伊藤亜紗のレビュー一覧

  • とがったリーダーを育てる 東工大「リベラルアーツ教育」10年の軌跡
    東工大ではここ10年くらいをかけ、「リベラルアーツ」の名のもと、理工系の学生たちに文系的な知を体得してもらう取り組みをしている。本書はその取り組みを中心的に推進してきた池上、上田、伊藤3氏によるもの。各氏の論稿と鼎談を収載している。
    自分も含め、文系の人々は理系からっきしって人けっこういるけど、社会...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    最大多数の最大幸福を意識した利他の考え方…同じお金があるなら、なるべく効果的に使おうとする考え方が新鮮。

    贈与は支配に容易につながりうる(pityが伴う)という点が印象的だった。

    第3.4章は哲学的で私の理解が追いつかず…
  • ヴァレリー 芸術と身体の哲学
    自分が所有している機能以上の機能を引き出し知覚する行為としての詩に対しての考察はとても興味深かった。ヴァレリーの詩やテクストを全く読んでいない状態で読んだが十分に楽しめた。
  • 「利他」とは何か
     「利他」の気持ちは、見返りも期待せずに、自然と沸き起こるもの。
     このことを仏教、ギリシア語、民藝、小説の作家法などの多様な観点から各論者が主張している。いわば「決定論」であり、自由意思否定論が根底にあると思われる。この意味でも、とても興味深かった。
  • 手の倫理
    視覚によるコミュニケーション、言語によるコミュニケーションよりも、もしかしたら、さわるとかふれる、接触面のコミュニケーションの方が相手を理解できる場合もある。信頼や愛がなければ成り立たないコミュニケーションだから
  • 「利他」とは何か
    思ってたんとちがう。

    読後に感じたこの違和感は、この本がそれだけ私に価値ある一冊だったことを物語ります。なぜそう感じたのか、お話します。

    この本は、東京工業大学内にある、人文科学の「未来の人類研究センター」に集まった5人の研究者による合作本です。
    様々なキャリア、視点から、「利他とは何なのか」と...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    善とは利他のことではないかと常々考えていたところにぴったりの名前の本を見つけたと思い読んでみた。目論見は外れたものの、著者ごとの角度から面白い知見を得られた。特に國分氏の古代ギリシャには意思がないというのは興味深く、人間に自由意志はないとする話を思い出した。
  • きみの体は何者か ──なぜ思い通りにならないのか?
    私の体には数年前からいくつかの障害があり、体の扱いにくさについては日常的に考えることが他の人より少し多めだと思う。そういったこともあり、伊藤亜沙さんの活動は気になっていて、著書も読みたいと思いながら積読が多くなかなか読めずにいました。今回出た本は児童向けで隙間に読めそうなこともあって最初の一冊として...続きを読む
  • きみの体は何者か ──なぜ思い通りにならないのか?
    伊藤亜紗さんは注目している書き手で、ずっと読みたいと思っていながら機会を逸していたのだが、ちくまQブックスで出たので、これならすぐ読めると思い読んでみた。
    ほんとにすぐ読めた。
    タイトルと今までの著作から、思い通りにならない体について書かれた本だろうと思ったのだが、それは外れてはいないが当たったとい...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    利他とは?を、異なるバックグラウンドの複数人の観点から追求した結果、様々な料理や素材を受け止めるような「うつわ」であると結論づける本。個人的には自分と他人を一体として捉えた自然への同化と解釈した。
  • 「利他」とは何か
    4人それぞれの「利他」についての考察が書かれていた。わかったようなところと難しいなぁと思うところがあったが、「利他」を考えるきっかけになった。
  • とがったリーダーを育てる 東工大「リベラルアーツ教育」10年の軌跡
    やっぱり池上さん好き!(何度もライブ講演会で生トーク堪能)
    【わきまえるな】【丸く削るな】良い言葉◎
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える
    人類学者・小説家・美学者によるリレーエッセイ。コロナウィルスをきっかけとして、人間と自然の関係を考える。オンライン授業の広がりで、仕事を持った社会人学生が、必須科目を受講しやすくなったという話を聞いたことがある。視点が違うとマイナスもプラスに転じる。振り返ってみると、コロナウィルス感染の蔓延に脅威は...続きを読む
  • とがったリーダーを育てる 東工大「リベラルアーツ教育」10年の軌跡
    リベラルアーツを取り上げた初めての大学が理系の雄、東工大。私の時代にこの3人の教養を分けてほしかった。
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える
    人類学、文学、美学それぞの観点が交錯するリレーエッセイ。
    「三人寄れば文殊の~」というが、同じ災厄を経験した世界中の人々から、コロナと共存する智恵はきっと出てくるはず。
  • とがったリーダーを育てる 東工大「リベラルアーツ教育」10年の軌跡
    教養って何なんだろう?自分の根っこを太くするって言ってもどうしたらいいのだろう?このような疑問に対して、ある程度はこの本を読んでイメージできたが、やはり難しい。
    すべてを疑う、クリティカルシンキング、とがるなど、理解はできても実行するとなると難しいと思う。それを少しでも意識しながら生活することが大切...続きを読む
  • とがったリーダーを育てる 東工大「リベラルアーツ教育」10年の軌跡
    東工大の「リベラルアーツ教育」を構想した面々、池上彰ら実施にあたった人々の問題意識の高邁さや努力は素晴らしいと感じる。東工大については、今野浩のエッセイにもたびたび触れられていたが、理系学生に人文知の薫陶を与えようという意識が非常に高く、般教の教授連も大物が就くらしい。とはいえ、そもそも「リベラルア...続きを読む
  • 手の倫理
    「さわる」=伝達的コミュニケーション(一方的)
    「ふれる」=生成的コミュニケーション(双方向的)
    ※細かく言えば「ふれる」を超えた「さわる」もあり、一概に一軸上にある2項ではない。

    手(触覚)は不道徳な存在でありながら、だからこそ倫理的でありうる(不可抗力的に生成的コミュニケーションを意識させる)...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    昨年NHKの番組でジャック・アタリ氏が発した「利他主義とは合理的な利己主義」という言葉に私もとても共感したのだけど、この東工大の研究会のメンバーがまた豪華だし、とても面白かった。特に伊藤さん、中島さん、若松さんの章はわかりやすいし読んでいて膝を打つことが多かった。
    放送直後にもこのジャック・アタリ氏...続きを読む
  • 手の倫理
    「ふれる」は相互的で人間的なかかわり、ふれることは直ちにふれ合うことに通じる。
    「さわる」は一方的で物的なかかわり。
    相手が人間だからと言って必ずしも人間的なかかわりとは限らない。とはいえ物的にかかわることが悪とは限らない。
    ~介護は正しく「ふれる」仕事である。ふれあうことで感じあえるから、好きな仕...続きを読む