志村貴子のレビュー一覧

  • 娘の家出 2
    第一巻はまだ多少話がとっ散らかってる印象があった(かわりに、設定の面白さで引っ張っていた感じ)のに対して、ここからぐぐぐぐっと良くなった。かなりどうしようもない人々の、しかも話の終わりで問題が解決するかと思えば解決しない(笑)のに、それでも明日に願いと祈りを届ける、そっとささやくようにforgive...続きを読む
  • 娘の家出 1
    主人公の女の子が、父の再婚相手に面と向かって「あなたのせいで私は傷ついた」といったようなことを告げるシーンがあって、このことの意味を考えていた。お互い過去には触れずになんとなく許しあうこともできたはずなのに、主人公はあえてその道を選ばなかった。明確に相手を傷つけることで、自らの復讐を果たしている。た...続きを読む
  • 青い花 8巻
    もったいなくて何となくずっと読めなかった最後をはじめから一気に読み返してやっと読み終えたー。
    「ふみちゃんはすぐ泣くんだから」の魔法みたいな表現すごいなぁ。その前の呪いとあいまって広がり方がすごかった。
    こんだけたくさんキャラが出てくるのに嫌なキャラを作らず、しかもそれぞれにストーリーを入れるのがこ...続きを読む
  • 放浪息子 9巻
    うーん、素晴らしいです。
    ネットなどでは結構、賛否両論あるこの作品なのですが、私は大好きです。
    批判の原因は「女装・男装がすき」「女の子・男の子になりたい」など性に対する微妙な問題を含んでいる作品であることが大きいのかと。
    でも、私が恐ろしいほどセンスいいなあと思うのは、そんな「微妙なテーマ」を実に...続きを読む
  • 青い花 8巻
    青い花、完結。
    鎌倉で、演劇で、女の子でということで、わたしの引き出しの中では、これは、「櫻の園」や「ラヴァーズキス」と同じ引き出しに入っております。
    実は、「ゆめのかよいじ」も、同じ引き出しに入っていますが、あれは、鎌倉よりももっと田舎な雰囲気かなぁ。

    鎌倉舞台の物語って、なんというか鎌倉愛に満...続きを読む
  • 青い花 7巻
    次の巻で完結。
    ラスト1巻までやってきました。

    主人公たちも、高校3年生。
    そして、この巻見てて、性格だけではなくて、姿形も、みんなちゃんと成長しているのを感じで、すごいなぁと思います。

    けっこう、マンガのなかの成長って難しいのです。
    特に、子どもの時代って、1、2年で別人かと思うほど姿形が変わ...続きを読む
  • 娘の家出 1
    たまたま掲載誌で6話を読んで気になりコミックスを購入しました。
    色々なキャラを主役に置いた話で構成されていて、連載作品なのに短編集の様な雰囲気が好きだなと思いました。
    志村貴子さんの作品を初めて読んだのですが、他の作品も是非読んでみたいですね。
  • 娘の家出 1
    短編集なのかと思ったら連作形式で、個人的には嬉しい喜び。思春期の心理描写をさせたら天下一品の志村さんの力量、本作でもがっつり発揮されてます。
    各篇のタイトルが昭和歌謡からとられているところもツボでした。
  • 娘の家出 1
    中心的な主人公とその周囲の人びとが各小話ごとに主役交代していく連載形式は、『青い花』/『放浪息子』の後期から引き続き。今作はその形式に特化している分、小話ごとのテーマ性の強さとか面白みは増している感もある。彼/彼女たちのコンプレックスとか嫉妬とか後悔とかそれらの克服の物語を通じて、恋愛や家族のあり方...続きを読む
  • 娘の家出 1
    志村さんは、柔らかなタッチで重たいことをしれっと描くから面白い。デブ専の主人公がたとえ痩せてもあなたを愛すわ…って所究極そうに思うけど、私ならまた肥えさすなぁ。
  • 青い花 8巻
    完結に納得できた最終巻でした。
    ハッピーエンド?で終わっちゃったよ!

    大事な場面場面で、直接その描写をしない所が、読者側により多くの想像をかきたてさせてくる。

    あーちゃんの独白やふみちゃんの夢にどきっとさせられるばかり。

    BSマンガ夜話で取り上げられた時にはまだ連載中だったけど、改めて完結して...続きを読む
  • 敷居の住人 新装版 1
    すぐ陰口や愚痴を叩いて、すぐ欲情して、気まぐれで飽きっぽくて、すぐ軽口を叩く、その割に中途半端にプライドが高い。たまに高過ぎてめんどくさい。そういう部分に自覚はあるが変わらない。変われない。変わってしまうと噓くさい。しかし、どんな人でもどこかしらに純粋さが見え隠れしている。だからなんだか憎めない。だ...続きを読む
  • 青い花 5巻
    三島由紀夫の鹿鳴館を演劇祭で上演。

    京子ちゃんの舞台の最中に康ちゃんとの重要なお話しが織り込まれて。

    すごいマンガだと思う。純文学のテイストを持ち合わせているけれど、固くなりすぎず…世界にグイグイ引き込ませるけれども、所々に笑いを含ませて緊張を緩め、読みやすくしてくれる。
  • 青い花 4巻
    ふみちゃんがとうとうあーちゃんに告白。 個人的には、この二人には別々の恋人ができて欲しい。何故だかそう思う。
  • 不憫BL
    一番手の志村貴子さんの義理兄弟の話が秀逸。
    愛しいと書いてかなしい、可愛そうと書いてかわいそう、と読む不可解な日本語の意味を実感。無様な姿を晒し、かっこいいお兄ちゃんのままでいられなかった兄の罪と、それに対する弟からの罰。最後は倒錯的なこれからの関係を彷彿とさせる。なんか、お兄ちゃんの気持ちが分かり...続きを読む
  • 放浪息子 15巻
    1〜15巻まで全巻読みました。
    女の子になりたい男の子と
    男の子になりたい女の子の話。

    それぞれの心の動きの描写が繊細で、
    普通じゃない設定なのにすごく共感できたし、
    登場人物の子達を好きになりました。
    やさしい。
  • 放浪息子 15巻
    おんなのこってなんでできてる?
    おとこのこってなんでできてる?

    個人的に…
    二鳥くんと、アンナちゃんのドギマギとしたお付き合いがもっと見たかった。
    また一巻から読み返します。
  • 放浪息子 15巻
    完結。
    読み終わった直後は、駆け足だけど、話が大きく急転したとも言えないし、思ってたより穏やかに終わったので実感がなかなか沸かなかったのだけれど、
    いま読んでみると、二鳥くんと高槻さんの折り合いの付け方は紛れもなくただ現実だったんだと感じた。
    千葉さんの、「二鳥くんと高槻さんが恋人同士になるんだと思...続きを読む
  • 青い花 8巻
    美しいことは醜いこと。虚ろな心を埋めるもの。多くを語らなくていい、でも語らなければ通じ合えない。弱さと隣り合わせの強さを得て彼らは進んでいくのだろう。出会えてよかった。
  • 放浪息子 15巻
    二鳥君は自分のことを書くことで、少女のような時間を終わりにしました。変わっていく自分に折り合いをつけるのです。

    高槻さんは男の子になりたかった(というか女でいたくなかったのですが、)けどやめました。

    ふたりとも10年色んな経験をして、変わっていったんですよね。


    二鳥君と高槻さんを見ると、やは...続きを読む