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Posted by ブクログ 2020年11月19日
冷静で緻密な描写に終始圧巻される。
ストーリー自体は現代ではありふれた転落劇だが、これでもかと積み重ねられた情景描写が雄弁で士気迫ってくるものがある。
農業共進会でのロドルフとの逢引シーンが素晴らしい。
役者あとがきまでボリューム満点で満足度が高かった。
シャルルは何も悪いことはしていないし一貫して...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月15日
でたらめな父親と、気位の高い母親にふりまわされて
シャルル・ボヴァリー氏は自分では何もできない男だった
親の言うまま勉強して医者になり
親の言うまま資産ある中年女を嫁にとった
しかし患者の家で出会った若い娘と恋におち
初めて自らの意思を持ったシャルルは
熱愛のさなか妻が急死する幸運?にも恵まれ、これ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月02日
配偶者や恋人以外の男女に心が傾くことを浮気と呼ぶのは実に言い得て妙だ。足が地につかず、まさに気持ちがフワフワと浮き立つ如きその感覚は、恥ずかしながら私自身にも経験がある。以前読んだ桐野夏生著「柔らかな頬」のなかで、不倫相手と密会する主人公が「このまま彼と生きていけるなら子供を捨ててもいい」と考えるの...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月24日
19世紀フランス文学の名作。モームの世界十大小説のひとつ。原文に忠実な訳文を目指したという日本語最新訳。
恋愛小説のような情熱的な恋に憧れていた少女が、うっかり平凡な結婚をしてしまった反動で引き起こしてしまう壮絶な不倫劇。不倫にまつわる情動の燃え上がりや苦悩の激しさをあますことなく描き切り、恋愛と...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年02月09日
吉田健一の『文学人生案内』第一章「文学に現われた男性像」に小説には女性が華やかに、かつ悲惨に焦点を当てられ中心になって描かれているのが多い、男性には光が当てられてない、 という記事にはわたしは目をひらかれる思いだった。
吉田氏はこの本の中で「フローベルの『ボヴァリー夫人』」という章で詳しく、文学論...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月19日
主人公エンマは自分が既に持っているもの、手を伸ばせば届くものには幸せを見出さず、だから遠くにあるもの、かけ離れたもの、失ったもの、身分不相応のものを追い求める。その気質は奇しくも彼女の忌み嫌う市民的な平凡さそのものとして描かれているように感じた。おそらくフローベールもそのように意図して書いているの...続きを読む
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