ダンテ・アリギエーリのレビュー一覧

  • 神曲 天国篇
    「天国篇」第三歌・第四歌についての記述。
    生前、神への誓願を破った為に、天国で一番低い天球「月光天」に割り当てられた魂の一人、ピッカルダ・ドナーティ。
    彼女を通して「足るを知る」事の幸福が、美しく描かれています。

    ダンテから、より上天を望むかと問われて、ピッカルダはしばし微笑むと、初恋の火に燃える...続きを読む
  • 神曲 煉獄篇

    読み返す

    ダンテの神曲。
    いろいろな訳を3から4種類持っていますが、何度も読んでいるのはこちらの平川さんの訳です。
    挿絵もきれいで読みやすく一番気に入っています。
  • 神曲 煉獄篇
    煉獄とはなんぞや?地獄行きを免れた死者が天国を目指し七つの大罪を浄める贖罪の山である。鬼滅の刃は知らん。

    地獄篇のビジュアルが印象強い「神曲」だが、煉獄篇も非常に映像的。地下に降りていった前篇から、今度は山を登っていくという流れになり、雄大かつ峻烈な風景が描かれる。おどろおどろしさは薄れるものの、...続きを読む
  • 神曲 煉獄篇
    地獄編同様、一日一歌コツコツ読んだ。
    『神曲』を読む上で、思いつきで実行してきたこの読み方は案外有効なように思える。なぜなら、地獄〜煉獄を巡ることがいかに大変なのかを追体験できるからだ。途上でダンテは何度も挫けるが、その都度ウェルギリウスに励まされ、歩を進める。私も何度か読むことが億劫になったが、そ...続きを読む
  • 神曲 地獄篇

    好きこそ物の上手なれ

    訳者の平川さんは、ダンテ の神曲を原語イタリア語で読みたい訳したいという子どもの頃からの願いを持ち続けて、その夢を果たされたと記憶しています。
    神曲大好きという思いがヒシヒシと伝わってきて、ほんと読みやすいと思います。訳してくださってありがとうございます!といった感じです。
  • 神曲 地獄篇
    2009年1月16日~17日。
     右のほほを打たれたら相手の左のほほを殴り返せ!
     というキリスト教の教えの本(キリストはそんなことはもちろん説いていないが)。
     自意識過剰男ダンテ(作者が作中の登場人物)が自分の気に入らない人間を地獄に落として呵責に苦しませている。
     そんな感じ。
     つ...続きを読む
  • 神曲 煉獄篇
    2009年1月19日~20日。
     面白さからいったら地獄篇の方が上かも知れない。
     それでも、これは面白い。
     ベアトリーチェってのもかなり自惚れが強い女性だし、ダンテも案外傲慢で情けなくて、甘えん坊。
     キリスト教ってのもどうなの?
     結局は神の復讐の訳でしょ。
     なんて読み方はやはり...続きを読む
  • 神曲 地獄篇
    崇高すぎて敷居が高く敬遠していたが、ドラマ「BORDER」の謎解きに出てきたので読んでみた。ダンテがラテン語ではなくトスカーナ方言で書いたのは、より多くの人に読んでもらいたかった故だろうし、分かりやすい平川訳で読んで正解だろう。
    「神曲」というタイトルは森鷗外の紹介文からきていて、原題は「喜劇」とい...続きを読む
  • 神曲 地獄篇
    いやあ楽しかった!ーー

    目の前に現れるリアルな地獄の凄絶なこと!
    おびただしい罪人がさまざまな苦行を強いられて、苦しんでいる。
    それをただただ目にし、目的地へそぞろ歩いていく。
    ダンテのおののきがこちらまで伝わってくる。

    読む前はもっと抽象的で難解な作品だと思っていた。
    それぞれの歌の前に訳者に...続きを読む
  • 神曲 地獄篇
    僕の予想に反し、結構わずかな時間で読み終えた。面白かったというのもあるし、訳がよかったのも大きいと思う。地獄で苦しんでいる人の描写が、人間的で生き生きしてるのが楽しい。煉獄編もこの勢いで読めてしまうかも。
  • 神曲 地獄篇
     2000年のロンドンの「タイムズ」紙で「過去千年間の最高傑作は何か」というアンケートで選ばれた、700年以上も前の作品。

     ダンテがウェルギリウスの案内によって地獄・煉獄・天国への旅に出る。そこで様々な地獄絵図に遭遇する。

     蛇に巻かれた男が出てきたり、自分で自分の首を取って手で持ち歩く男がで...続きを読む
  • 神曲 地獄篇
    ダンテの想像力、構成力に脱帽。それを大変解りやすく訳し、そして注釈をつけている、平川氏に感謝です。

    当時のイタリアで、l知りうる限りの歴史、自然、天文、数学などをふんだんに散りばめて死後の世界を描いてあり、おどろおどろしい場面がたくさんありながらも、楽しんで読めた。

    注釈のなかに『往生要集』がで...続きを読む
  • 神曲 地獄篇
    ダンテが実際に体験したこととして描かれた地獄をダンテの驚異的な想像力と知識の深さでディティールにまで緻密に描いている。かなり構えて読む類いのものと思っていたけれど、そんなことはなく軽い興味だけでも楽しめる。地獄を見たい人、旅してみたい人にオススメ。案内人は詩人ウェルギリウス。現実にいた人物や神話の人...続きを読む
  • 神曲 地獄篇
    想像よりもずっと読みやすい。近所のに住む嫌いな人に対して、地獄に落ちているという描写をしてしまう、なんとも俗な感じがたまらん。面白い。
  • 神曲 天国篇
    眩しいばかりの光で目が眩みそうだった。
    神学理論は難解で理解に苦しんだ。
    ベアトリーチェの美しさは抜きんでていた。
    聖母マリアの慈愛は心を溶かした。
    聖母の助けによって至高天に昇った時、全てがわかった。

    地獄を下り、煉獄の山を登り、天国で神の玉座まで上昇していく。
    「神曲」という建築物を駆け上るこ...続きを読む
  • 神曲 地獄篇
    ようやく読み終えたという感じ。
    かなり読みにくい印象。
    キリストを裏切ったユダや、カエサルを暗殺したブルータスやカシウスが地獄の底にいるのはわかるが、マホメットさえも地獄にいるのには驚き。
    ローマカトリックのようなキリスト教の立場からすれば異教徒であるマホメットは大罪なようである。
    善悪で人を捌くこ...続きを読む
  • 神曲 煉獄篇
    文学的美しさにおいては、平川祐弘訳の右に出るものなし。これをたった35歳の弱冠で訳し上げた平川先生はやはり学者としては超一級。
  • 神曲 地獄篇
    一日一歌読み進めたが、その一時一時は非常に贅沢な時間だった。

    序盤は舞台設定の目新しさに惹かれるものの、半ばこれが不朽の名著たる所以ってなんだ?と悶々とし、終盤になってようやく朧げにその輪郭が見えてきた。

    とは言え、原語(トスカーナ語)の詩的な情緒だったり、ウェルギリウスやホラティウス等の詩を味...続きを読む
  • 神曲 地獄篇
    西洋古典として名高い『神曲』。
    格式高いイメージでしたが、全部で100歌に分かれていて、それぞれのボリュームは大きくないので、割と読みやすかったです。
    地獄篇は、詩人ウェルギリウスをお供にダンテが地獄を巡ります。キリスト教社会の死生観や当時のイタリア国内の状況が垣間見ることができます。地獄で刑を受け...続きを読む
  • 神曲 地獄篇
    挿し絵豊富だし注釈も親切で宗教・歴史的教養の無い私にも優しい・・・
    平川先生訳の神曲、訳文も読みやすいし文章の固さがちょうど良くて(これは人によって好みありそう)理屈的に「?」てなるところは注釈で他の文献からも引いて来つつ解説されてるから痒いところに手が届きますありがてぇ~賢い人の教養お裾分けありが...続きを読む