる余白もありつつ、核心部分は本人にとって大きな事であっただろうし実際の話であれば心の痛みは想像に容易い。しかし、小説的かと言われれば、事件といえることも少なくそういうことはみんなある、と言ってしまえるものであった。ただ詩的に描写する風景や感情には...続きを読む
  • 誰にも奪われたくない/凸撃
    今っぽい〜!と思った。著者が作詞家ということを読んでから知って、なんか納得した。

    「誰にも奪われたくない」の主人公の「わたしを林の中のわたしに変形させようとしないで」という言葉にハッとなったんだけど、「凸撃」がアンサーになってて良かった。
  • ##NAME##
    以下、自分の理解を整理するためのメモ

    仕事だと思っていた写真撮影が実は児童ポルノだったこと=本名の雪那の世界
    「みさ」「ゆき」と呼び呼ばれることへのかすかなひっかかり。本名以外の世界があることに気がつかされること、本名の世界は自分を傷つけるものだということに気がついてしまうこと。
  • ##NAME##
    若干読みにくい感じがしましたが、最後まで読んでみるとセンスのある作家さんなんだなと感じました。ドキドキしたり泣けるところもなかったけれど、主人公の気持ちが分かる気がして不思議な読後感でした。
  • ##NAME##
    テーマはとても良かった。
    インターネットのおかげで過去も現在もごちゃ混ぜで、逃げ場がない窮屈な世の中になってしまった。
    主人公の感情が読めないのは、自分が何を感じているのか、本当に分かっていないからなんだろうか。それとも、自分がこの本を読む年代ではなかったということか…。
  • ##NAME##
    児童ポルノの世界。考えたこともなかった世界に入り込んだ感じ。雪那のこれからの人生、もぉ周りにどうこう言われることなく、気にすることなく、振り回されることなく生きてほしいと願いつつ。
    時系列が行ったり来たりして、章が変わるたびに「何歳の時だ!?」って確認する手間がありました…
    作者の児玉さんは作詞もさ...続きを読む
  • 江戸POP道中文字栗毛
    昔、「『舞姫』の主人公がバンカラとアフリカ人にボコボコにされる明治文学の話〜」みたいなタイトルうろ覚えの本があって、へー明治時代って現代と比べたら堅苦しいイメージあったけどこんなにパンクだったんだ、って感じたのを思い出した。
    江戸時代、って括ると広いけど、この時代もこんなにポップだったんだ。昔も流行...続きを読む
  • ##NAME##
    やっと読めた。噂にたがわぬ面白さだった。ジュニアアイドル時代を「闇」と一言で表現されることへの戸惑いと怒りと悲しみと様々な感情が渦巻く様が伝わってきて苦しくなる。児童ポルノが無垢な子供たちを搾取し大人になってもデジタルタトゥーとして残る苦しみであると同時に、そこに友だちとの大切な思い出も残っていて、...続きを読む
  • ##NAME##
    ちょっと不思議な読後になった。
    タイトルが気になって手に取ったけど、思ったよりタイトルとの関連性がないように感じた。
    なにが自分の意志でなにが自分たらしめるのか、は本人しかわからないことだし、本人にもわからないことってあるよなと感じた。
  • ##NAME##
    自分自身を形作るもの、象徴するものってなんだろうなって考えてしまう。親の考え方に沿ったり、友達と合わせようとしたりしまっている記憶が蘇った。
  • 江戸POP道中文字栗毛
    YouTube’’ゆる言語学ラジオ''で紹介されていて読みました。
    東海道中膝栗毛などの江戸時代の物語の解説。
    その時代の人々の暮らしや風俗のことが分かりました。現代風に翻訳してくれてるのは分かりやすくて親しみを持てた。
    よく言えば一つ一つが短くまとめられてたけど、もう少し深掘りして欲しかったな
  • ##NAME##
    ジュニアアイドル活動によって名が自分から解離してゆき、後々までも他人がそれを発見し、不利益を被る主人公。
    夢小説を空欄で読む。SNSのハンドルネーム。
    「真意」をもって「本当の名前」を取り戻す、気づく、名というもので収束する最終章が心地よい。
  • ##NAME##
    子役の苦悩に対して解像度が上がって面白かった。多分現実でも同じようなことがあるんだよなと思うと気分悪いので芸能界変わっていって欲しいな…
    闇が深いという言葉が突き放しだみたいな一節、ワカル〜となった。
    盛り塩さんに対してもうちょっと小出しにできたら良かったかな…結婚式呼んでもらえるくらい仲良くしてた...続きを読む
  • 誰にも奪われたくない/凸撃
    著者が作詞家さんとのことで毛色の違う文章を読んでみたく。
    コロナ禍、YouTube、iPhoneSE2、AirPodsPro、あつ森等が頻出し「現代の文章」を摂取した感覚。
    会話の描写がテンポがいいようで流れるようにぬるりとした感覚を受けたのはLINEやチャットでの会話に慣れているからなのか、意外と...続きを読む
  • 江戸POP道中文字栗毛
    ハロプロあたりの作詞家の先生なのね。先生の趣味の世界。どうせなら自作曲解説ももっとしてくれりゃよかったんじゃないだろうか。
  • ##NAME##
    え〜みさのちゃんのこと、好きだったんだ?!って普通に思った。わざと?わたしがよみとれてなかったのかな、、最後墨汁かけてから改名して、DM送って、の流れはスッキリして良かった あんまりピンとこなかったかもー
  • ##NAME##
    小学生から中学生の女子の撮影会など怪しげな事務所に所属する雪那と美砂乃。二人の間にあった奇妙な友情を心の奥にしまって成長した雪那の現在を過去と交差させつつ描く。児童ポルノに焦点を当て断罪している。