NHK「欲望の資本主義」制作班のレビュー一覧

  • 欲望の資本主義2―闇の力が目覚める時
    NHKで放送された内容の書籍化。シリーズもので読み続けていけるのが嬉しい。今回は二巻だが、どこから読んでも問題ない。フランスの知性ダニエル・コーエン、異才哲学者マルクス・ガブリエルと奇才トーマス・セドラチェクの対談が見所。

    アダムスミスが国富論で利己心を肯定しつつ、道徳感情論で共感を人間存在の基礎...続きを読む
  • 欲望の資本主義―ルールが変わる時
    スティグリッツのイノベーションへの主張が印象的だった。
    "イノベーションにより生産性は上昇しない"
    シリコンバレーの企業の成長や利益の源泉は広告によるものが多い つまり、利益が他企業から移行しているだけで生産性向上にはつながっていないのでは?
    新しいテクノロジーの成功例の一部は短期的に法をかいくぐっ...続きを読む
  • 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る
     『貨幣論』、『二十一世紀の資本主義論』と続けて読んで、今回、著者の最新の本書を読んだ。上記2冊はいずれも今から30年近く前に刊行されたが、これらで展開された「貨幣」の本質は、たとえその姿形を変えたとしても、その実態は変わらないとわかる。その一方で、これらの本には存在しなかったビットコイン等の仮想通...続きを読む
  • 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る
    「貨幣とは貨幣であるから貨幣である」という貨幣の自己循環論法。なんだそりゃ。小泉進次郎が言いそうなトートロジーでもあり、早口言葉のようでもある。しかし、これが真理なのだろう。ただ、若干の補足が必要だ。

    お金を使うことは、お金自体に使い道は無いことを知りながら、流通させていることであり、最も純粋な投...続きを読む
  • 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る
    経済学や貨幣について独学していくなかで、「これからの正義の話をしよう」「ビットコインスタンダード」を読んだ後にこの本を読んだ。
     
    貨幣や経済を学ぶに連れ、学問は隔たりなく体系的に学ぶことの重要性と楽しさを覚えている。

    また著者の思考をまずは読み取り、その上で対岸の思想を学ぶことも自分の思考を枠の...続きを読む
  • 欲望の資本主義―ルールが変わる時
    本当の問題はマイナス金利ではなく、中小企業が資金を調達できないことにある。

    日本経済低迷の要因は、人口減少

    高齢化が進む日本は、医療機器の分野で世界をリードできるかもしれない

    豊作の年は、収穫したものを全て消費するのではなく、貯めておくことです

    民主資本主義の本質的な意義は、「自由」にある
    ...続きを読む
  • 欲望の資本主義―ルールが変わる時
    成長を前提とした経済政策がいかにあぶないのか、繰り返し語られている。借金をして、GDPを一時的に膨らましたところで、成長が無ければ、利子負担だけが重くなり、行き詰まるのは目に見えている。個人の生き方でも、増殖する欲望に合わせて、働きづめとなれば、心や身体を壊し、持続可能性は低まる。収入に合わせて楽し...続きを読む
  • 欲望の資本主義―ルールが変わる時
    「資本主義」を考える月間2冊目。NHKスペシャル「欲望の資本主義」のインタビューを書籍化したもので、世界の知性と呼ばれる人たちの主張がじっくり読める。第1巻では、ノーベル経済学賞受賞のスティグリッツ、チェコのエコノミストであるセドラチェク、Uberを見出した投資家であるスタンフォードの3氏。スティグ...続きを読む
  • 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る
    「貨幣は、本来人間を匿名にするんです。これが貨幣のもっとも重要なところなんですね。匿名ということは、人間が、ほかの人に評価されない領域を自分でちゃんともっているということ。これが重要なんですよ。」

    例えば、住まいを間借りしているとする。するとその家のルールに従わないとダメだし、突然出て行けと言われ...続きを読む
  • 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る
    1)「貨幣とは何か」という問いに対する考察。金銀など「貨幣は価値が高いものだから貨幣である」とする「貨幣商品説」は、かならず[カネの価値]>[カネのモノとしての価値]となるところから棄却される。究極のところ「貨幣は他の人が貨幣として受け取ってくれるから貨幣である」ということになる。
    2)ビットコイン...続きを読む
  • 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る
    ビットコインは新しい発想ではない、というところから興味を持って読んだ本書。面白かった。
    お金の価値は、お金を発行している国家の信頼があるから、と思ってたけどそうではなくて社会全体の信頼による、というのは驚き。
  • 欲望の資本主義2―闇の力が目覚める時
    前作、”欲望の資本主義 ルールが変わる時”の続編。今回は第1章”安田洋祐 x ダニエル・コーエン”がテクノロジーと経済成長について対談、第2章は”マルクス・ガブリエル x トーマス・セドラチェク”が哲学と経済学の異種格闘技論争という構成となっています。トランプ大統領がこの書籍で話題に上がっております...続きを読む
  • 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る
    貨幣とは、を歴史から考察する
    お金とは、空虚なものですね。なのに人間の命を奪い、救う。神なのか、ただの紙なのか
  • 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る
    NHKの「欲望の資本主義」に出ていた岩井克人の『欲望の貨幣論』である。「貨幣とは貨幣であるから貨幣である」と見極めて、貨幣の定義は自己循環論法に求められるとの結論に到達する。ビットコインとは何ぞやとか、今流行りのMMTなどにも言及しており、難しい主題ながら、分かりやすい説明がなされていて、分かった様...続きを読む
  • 欲望の資本主義2―闇の力が目覚める時
    想像的であれ、さもなくば死だ。

    創造性を強要される時代。



    無数の正義が存在し、
    そこには対話はなく、
    主張だけがある。


  • 欲望の資本主義―ルールが変わる時
    私が何となく学んできた経済の知識・常識を疑って見続けている人たちの話。
    本書は、3名の著名な方々にインタビューしたもの。もとはNHKのドキュメンタリーがきっかけで作られた本とのこと。
    NHKの番組は未見だが、ぜひ見てみたい。

    ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・E・スティグリッツさん
    24歳の時に...続きを読む
  • 欲望の資本主義2―闇の力が目覚める時
    めっちゃ難しい!

    テクノロジーの進化を受けて、失われる雇用の受け皿になる産業が育っていない。それが格差を引き起こしている。

    創造的であれ、さもなくば死だ。

    人間の真の生産性とは、繁殖すなわち出産であるが、資本主義社会では女性や子どもは生産性がないととらえられる。

    良い人疲れ。

    内部にアウト...続きを読む
  • 欲望の資本主義―ルールが変わる時
    ETVでやってた欲望の資本主義、結構面白かった(中だるみしたけどな)ので書籍が出ていると知って購入。なかなか面白かった。

    だが、小林喜光、おまえはダメだ!
    なにが「日本の若者も車やモノに興味を持たなくなっています」だよ。十分なお金と時間を提供できないだけじゃないのさ。

    スティグリッツ氏の主張には...続きを読む
  • 欲望の資本主義―ルールが変わる時
    スティグリッツもセドラチェックもGDPを指標とすることに疑問を投げかけているのが面白い。そもそも成長を前提としない経済のあり方が本当に必要なだと思う。
    無理やり成長を追っているところに無理が生じているという主張にいたく共感した。
    十分豊かな先進国では生活に必要な富は一部の生産活動で賄われており、その...続きを読む
  • 欲望の資本主義―ルールが変わる時
    アルコールはお金に似ている。
    翌日の体力をタイムワープさせる。

    ■スティグリッツ
    ・不平等の是正のためには政府の介入を。

    ・目先の利益ではなく、長期的な投資ニーズと貯蓄に目を向ける。

    ・市場の論理とは、お金さえあれば誰でもプレーヤーになれる平等性。
    そこに共同体の論理が入ることの是非もある。
    ...続きを読む