清水真木のレビュー一覧
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久々にちゃんとした哲学的考察を読んだ。ああ、ネットの時代になってもこういうものはちゃんと存在してるんだな。とてもとてもうれしい。地平ではなくなったもの、という主張への違和感は、少し時間をかけて考えてみたい。Posted by ブクログ
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親しい友人がいることは無条件にいいことだと思われている。
友人の数が、すなわちその人間の価値だとみなす風潮がある。
TwitterやFacebookなど、ソーシャルネットワークでも、フレンド数の多さが競われたりする。
名刺の数が「人脈」と称され、仕事の能力とほぼイコールだと考えられている。
確かに、...続きを読むPosted by ブクログ -
本文中に何度も現れる「友人とは何か、友情とは何か」という問いに哲学の歴史の中で答えは3通り。
一つ目が、友情とは公共の空間を成立させるための基盤であるとするもの。
二つ目が、本当の友人とは自分の「分身」であるとするもの。
三つ目が、利害の一致などでの親密な雰囲気を友情とするもの。
実感に近い、三つ...続きを読むPosted by ブクログ -
正直今の自分には不要かなと思っていたが、新しい発見や理解が中途半端だったところの補強を得ることができた読書経験だった。ドゥルーズやバタイユなどのフランス現代思想家のニーチェ解釈は場合によっては害になるなど、自分の論を歯に衣着せぬ物言いで主張していく筆者の姿に感銘を受けた。Posted by ブクログ
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ニーチェに関する専門用語をできるだけ使わずに、ニーチェの思想の入り口まで平易な文章で解説がなされている。
ニーチェの生涯と思想を絡めた解説ということもあり、ニーチェの周囲の人間関係がその著作にどのような影響を及ぼしてきたかを俯瞰できる。Posted by ブクログ -
様々な文化価値の非階層的な等価性、ひとつの文化価値が同時に多の文化価値を内包するという土田杏村の哲学は、現代のネットワーク型社会、クラウド型社会において再評価されるべきものかも知れない。
その点で本書における土田杏村の再発見は実はタイムリーなものだったりするのではなかろうか。
わたし自身も含めて...続きを読むPosted by ブクログ -
語り口調で書かれていて、最初は読みにくいと思ったけど、途中から心地よくなった。
著者の知識の深さがすごぉい、てか底無しな感じ。文系の教授くらいはこのくらいは当然なのかな?
ちなみに教養とは、社会と私生活をうまくつなぐというか、問題を解決するための知識、といったところか。すばらしい。Posted by ブクログ -
中島義道かよ!なタイトルとは裏腹に、とても安定した内容。安定している割には書き手のこだわり?が目立つ本。
ルソーの影響力にはフランス革命が補助的役割を担ってる、っていう説明にへええーでした。Posted by ブクログ -
タイトル勝ち。友情にまつわる問題が公共性の問題だとは気づかなかった。哲学者が友情をどのように疑ってきたか、どういう問題と認識していたか、を記述した書。Posted by ブクログ
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ニーチェ自身の病気と健康という2面性から、身体に敵対するものを受容してそれでも強く生きる超人と、身体を慰めてくれる思想・薬に安易に飛びつく病人の対比を理解しやすかった。Posted by ブクログ
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[ 内容 ]
友人。
誰のまわりにも一人はいる身近な存在と考えられている。
しかし、友人との付き合い方にルールはなく、友人が私たちに何を運んでくるかは予測のつかぬ謎である。
誰が友人か、どこに友人はいるのか、友人と親しさの差異は何か、そして友情の政治的機能とは…。
本書は、哲学者たちの友情論を手がか...続きを読むPosted by ブクログ -
「教養」というあいまいな言葉について、日本に輸入された歴史や、「教育」「古典」などの関連ワードとの切り分けについて書かれた本。教養とは、仕事とプライベートと政治、3つの役割をうまく統合する能力だ、というようなことが書かれていた。教養の身につけかたについては書いていない。Posted by ブクログ