中北浩爾のレビュー一覧

  • 自公政権とは何か ──「連立」にみる強さの正体
    「政策からみれば、公明党は民主党と近い。だけれども、体質は自民党と近い。政治は理屈じゃなくて、情だからね。自民党は本当に懐が深いよ。」公明党の漆原元国対委員長の言葉だが、案外これが本書の真意を端的に伝えているのではないか。急いで付け加えるが、ここに旧態然たる談合体質と政策不在の野合だけを読み取るのは...続きを読む
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年
    非常に読みごたえがあった。学者らしく、事実に基づいた筆致には感銘を受けた。ただ政治には感情も伴うので、完全な客観性はないと思う。世界の共産党が衰退している中で、したたかに生き悔いてきた日本共産党は原理的でありながら、時の情勢に応じた現実性もあったから生き延びてきたと思う。ただ現在の内部状況(大衆組織...続きを読む
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年
    Wikipediaより正確で、学術書より読みやすい。戦前の非合法な時代から、90年代以降の小選挙区制導入や党員高齢化の苦しい時代まで、現在の課題も踏まえて俯瞰した一冊。内容について志位委員長が批判したようだが、どこがおかしく問題なのかさっぱりわからん。
  • 自公政権とは何か ──「連立」にみる強さの正体
    『自公政権とは何か』というタイトルだが、現在の自公政権のみならず過去の連立政権すべてについて非常に丁寧な分析が行われており、「連立政権とは何か」というタイトルの方が中身をよく表しているのではないかと思う。

    現代の日本では、1政党が衆参の両院の過半数を握ることは難しく、連立政権の構築とその円滑な運営...続きを読む
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年
    自民党や公明党の分析で定評のある政治学者による日本共産党研究。国際比較と歴史研究を併用しつつ明らかにしたのが、1961年に確立された宮本顕治路線の独自性である。それは、ソ連・中国からの自立性の徹底的な追求や、時代状況に合わせた政策メニューの提供といった「柔軟性」を与えたと同時に、革命という最終目標や...続きを読む
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年
     中国共産党結党より1年遅れて、日本共産党はコミュンテルンの日本支部として結成され2022年7月15日に創立100周年を迎えた。スパイ、裏切り、特高警察による弾圧や公安警察による謀略、創価学会からの盗聴事件、暴力革命路線との決別、中露共産党の干渉との闘い、紆余曲折の100年ながら、100年続いた政党...続きを読む
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年
    勉強になった。よくいる反共学者でも御用学者でもない筆者の精緻な分析に学ぶところが多い。
    一貫して日本共産党を支持してきたが、金カネカネの世の中でここまで国民のために力を尽くしてきた人々に心からエールを送りたい。
    いろいろあっても歴史は前に進むものだと思えた。
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年
    日本共産党の歴史を現在に至るまで解説した本。

    政治的スタンスに関係なく、現在の共産党に至るまでの道筋を詳述した本なので単純に面白い。

    【すごくざっくりのまとめ】
    戦前の結成当初は、当然のことながらかなり弾圧を受けました。
    戦後、民主化により合法性を獲得したが、ソ連崩壊などの情勢変化により政治的ス...続きを読む
  • 自民党―「一強」の実像
    『日本共産党』に続き読んでみた。
    良し悪しはわからないけれどどの党にも偏らず新書の範囲にあり得ない濃さをコンパクトにまとめていると思う
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年
    今年100年の共産党。自分が選挙権を得てから、いや選挙というものを知ってから、ずっとある政党は自由民主党と日本共産党だけになってしまいました。著者はそれぞれについて中公新書を書いている人です。日本の政治の両極を俯瞰した視点から見つめる、というスタンスそのものが、この新書の存在価値を高めているようにも...続きを読む
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年
    当然ながら真偽の程はわからないのだけれど
    著者は自民党と題する本も書いておりそちらも大批判等は起きていないようで
    本書も礼賛でもなく罵倒でもなく信頼していいものかなと思う
    日本共産党を誉めるも貶すも本書を読んでからと
    今後はきっとなるのだろう
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年
    外部とのあらゆる関わりのなかで、それでもしぶとく生き延びてきた政党の100年の歴史が、ほんとうに緻密に記されている。
  • 現代日本の政党デモクラシー
    20代前半の若者としては、自分の生まれてなかった頃から小学生くらいまでの政治状況が、割と左でもなく右でもなく忠実に書かれていると思う。
    今の政治がどのように形作られてきたかが丁寧に書かれていた。
    初学者にしては分からない単語とかもあったからある程度(高校生政治・経済レベル)は知ってから読むべき
    特に...続きを読む
  • 自民党―「一強」の実像
    派閥の性格の変化、事前審査制度の変化などから自民党の政治的強さを論じている。中北さんの政治史系の本は読んだことあったが、現代の政権を分析している本は読んだことなかった。しかし、非常に緻密な分析をしており読みごたえがある。
  • 自公政権とは何か ──「連立」にみる強さの正体

    プロ野球とリトルリーグ

    理論、事例検証、当時の報道や関係者インタビューをしっかり織り混ぜて作られた良書。国対関係者等普段表から見え辛い人々によくここまでインタビュー出来たなと筆者の機動力に感心。

    本書出版後に筆者が出演したYouTube番組も読後ご覧になられると面白いです。
    https://youtu.be/RM1...続きを読む
  • 自民党―「一強」の実像
    これは非常によくまとまってる良書ですよ。さすが中公。章の間にやや重複は見られるものの。財界はその他業界団体と異なる位置付けという認識はなかった。発見であった。
  • 自民党―「一強」の実像
    中北浩爾『自民党 「一強」の実像」』(中公新書、2017年4月)税別880円

    一橋大学大学院社会学研究科教授の中北浩爾(1968-)による55年体制以降の自民党論。

    【構成】
    第1章 派閥 弱体化する「党中党」
     1 衰退への道のり
     2 派閥とは何だったのか
     3 失われた機能
     4 残存する...続きを読む
  • 自民党政治の変容
     「右派」対「リベラル」の勢力争いを、「総裁選挙」「小選挙区制」を視点にして分析する。
     日本型多元主義の頃は、今から思えばやはり幸せな時代だったと感じる。単一的でしかも硬直化・幼児化した政党が、選挙でだけ強いというのは、やはり国のあり方として不幸だと感じる。
     最近の大臣・代議士の立場をわきまえな...続きを読む
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年
    一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した日本共産党の100年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え、同党の全貌を描く。
    日本共産党の歴史が詳細かつ実証的に分析されており、日本共産党を理解するに当たって必読の書だといえる。
    日本共産党が時代ごとに大きく方針等を変えてきたということ、特に1955年以...続きを読む
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年
    昨年結党から100年を迎えた日本共産党100年の歴史。日本共産党に関しては立花隆『日本共産党の研究』(1978)が有名、かつ面白いことは言うまでもない。しかし、本書も負けず劣らず読み応えがあって面白かった。何よりも1980年代以降の分析が加わっている(アフガン侵攻、天安門事件、ソ連崩壊など)ので国際...続きを読む