笹沢左保のレビュー一覧

  • 有栖川有栖選 必読! Selection1 招かれざる客
    じぶんの読書地図を作ってくれた作家を挙げていくなら、有栖川有栖さんは欠かせない。そんなかたが選りすぐって撃ち込んでくれるという“必読! Selection”。迷ったが印象的な書影も相まって手を出してみた。笹沢左保さんは初めまして。さいきん読み慣れてきた派手さや特殊設定を伴うような小説ではなく、反対に...続きを読む
  • 有栖川有栖選 必読! Selection3突然の明日
    銀座四丁目の交差点で、突然人が消えた。奇妙な言葉を発した翌日、小山田晴光はマンションビルから転落死し、同ビルで殺人事件が発生していた。家族の無実を信じる父と妹がそれぞれの方法で謎の解明に乗り出す。
    メインはアリバイ崩しで、やや古さは感じるものの全く無駄のないテンポよい展開と潔いラストを堪能しました。...続きを読む
  • 有栖川有栖選 必読! Selection6 求婚の密室
    メインの密室トリックはなるほどという感じ。
    ただ、ページ数の割には登場人物が多いにも関わらず、個々の描き込みが甘いため、犯人を当てるのは容易。
    もう少し登場人物を少なくし、そのぶん、それぞれに見せ場のシーンを与えてあげれば、犯人当ての難度があがったのではないか。
  • 有栖川有栖選 必読! Selection1 招かれざる客
    ● 感想
     有栖川有栖の「必読!Selecrtion」として選出されている笹沢左保のミステリのシリーズ第1弾。笹沢左保のデビュー作でもある。
     そのテイストは、本格ミステリっぽくはなく、社会派ミステリ的な雰囲気。その社会派ミステリっぽい体裁の中に、本格ミステリ要素が入っている。
     いくつかのプロット...続きを読む
  • 有栖川有栖選 必読! Selection6 求婚の密室
    ● 感想
     筆者、笹沢左保が編み出した新たな密室トリックは、真犯人である幼児を被害者夫婦が、およそ一人では脱出できない高さの天窓から脱出させたというもの。このシチュエーションでしかなりたたないので、新たなトリックというほどでもない。しかも物理トリック。これを面白いと感じるか、つまらないと感じるか。面...続きを読む
  • 有栖川有栖選 必読! Selection2 空白の起点
    笹沢作品2作目。
    運行する列車の中から、崖からの人の転落が、その被害者の娘により目撃される。偶然居合わせた保険調査員新田は、不審に思い真相を探る。
    寡黙な新田と被害者の娘で神秘的な鮎子は、物語全体に暗い影を散りばめる。ラスト、ストイックとも言える展開と大胆なトリック。衝撃でした。

    個人的には、トク...続きを読む
  • 有栖川有栖選 必読! Selection2 空白の起点
    著者笹沢左保
    探偵役 新田純一 保険調査員
    犯人小梶鮎子OL
    被害者・トリック・動機
    被害者 小梶美智雄
     プロバビリティの犯罪。崖の木柵が腐食していたことを知らず,犯人が載っている列車の合図を見定めようとして転落死。殺害された動機は,娘として育てた犯人と血がつながっておらず,血のつながった娘が家を...続きを読む
  • 有栖川有栖選 必読! Selection2 空白の起点
    使い古しのトリックを意外な組み合わせで再生させる式のことはよく聞くが、60年も前にこういうとんでもない組み合わせがとっくになされてたのね。トリックはともかく動機に意外感はなく、むしろそれを取り巻く人間関係に作者の手心を感じる。世の中が良い方に向かわなかった証拠のようで、やな話だが。裏表紙の惹句に言う...続きを読む
  • 有栖川有栖選 必読! Selection2 空白の起点
    通過する急行列車の窓から父親の転落死を目撃した
    小梶鮎子。被害者に多額の保険金が掛けられていた
    ことから、保険調査員・新田純一は、詐取目的の殺
    人を疑う。鉄壁のアリバイ崩しに挑む彼をあざ笑う
    ように第二の死が……。

    こんなトリックを考えつくとは、と思ったが、先駆者はちゃんといらっしゃるので...続きを読む
  • 有栖川有栖選 必読! Selection1 招かれざる客
    裏切り者を消せ! ――組合を崩壊に追い込んだスパ
    イとさらにその恋人に誤認された女性が相次いで
    殺され、事件は容疑者の事故死で幕を閉じる。納
    得の行かない結末に、倉田警部補は単独捜査に乗
    り出すが……。アリバイ崩し、密室、暗号とミス
    テリの醍醐味をぎっしり詰め込んだ、著者渾身の
    デビュー...続きを読む
  • どんでん返し
    全て会話だけでストーリーが進む。昔の本なのでカセットテープとかが出てくるけど、発想は面白い。木枯し紋次郎の人だとは知らなかった。
  • 招かれざる客
    20年くらいの積読本。初版は1960年(デビュー作)ってことなので60年も前の作品。丁寧な証拠固めと論理展開は、松本清張『点と線』を連想した(時期的にはおおよそ同じくらいの時代)。第一部の、小説風ではない関係資料のような書き方は、たしかに若干の退屈さを感じるけれど、これがもし主観ありの記述で書かれて...続きを読む
  • 金曜日の女 新装版
    最後の場面の2人の反応が対照的で面白かった
    ただ口封じの際に抵抗できないような暴力を振るわれたにもかかわらず自殺と判断されるのだろうかというのと別の口封じの際は薬で毒殺したわけだけど竜三から薬が送られてきていた事から足がついたりするのではないかと考えてしまい化物とまで称される竜三ならもっと自分まで辿...続きを読む
  • ささやかな復讐
    わたくしのささやかな復讐はこれで終わりました。痴情、愛情、そして憎しみ。様々な人間の感情に起因して起こってしまった事件。その果てに残る空しさ。淡々と進んでいく文章の中にあるなんとも言いがたい雰囲気が漂う。 反復は空しいの一言。そこに至るために、捨ててしまったものを考えると本当に最悪の結末だと思う。取...続きを読む
  • 悪魔の剃刀
    結末はなんだかスッキリするような展開。
    主人公の爽やかにも思える孤独と安芸の雁字搦めな葛藤が対比して描かれているようだった。
  • 白い悲鳴 新装版
    自分勝手さが面白い。

    意表を突く、というほどではないが、視点の誘導が上手く、文章の古さを意識せずにすっきり読めました。
  • どんでん返し
    会話のみで物語が進んでいくので、漫画を読む感覚でサクサクと読むことが出来ました。
    内容も面白かったですが、今回の作品は、心に残るほどではなかった気がします。
  • 白い悲鳴 新装版
    サクサクと読めました。
    短編集は苦手ですが、笹沢佐保先生の作品はとても楽しく読むことが出来るので、好きです。
  • 遅すぎた雨の火曜日
    ストーリー自体は前向きな感じ。
    登場人物は男も女も昭和の価値観にあるいい女、いい男を感じる。
    平成、令和と時代が、変遷した今となってはある意味、新鮮かも。
    昭和が求めた理想的な女と男を堪能できるし、その一方で登場する人間模様は、実は時代を超えて共通するものなのかもと思う作品。
  • 死にたがる女
    【死にたがる女】表紙を見てホラー小説かと思ったらサスペンス小説でした。短編集の様な形で色んな事件を取り扱ってました。まぁ、本として飽きずに読めましたけど、人に勧めたいかと言われるとそれがまた微妙なところ・・