芳川泰久のレビュー一覧
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はじめにとおわりにはマグマが吹き出す熱量だ。小説読みの面目躍如だ。微差、石の摩滅、重ね合わせは卓見すぎてクラクラする。失われた時を求めてを読んで、さらに本書に出会えて、生まれてきた甲斐もあったよ。Posted by ブクログ
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原本は対訳が全14巻、とても読み通せるものではなく、興味はあるものの、でしたが、本書そのタイトル通り、「失われた時を求めて」を全1巻に纏めてものです。訳者の芳川泰久さん角田光代さんのお力で自分的にはスリリングな読書体験させて頂きました。特に45章「不揃いな舗石」以降の主人公の哲学的思弁と導かれる解。...続きを読むPosted by ブクログ
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(よい意味で)大学の講義みたい。『失われた時を求めて』のいろんなところを、場合によっては原文まで参照して、その含みや成り立ち、背景などを解説してくれる。例として挙げられる訳が生硬なのもやはり講義っぽい。確かに、一文の中で時制がかわっていて、それぞれにこんな意味がある、というのはなかなか日本語訳には反...続きを読むPosted by ブクログ
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大著の縮約版。
とは言え、ボリュームあり。
母への想い、祖母の死、そしてアルベルチーヌへの尽きぬ想い。
死と愛と嫉妬と欲望。およそ人間が苦悩する様々なものが連綿と綴られる。
角田さんの訳じゃなかったら、読めたんだろうか。Posted by ブクログ -
本当は、ちゃんと原文に即したものを読むべきなのだろうが、複数回挫折している自分にとっては1冊でまとまっているものがあるというのは非常にありがたかった。
これを足がかりに改めて読み進めるというのはありなのではなかろうか。Posted by ブクログ