ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧

  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 下
    スウェーデンのベストセラーシリーズ。web本の雑誌で杉江氏が最新刊を推奨されてたので第一作を読んでみた。北欧にしては明るく読みやすい警察官の群像物。主人公は警官ではなく、心理学者の立場(プロファイラー?)で捜査協力し、過去には大きな成果を挙げた男セバスチャン。太めで独身、毒舌でセックス依存症。捜査会...続きを読む
  • 熊と踊れ 下
    兄弟が銀行強盗を次々に成功させると同時に、少しずつ明らかになってゆく、その目的。
    レオは自身の中に存在する、いくらお金を奪っても決して癒されない深い孤独と、父親への想いに気づき始める。
    他の誰よりも父親に認めてもらいたかったのだというレオの心の叫びが、過剰な暴力となって形を変えてゆく様が、何とも悲し...続きを読む
  • 制裁
    怪物をめぐる人間の話、そして怪物となった人間と社会をめぐる話、とこの本は評せるかもしれません。

    冒頭の描写からどきつい……。女児に性的暴行を加え殺害し捕まった男。その怪物の思考と、犯行の描写の残虐さに、自分はいきなり物語にぐいとつかまれました。

    その怪物が移送中に逃亡。物語は様々な人物の視点を通...続きを読む
  • 熊と踊れ 下
    事実に基づいてるって知らなかった。
    北欧小説だから期待してたところもあったけど、ある意味逆に裏切られた。
    もしかしたら翻訳が良かったのかもしれないけど、題名からの想像と違って、当事者の繊細な感じが想定内だったから良かった。
    でも、最後はね。
  • ミレニアム 4 下 蜘蛛の巣を払う女
    5年ぶり?に続きを読む。

    オリジナルの作者が亡くなったので、別作者が続きを書いたらしいが、あまり違和感がなくてすごい。
    訳者の実力もあるのだと思う。
    キャラが変わっていなくて、話もわりと面白い。
    前巻までの謎をいくつかちゃんと明かしてくれて、ホッとした。
    モニカはどこに行ったんだ?とは思ったけど。...続きを読む
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 上
    ミレニアム5作目。題材がこれまで以上にちょっとマニアックだが、リスベットらしさは爆発。面白い。6作目が待ち遠しい。
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下
    ミレニアム5作目。題材がこれまで以上にちょっとマニアックだが、リスベットらしさは爆発。面白い。6作目が待ち遠しい。
  • ボックス21
    エーヴェルト警部シリーズの2作目。
    北欧社会に蔓延る闇を主に話が進み、結末は…。
    嫌な読後感だけれど、物語が、世界全体に蔓延る闇を描いているようで、気持ちに突き刺さるものがある。

    北欧社会の社会が抱える闇は、東欧諸国にもつながり、そして、日本にも蔓延っている…。

    世界全体の問題。

    シリーズ3作...続きを読む
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下
    一部から三部は、部ごとに
    別ジャンルの話の様に色合いが違うカタチで完結しながらも、各部が繋がる構成が面白くてドハマりしてしまった。

    四部、そしてこの五部は
    事件の原因があって、その原因に
    微妙にリスベットが絡んでいて
    ミカエルと別々に行動しながら事件(主に国家の暗部っぽい)を追う。そして間に事件に...続きを読む
  • 地下道の少女
    『制裁』『ボックス21』『死刑囚』に続く 北欧の傑作ミステリ!
    強い寒波に震える真冬のストックホルム。バスに乗せられた外国人の子ども43人が、警察本部の近くで置き去りにされる事件が発生した。さらに病院の地下通路では、顔の肉を何カ所も抉られた女性の死体が発見された。グレーンス警部たちはふたつの事件を...続きを読む
  • 死刑囚
    スウェーデンで酔客に暴行を加えて逮捕されたカナダ国籍の男は、米国で死んだはずの元死刑囚だった!?それはスウェーデン全土と米国を舞台にした前代未聞の事件の幕開けだった。

    序盤でネタは想像がつくし、あーこれジョン助からないやつだわーってなるんですが。。
    まさかこんな終わりとは!

    フィニガンは共感しづ...続きを読む
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下
    イスラム教徒の女性カジの虐待に関してのエピソードは不要かなとも思うが、このシリーズのそもそもの柱の一つが女性の差別や虐待に関するものであるから、しょうがないのかなとも思う。
    そういった意味では、シリーズ4から作者が交代したにも関わらず、原作者の世界を忠実に引き継いでいるのはすごいことだと思う。
    一部...続きを読む
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 上
    刑務所に収容されているリスベット。
    ある日、後見人であったホルゲルが面会に来る。
    その際に小さな気づきを得、調べものを始めるリスベット。
    そんな中、収容所内で実権を握る囚人、ベニートとの対決が近づいていた。

    *****

    そっか、リスベットは懲役中だったか。
    前作を思い出しつつ、読み進める。

    ...続きを読む
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下
    刑務所を出たリスベット。
    自身の過去の秘密を暴くために、ミカエルと共に調べを進める。
    徐々にその実態が見えてくる中、リスベットの身に危険が迫る。

    *****

    思っていたよりほっとする終わり方だった。
    面白かった。

    ただ、5部を読んで、ミカエルとリスベットがあまり目立たなかったような気がした。
    ...続きを読む
  • 死刑囚
    このシリーズの根底に流れるテーマは「復讐」なのだろう。
    一作目は幼い娘を殺された親による復讐、二作目は国境を超えた人身売買の被害者による復讐、今作は社会的復讐装置とも言うべき死刑制度に対する復讐劇となっている。

    「死刑囚」を物語の中心としながら最終的に制度全体に対する復讐に仕上げていく構成が素晴ら...続きを読む
  • 熊と踊れ 下
    過去と現在を行き来しながら、兄弟が犯罪に手を染める模様を描いていく。
    実話に基づいた題材という驚きもあり、暴力、犯罪心理、被害者の心にも迫っていく。
  • 熊と踊れ 上
    まずは上巻へのコメント
    ミレニアムしかり、やはり北欧ミステリーはおもしろい。
    徐々に引き込まれて、中盤から一気読み。過去のトラウマから抜け出せない登場人物の心理描写が下巻でどう影響するか。。。
  • 兄弟の血―熊と踊れII 下
    (上巻より)

    再び一獲千金を狙うレオ、
    利用される父親、協力しない弟たち。

    途中で少し客観的になれた。
    多分、それはヨン警部が暴走しはじめたからだと思う。
    ということは、私が肩入れしていたのは、
    ヨン警部だったのだろうか。

    こちらの作品は小説だそうだ。
    そして、最初から二作書くことは決まってい...続きを読む
  • 兄弟の血―熊と踊れII 上
    「熊と踊れ」の続編。

    刑務所から出てきたレオ。
    今度の仲間はサム、ヨン警部の弟。

    前作では「引き込まれた」と書いたが、
    もっと、息苦しい。
    何に共感しているのか、
    誰と同一視しているのかわからないが、
    読み進むのがつらい。

    (下巻へ続く)
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下
    キャラクターの個性や設定がしっかりしているので、面白く読ませる。充分すぎる続編である。なかなかできないことだ。
    三作にあった全体から流れる陰鬱さ、気難しさはすっかりなくなり、相当なあっさり具合。ストーリーを追う、という点では大変に読みやすい。
    あの三作を読み終えた時は、しばらく他の...続きを読む