河合祥一郎のレビュー一覧

  • ポー傑作選2 怪奇ミステリー編 モルグ街の殺人
    世界初の推理小説『モルグ街の殺人』
    小学生のころの児童書で初めて読んだときは、意外な真相におおいに驚いたのを覚えています。今回改めて読んで、推理小説というもののかたちはこの時点ですでに完成していたのだと感じました。

    狂気的な殺人現場、バラバラの証言、消え失せた犯人……。それを解くのは理屈っぽい名探...続きを読む
  • ポー傑作選2 怪奇ミステリー編 モルグ街の殺人
    新訳2冊連続刊行。先月の「黒猫」に続いて本書がその2冊目。「黒猫」がゴシックホラー編で、この「モルグ街」は怪奇ミステリー編というテーマ分け。
    このシリーズ、「作品解題」が丁寧なのに加えて、「ポーの用語」と「ポーの死の謎に迫る」というオマケボーナストラック的な読み物も充実(この部分だけで100ページ近...続きを読む
  • 不思議の国のアリス
    詩や本文中の言葉遊びなどを楽しみたいなら英文で読んだ方がいいのかもしれない。翻訳でも楽しめるようになっているが、読みながらきっと英文で読んだ方が面白いんだろうな……と思えてきてしまう。
    不思議の国(夢)であるだけあって一貫性や筋道はあまりなく詩や言葉遊びを楽しめないと面白さを見出すのが大変だった。
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  • ポー傑作選1 ゴシックホラー編 黒猫
    今まで読んだどのポーの翻訳とも一味違った雰囲気で面白く読んだのですが、訳者の河合先生のあとがきで「ポーの文章に込められた〈技巧〉を訳出することを第一に目指した」というお話しに、なるほど、と。
    また、巻末についている作品解題とポーの生涯紹介に60ページ使っているだけあってとても丁寧。詩の押韻の型とか細...続きを読む
  • 鏡の国のアリス
    10冊目『鏡の国のアリス』(ルイス・キャロル 著、河合祥一郎 訳、2010年2月、角川書店)
    1865年に刊行された児童文学『不思議の国のアリス』の続編。初刊行は1871年。前作以上にナンセンスな内容だが、物語全体を通して一つのチェスのゲームになっているという構成は驚異的かつ狂気的。訳者の解説が真実...続きを読む
  • 不思議の国のアリス
    今更ながら初めて読みましたが、アリスの思考がぶっとんでてクラクラする。少女だし仕方ないけど同化はできず。夢野久作作品読んだとき以来の混乱。
    好きなのはチェシャー猫。安全圏で引っ掻き回す役回り、好きです。
  • シェイクスピア 人生劇場の達人
     前半の3章はシェイクスピアの生い立ち、経歴。後半の4章はシェイクスピア劇の背景や特徴、思想について。
     シェイクスピアが生きた時代について、シェイクスピアの家族や生活について知ることができるが、シェイクスピア作品さながら、固有名詞も多いので頭に入りにくいが、何となくは分かった。当時のことを知らない...続きを読む
  • 不思議の国のアリス+鏡の国のアリス 2冊合本版

    解説を読んで驚き

    本編を読んでいた時は不思議な世界をただ歩き回るだけの話で内容に意味は無いと思っていたが、実際のチェスに対応した話にしていると分かり鏡の国のアリスはより凄い作品に感じた。
  • 不思議の国のアリス
    2度目読み終わり。
    アニメ、映画とは全く違う不思議な世界観。
    読んでると頭おかしくなりそうな時もあるけどこの不思議な世界がクセになる。
  • 心を支えるシェイクスピアの言葉―――日本語訳と原文で味わう人生に効く110の言葉
    CSIでグリッソムが、口にするのがカッコいい!と思ったので、私も。

    口にするシーンは、なかなかないけど、あれ?このフレーズはリスペクトしてる?と、思えるのが、楽しい。


  • 若い読者のための文学史
    イギリスを中心とした文学史。残念な事に古典的名作を読まずに来てしまったので、大まかにでも作品に触れたいと思い若くないけど読んでみた。名の知れた大作が並び読んでみたい作品も多い。本として読んでいなくても古典的名作は映画化されている物が多く、映画の印象が頭に残っていたりする(原作に忠実かはさておき)。若...続きを読む
  • 不思議の国のアリス
    改めて読むと文学よりは絵本もしくは映像に向いている作品と痛感。登場するコミカルなキャラクターやシニカルなやり取りも文字にすると毒気が強く支離滅裂な印象を受ける。

    私が童心を失ったのか単なる想い出補正か、ここまで世界的名作足り得る作品かというとかなり微妙。
  • シェイクスピアの正体
    別人説を、一見トンデモな見解のものも一つずつ解きほぐしていく面白さがある。肖像画、胸像、改めて見ると、なるほど!?ん!?の繰り返し。歴史を証明する文献の読み解き方として楽しく読める。
  • 不思議の国のアリス
    石川澄子の訳を見た
    ほんとに不思議の国の住人たち。想像力が欠如したのか概念が固定されてきたのかあまり楽しめなかった。
    子供の頃に読んだらどうだったのか、英語版を次はよんでみたい
  • 鏡の国のアリス
    『鏡の国のアリス』は、イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(1832~1898年)が、ルイス・キャロルのペンネームで発表した『不思議の国のアリス』の続篇ともいえる作品である。
    『不思議の国』は、キャロルが、オックスフォード大学在学中に所属していた学寮の学寮長の娘であるアリス・リドルのた...続きを読む
  • 新訳 お気に召すまま
     “All the world's a stage. And all the men and women merely players." でお馴染みの、シェイクスピアの、最後は大団円で終わるドタバタ恋愛劇。
     登場人物は他のシェイクスピア劇に比べても特別多いという訳でもないけど、やっぱり一生懸命...続きを読む
  • 暴君 シェイクスピアの政治学
    正直、シェイクスピア作品に明るくない私はあんまりついていけていなかったと思うが、もう10年以上見ている舞台の2幕冒頭シーンがどういう意図をもってつくられた場面なのか、やっとわかった気がして嬉しかった。
    ついていけないながらになんとなく既視感を感じつつ読み進める中で、make England grea...続きを読む
  • 暴君 シェイクスピアの政治学
    シェイクスピアの各作品での「暴君」の描かれ方をうまく抽出してあると感じた。
    項目立てが絶妙なのか、各論的になりすぎず、一貫した書きぶりで読みやすい。
    シェイクスピア作品に目を通したうえで再読してみたい。
    トランプ政権誕生を明らかに意図しているはずだが、本文に指摘のシェイクスピアのやり方と同様、「直接...続きを読む
  • 暴君 シェイクスピアの政治学
     最高権力者の心に宿る矜持と巣食う不安。最高権力者は、最高権力者がゆえに常に孤独である。自らの地位を危うくすることには誰よりも神経質で、その不安が抑えきれないほど強くなれば、暴君となる可能性が高まる。最高権力者には、権力にすり寄ってくるものたちが多く出て、その追従は、権力者に自信と自己満足をもたらす...続きを読む
  • 不思議の国のアリス
    アニメとはまた違った感じ。
    世界観がいいですよね。
    みんなわがままでもなんとか成り立っている感じ。
    どういう風に思いつくのだろうか。