志川節子のレビュー一覧

  • 芽吹長屋仕合せ帖 日日是好日(新潮文庫)
    内容(ブックデータベースより)

    長屋に暮らしながら縁結びの仕事に生きがいを感じているおえん。だが、三十路半ばにして、ふと思案する。私は一人で生きていくのだろうか……。 そんな時、持ち込まれたのは、あろうことか、別れた夫の再婚話、そして自分の見合い話だった。前の夫の再婚話を世話するなんてと思う一方、...続きを読む
  • 芽吹長屋仕合せ帖 日照雨(新潮文庫)
    内容(ブックデータベースより)

    三十代のおえんは独り長屋で暮らしながら〈縁結び〉の仕事をしている。評判はよいが、いささか難しい話も舞い込んで……。息子を一人で育てる女の縁をとりもつ「結び観音」。腕のいい魚売りがなぜか縁談を尻込みする理由とは(「鯛の祝い」)。ある人物の奉公先を世話することになる「神...続きを読む
  • 朝日文庫時代小説アンソロジー 家族
    どの作品も楽しく読めます。
    特に田牧さんは、ちょっとワクワク、
    そしてほっと心が温かくなる作品を
    書かれる方だなぁと思う。
    私の憧れの江戸の町民たちが題材は
    楽しいし気持ちが良くて好きだわ。
    別(他社かな?)のアンソロジーを読んだ時は
    その作家さんの単行本で読んだ作品が
    入っていたりしてガッカリした...続きを読む
  • 時代小説アンソロジー てしごと
     このアンソロジーに出てくる女性は皆、己の仕事に誇りをもつ人ばかり。

     女のくせに、女だからという心無い言葉に打ち据えられても、負けずに自分の生きる道を開いていく姿が魅力的です。

     とくにあさのあつこさんの『おもみいたします』が好きですね。私もそろそろ整体か、リンパマッサージに行きたい。
    身体ボ...続きを読む
  • 博覧男爵
    鳥なき里の蝙蝠か。淡々とつづられる田中芳男の物語。脇役たちが素っ気なく描かれているのが物足りないし、芯が弱い気もするが、十分読み応えあり。
  • 博覧男爵
    『激動の幕末・明治:博物館設立に懸けた人生』

    日本初の博物館や動物園設立に深く関わった『博覧男爵』田中芳男の物語。日本の激動期に、如何に欧米の文化が取り入れられきたかがよくわかる。派手さはないけれど、堅実に学ぼうとする芳男の姿勢は見習いたい。
  • 手のひら、ひらひら 江戸吉原七色彩
    3つの裏稼業…作者が考えた架空の職業らしいけど、まるで実の仕事のように話にしっくり馴染んでいた。実はこれに似た職業あったのかもね…なんて友達と話してしまったほど笑 連作になっていて読みやすい。各々の主人公も花魁だけでなく商人などもいて、吉原の小さな街に関わる人に満遍なくスポットが当たってる。ちょっと...続きを読む
  • 博覧男爵
    幕末の動乱の中で、己の信念を貫いた男がいた。

    渋沢栄一らと共に、パリ万博へ参加し、自分が成すべき道を模索し続けた。

    「日本の博物館の父」こと田中芳男が駆け抜けた日々
  • 芽吹長屋仕合せ帖 ご縁の糸
    内容(「BOOK」データベースより)

    不貞を疑われて妻の座を追われ、独り住むことになった日本橋の芽吹長屋で、おえんはふとしたことから男女の縁を取り持つことになる。嫁き遅れた一人娘と絵の道をあきらめた男、ひどく毛深い侍と若い娘、老いらくの恋。遠慮のない長屋のつきあいにもなじむ頃、おえんの耳に息子の心...続きを読む
  • 芽吹長屋仕合せ帖 日日是好日(新潮文庫)
    このシリーズの完結編。
    10年にわたって書かれたと聞く。
    女性の心理も描き切って、最終話は、どう自分らしく生きるか?という問いに行き着く。
    素敵なシリーズだった。
  • 花鳥茶屋せせらぎ
    現代で言い換えると、花や鳥を見せるテーマパークと言えるだろうか。
    花鳥茶屋、江戸時代にはこうした場所があったらしい。
    園芸も当時の世界レベルでも、ハイレベルだった江戸。

    そんな花鳥茶屋で起こる人間模様。
    まだ16歳ほどの少年少女の日々の暮らしや悩みなどが、美しい鳥たちの姿を通して描かれる秀作。
  • 煌

    前編にそれぞれ登場するのは各地域の花火。
    年代、地域が違うそれぞれに生きる人々の心情を綴った短編集。立場身分は違っても一生懸命自分らしく生きる人々の炎が見えてくる。

    前編にわたり詩情豊かに人生が語られる素敵な一冊。
  • 芽吹長屋仕合せ帖 日照雨(新潮文庫)
    2022年に発行されたこれが「芽吹長屋仕合せ帖」シリーズの第2巻。
    1巻目に続く素敵なお話の続きは大満足の大円団!

    色入りな夫婦、親子、情愛溢れる物語になっている。
    次回作があればたのしみ!
  • 時代小説アンソロジー てしごと
    春雀二羽:澤田瞳子/藍の襷:志川節子/
    掌中の天:奥山景布子/姉妹茶屋:西條奈加/
    浮かれの蝶:小松エメル/おもみいたします:あさのあつこ

    薬師、麹造り、根付職人、そば打ち職人、口寄せ、揉み屋

    様々な職を持つおんなたち。
    手の仕事は人の息と想いがほんのり薫るのが良いなぁ
  • 朝日文庫時代小説アンソロジー 家族
    初めての時代小説ということで、江戸ことばに戸惑ったが、家族という近い存在だからこその関わりの難しさからのほんわか心温まる作品で、面白く読めた。
  • 朝日文庫時代小説アンソロジー 家族
     どの作品も好きです。
     家族だからこそ、こじれることもあるし、上手く行くこともある。

     やはりアンソロジーはいいですね♪
  • 博覧男爵
    「青天を衝く」の主人公渋沢栄一とは立場は違うにしても、
    くしくもパリ万国博覧会へ幕府の一員として参加。
    みんな西欧の文化を日本へ移植するために苦労したんですなあ。
    田中芳男コツコツと日本のために尽くした。明治の人は偉い。
  • 花鳥茶屋せせらぎ
    今度は「仕事に悩む若手社会人」を題材にしてきたか!宇江佐真理の「髪結…」が迷走?した時に、ちょっとそういう方向に振れたことはあったけど、この作品は首尾一貫そっちの方向で物語を展開させる。

    今でいう野鳥園と植物園をミックスしたような娯楽施設「花鳥茶屋せせらぎ」を中心舞台に、とりかご職人の勝次、お茶屋...続きを読む
  • 芽吹長屋仕合せ帖 ご縁の糸
    志川節子の市井人情モノ。
    ビターさが甘みを引き立てるように、主人公の境遇が人情味を引き立てる類の話は、匙加減がむつかしいと思うのだが、本作収録の作品はその加減が絶妙。エエバランス感覚してるわ。

    宇江佐真理が書いていてもおかしくない、王道と言えば王道の市井人情モノ。ワンパターンではなく、基本を踏襲し...続きを読む
  • 春はそこまで 風待ち小路の人々
    芝神明宮近くにある風待ち小路で商いを営む人を主人公にした連作短編集…とおもいきや、後半に話がつながって長編になるという展開。直木賞候補作でもあったんだとか(知らずに読んだ)

    市井人情ものの王道を行く、こういうベタな話は好きだなぁ。後半今までの登場人物たちが交差してのクライマックスを盛り上げ、ハッピ...続きを読む