作品一覧 2017/03/03更新 新潮モダン・クラシックス 失われた時を求めて 全一冊 試し読み フォロー 先生の夢十夜 試し読み フォロー 謎とき『失われた時を求めて』 試し読み フォロー 坊っちゃんのそれから 試し読み フォロー ボヴァリー夫人 試し読み フォロー 吾輩のそれから 試し読み フォロー 1~6件目 / 6件<<<1・・・・・・・・・>>> 芳川泰久の作品をすべて見る
ユーザーレビュー ボヴァリー夫人 G・フローベール / 芳川泰久 『ボヴァリー夫人』 「そろそろやばいかな」とかこの若妻は思いません。 元祖ゴーイングマイウェイな”ボヴァリー夫人”。 若い時の夢見がちな空想って、 いつしか現実と向き合う時間が増えるにつれ にこやかに送り出せるものだと思うのですが、 (と言うかサヨナラせざるを得ない…?) この妻、諦めない。...続きを読む 夢想で無双。 ナボコフは『ナボコフの文学講』の中で、 「俗物の中の俗物」みたいな勢いで彼女を評していましたが、今で言うと スイーツ大好きインスタ映え命の韓流ドラマ大ファン女子って感じでしょうか。 (悪気はないです。例えね例え。) もうね、ここまで貫かれると賞賛しちゃう。 あっぱれだよあっぱれ。 最後のほうなんてむしろちゃんとやりきってくれよって若干思ってた。 1857年の作品が、2023年に新訳で読めてるってもうやべーことだと思うのですが、 何でそこまで語り継がれているかって言うと、 当時のフランス文学をガッツリ変える革命を起こしているからなんですねぇ。 起こっている事を何もかも知っている俯瞰の第三者に語らせるという物語進行をせず(神の視点の排除)、 話者がかわるがわる交代することにより それぞれの主観を際立たせ、感情移入を容易にしている。 つまり話者が、 誰かがこちらへ向かっているけどそれが誰かは分からないという状況なら、 我々読者も誰が来るのかわからない。 こういったミステリアスな仕掛けが、個々の文章や小説全体から受ける印象を形作っており、 まさにハラハラドキドキソワソワの追体験を読者に提供してくれています。 そして当然ストーリーとしても面白い。 これは当時のフランスで意欲作というか、 最早喧嘩腰作ですね。やるやんフロベール。 うまいなこの料理ってなって、 複雑な調理法や意外な材料を考えながら食べることもできるし、 「とりあえずうまい」とそのものの全体の味を楽しむこともできちゃう、と盛り沢山でありました。 Posted by ブクログ ボヴァリー夫人 G・フローベール / 芳川泰久 最初は冗長に感じたが、読み進むうちに繊細な情景描写や感情表現にぐいぐいと引き込まれた。文学史上に残る傑作だと思う。翻訳も丁寧で読みやすい。 Posted by ブクログ ボヴァリー夫人 G・フローベール / 芳川泰久 冷静で緻密な描写に終始圧巻される。 ストーリー自体は現代ではありふれた転落劇だが、これでもかと積み重ねられた情景描写が雄弁で士気迫ってくるものがある。 農業共進会でのロドルフとの逢引シーンが素晴らしい。 役者あとがきまでボリューム満点で満足度が高かった。 シャルルは何も悪いことはしていないし一貫して...続きを読むかわいそうではあるけど、エンマの嫌悪する気持ちもわかってしまう。 Posted by ブクログ 謎とき『失われた時を求めて』 芳川泰久 はじめにとおわりにはマグマが吹き出す熱量だ。小説読みの面目躍如だ。微差、石の摩滅、重ね合わせは卓見すぎてクラクラする。失われた時を求めてを読んで、さらに本書に出会えて、生まれてきた甲斐もあったよ。 Posted by ブクログ ボヴァリー夫人 G・フローベール / 芳川泰久 どうしようもない女性の話。真っ当で愛情深い夫を退屈で凡庸だと軽蔑。夫は安定した稼ぎがあるのに、この人でなければ自分はもっと裕福な暮らしができたはず、と自惚れ。そんな女性の話でも一応の格調を保っている。文章の美しさもさることながら、女性の一途さ故に。ただ物語のような恋愛をひたすら求める様は、哀れだけど...続きを読むも純粋である。 高評価にしたのは、主に話の筋から。予想はできながらも終結はやはり圧巻である。それと上記にみるような、低俗さと高貴さの絶妙なバランスから。 しかし、男性には不評かもしれないと思う。この女性は完全に恋愛脳で、メンヘラだからだ。 Posted by ブクログ 芳川泰久のレビューをもっと見る