伊藤亜紗のレビュー一覧

  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
    目が見えない人がどのように世界を捉えているのか、目の見える人がいかに視覚の情報に頼っているのかという本 目が見えない人全員が点字が読めるわけではない
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉
    文系の著者が5人の理系の研究者に話を聞いてそれぞれの章を書かれた本。
    素人には理解するのが大変であろうお話もわかりやすいように噛み砕かれていて、面白く興味深く読むことができた。

    何かが出来ない状態はどうやったら出来るかのイメージが上手くできていないから、という話、逆上がり出来ない子供だった私に刺さ...続きを読む
  • 手の倫理
    道徳の倫理の違いについて初めて考えたし本書を通して理解できた、パンチラインは沢山あったけど1番最後の章「不埒な手」でそれまで論じてきたことの根本をもう一度問い直そうとしているのが構造として面白かった、伴走ランナーや身体で感じるスポーツ観戦を実際に体験(体感?)してみたい
  • きみの体は何者か ──なぜ思い通りにならないのか?
    100ページもない本なのに気づきがたくさん。やはりちくまのこのシリーズは良いですね。おすすめ本も面白そう。
  • 体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉
    著者は、意識で体はコントロールしていない、体は先にゆく、と言っているけれど、ちょっと違うんじゃないかな。それは要するに、脳の仕組みのせいだ。予測で判断して司令を出す、ミラーニューロンで見たものを経験したように取り込む、可塑性汎用性が高い、簡単に言うと騙されやすい、錯覚しやすい、だからそのようなことが...続きを読む
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える
    リレーエッセイという手法、面白いな。手紙のやりとりをこういう形でやってみたいかも。
    御三方それぞれの視点が交差する様、少しずつズレて発展していく様など非常に楽しい。
  • 「利他」とは何か
    中3生の模試の国語で、伊藤亜紗さんの『「うつわ」的利他』の一部が題材として出題されていて、興味をもったので読んでみました。
    「利他」は「偽善」「自己満足」「押しつけ」と紙一重で、特にネットではそんな言葉で全く関係のない赤の他人から揶揄されたり非難されたりする可能性もあって、最近はうっかり親切な行動も...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    以前に『借りの哲学』を読んだので、恩を受けると負債の考えが生じるというのは何となく理解してました。利他は自己満足を満たすため、というのも。震災で炊き出しをしていた某有名人に対して「偽善」、「売名か?」というコメントを思い出します。

    思いやりに満ちた世界の方が良いに決まっていても、なかなか利他には難...続きを読む
  • 手の倫理
    触覚を通じたコミュニケーションは「距離ゼロ」ではなく、相手の内面にふれる「距離マイナス」なのだという考え方。
    今までそこまで考えてしてたわけじゃないけど、コロナ禍で「握手」が気軽なものではなくなったことで変わる人間関係もあるのかなーとか思ったりもした。

    一方的な「さわる」と相互的な「ふれる」
    ただ...続きを読む
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
    読まないで聴くはじめてのオーディオブック。東工大リベラルアーツ伊藤亜紗教授著。目の見えない人との絵画鑑賞法とは?健常者の優しさ押し付けではなくその人になった想像力こそが大事なのかも、いろんなことが目に入りすぎて五感の衰えを日々感じる今日この頃。
  • 「利他」とは何か
    「利他」について5人が違うアプローチで切り込んでくる。「利他」を推奨するような本なのかと思っていたが、純粋に「利他」を科学している内容で、これはこれで大変興味深い。仏教的なアプローチはありそうだが、言語的なアプローチなど思いもしなかった。能動でも受動でも無い「中動態」も考えさせられる内容だった。おす...続きを読む
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
    視覚に制限があることから見える人から引き算的な世界を生きていると想像しがちだけど、実態は全然違う。

    健常者は見えるが故に、物の見方が拘束させていることがある。
    視覚障がい者は見えないが故に、物事の見方に自由度がある、身体・器官の使い方に自由度がある。
    見ると観るは違う。

    そういう人たちと接するこ...続きを読む
  • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
    自分の頭をぐいっと働かせて視点の変更を促すのにとても役立つ内容ばかり。面白い。

    環世界、情報と意味、大岡「山」駅、
    点字は「読む」こと(使っている器官は違うけどやってる仕事は「読む」、つまり触って「読める」し聞いて「眺める」こともできる。器官と能力を切り離す)、
    ソーシャル・ビュー(美術館鑑賞方法...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    利他: うつわになること。意図的な行為ではなく人知を超えたオートマティカルなものであり、そこに利他が宿る。
  • 「利他」とは何か
    専門が異なる著者らの視点から「利他」を考察する。利他は主義にすると怖い。なぜって「私の思い込み」でやったことが、結果的に他者の助けになれば「利他」だろうが、時として「余計なお世話」にも「押しつけ」にもなる。自分の思いを正当化して、相手の言葉や反応にほとんど耳を傾けず、独善的な「支配」でしかなかったと...続きを読む
  • 手の倫理
    社会構成主義的な言語によって意味が社会的に構成されているという考えには、なるほどと共感するところが多いのだが、素朴な疑問として、身体性とか、倫理性とか、スピリチュアリティとかをどう考えるのかというのは、もやもやする。

    まあ、「そういうものは社会的構成だ」的な説明もあったりするのだが、普通に考えてそ...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    「器」のような人に自分はなれるだろうか?

    人間は意志の保有者ではなく、思考が留まる「場所」なのだということ。自分が人生に対して抱いている不可抗力的な恐ろしさの断片を言語化してくれているように感じた。
  • 手の倫理
    他者へのかかわりについて深く考えさせられた。とても分かりやすく触覚を色んな点から考察していて、触覚の素晴らしさも感じた。
  • 「利他」とは何か
    「利他」とは何か。
    タイトル通り、利他的であることについて様々な観点から論ずる。本質的に絶対の利他は存在しうるのか、利己的な利他の点から。あるいは、利他はどこからやってくるのか。利他を民藝の観点から。意思を超えた中動態から利他を考える。そして、小説ははたして作者のものなのかという点から利他を考える。...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    「利他」の対義語は「利己」だが、両者はメビウスの輪のような関係性。
    この世界の全てを「利己」と「利他」に分けたら、98%が「利己」で、残りの2%が「利他」、そのくらい利他というものは貴重。
    「情けは人のためならず」という諺は、利他ではなく利己を表している典型的なものだと思う。ボランティアも同様。愛も...続きを読む