室生犀星のレビュー一覧
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表題の「密のあわれ」は作者の変態性、というよりかは彼の中の美の哲学を外に出した結果、金魚との対話という形式になった感じがする。
何はともあれ他では味わえない異質な作品で、とても楽しく読んだ。金魚が可愛い。Posted by ブクログ -
『蜜のあはれ』が読みたくて買った。すべてが会話文で書かれているコケティッシュな超現実小説。金魚ちゃんとおじさまのやり取りが可愛い。Posted by ブクログ
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あまりにもつるつると完成されていて。少し怖気づくも、ユーモアにすくわれる。しかし、そのユーモアの冷えびえとしていることよ。Posted by ブクログ
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色んな文学者にまつわるエピソード満載で笑顔になる
折口信夫がお気に入りの弟子にせがんで眼鏡かけさせて連れ回してルンルンだった話がちょっと忘れられないPosted by ブクログ -
「おじさま」と三年子の赤い金魚との会話によって構成されている短編、「蜜のあわれ」が特に好き。
「おじさま」と金魚屋さんにとっては小さな可愛い金魚、他の人にとっては人間のはずなのに、どこからが金魚でどこからが人間なのかわからなくなる。
金魚である方が官能的で美しい気すらする。
その他の短編も秀逸。Posted by ブクログ -
友人より借りました。
小説。私小説風。文章は古いタイプ。
「蜜のあわれ」は七十歳ぐらいの老小説家と、若いぴちぴちの女の子の姿になる金魚との対話風小説。
なんとなく、劇調。(地の文がないから、台詞で説明するせい)
金魚(出目金・赤・三年子)との会話が妙に艶かしい。小説家には金魚にしか見えないら...続きを読むPosted by ブクログ -
犀星がいろんな作品で語るものが全部集約されたかのような「蜜のあわれ」金魚のラストが切ない。レビューで語りきれないくらい好きだ。いろんなひとに読んでみてほしい。Posted by ブクログ
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この中では1番蜜のあわれがすきです。可愛いらしい金魚ちゃんとたまに変態臭いところもありますが優しい上山さんの会話にすごくときめき、癒されました…こんなおじいちゃんと孫のような歳の離れた関係…大好きですPosted by ブクログ
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まだこんなちんぴらなのに気が強くてわがままでこまっしゃくれて美しい女、またあるときは三歳の赤い金魚。
小説書きのおじさまは、飼ってる金魚の画を、ちょっと描いた。小さな文章もつけて。
瞳は大きく、お腹はデブちゃんな、出目金。燃えるような朱い色をしている。
のめのめしたあぶら、や、すぼっとしたお臀。おじ...続きを読むPosted by ブクログ