仁木悦子のレビュー一覧
-
複雑に絡み合った事情と惨劇の真相が、少しずつほどけて行く。ストーリー展開が無理なく、滑らかで心地よいです。幼い頃から大好きな本。10回は読んでいます。それでも楽しめる本。Posted by ブクログ
-
仁木悦子さん、やっぱり好きだなぁ。
事件も陰惨なものでないのも読みやすくていい。
今回収録の作品のいくつかで探偵役を務める悦子さんが車いすなのは、自身を投影しているのだろうな。
最後の「最も高級なゲーム」での学生たちの様子も好き。
また仁木さんの作品を読んでみたい。Posted by ブクログ -
あー、面白かった。
ものすごく久しぶりの再読。何度読んでも面白い。
昭和30年代の作品なのに、全然古臭くない。
猫のチミちゃんがああいう使われ方をしたのは猫好きとしては残念ではあるけど。
犯人の動機は身勝手すぎるけど、平坂氏の性格もそうとうなものだよね。
敬二のキャラクターがけっこうお気に入りなので...続きを読むPosted by ブクログ -
良質な短編集。良いミステリは時代を超えるのだとしみじみ思う。
裏表紙に"爽やかな読後感"とあるのに、冒頭に収録の『金ぴかの鹿』の後味が悪すぎで笑う。
『ねむい季節』は空飛ぶ車、牛乳でてくる蛇口、高性能ヒューマノイド等々未来感満載なのに、文書はワープロで作ってたり、監視カメラの録画映像はマイクロフィル...続きを読むPosted by ブクログ -
短編集。
殺人やら誘拐やらが起きるのに、なぜか読んでいて不快な気持ちになる描写に出会わない。登場するこどもたちへの視線が温かい。おなじみの兄妹、鷹揚な雄太郎とママになった元気な悦子にも会える。大満足の一冊。Posted by ブクログ -
昭和の匂いが色濃い、一人称の上手い小説。
ミステリーと思って読むとSF、昭和の時代の未来感なので古い新しさという不思議な印象を受ける。
好きなのはねむい季節、それと穴。
この作者は観察が細かいようで読むのが嫌にならない。穴が特に言えるけれどある部分は細かく、ある部分はほとんど見えていない。子供らしく...続きを読むPosted by ブクログ -
昭和32年に刊行された作品、ということを知った上で読まないと、なかなかに疑問の沸く部分はあるけれど、探偵役の兄妹の活躍が心地よくて、シリーズで読みたいなぁと思わせる作品でした。
新装版はとても可愛らしい装丁で、女流作家なのもあって文体も柔らかく、それでも江戸川乱歩賞だしなぁという心持ちで読めば、やは...続きを読むPosted by ブクログ -
仁木悦子と仁木雄太郎の兄弟が下宿をする箱崎医院で殺人事件が起こる。
メインとなる殺人は、平坂殺し。箱崎医院の箱崎兼彦という医師が、平坂の癌を盲腸と誤診。結果として、平坂の癌は発見が遅れてしまう。箱崎は、平坂の性格から、自身がこの誤診により破滅すると考え、看護婦の家永と協力して、平坂の身元が分から...続きを読むPosted by ブクログ