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原点『蜻蛉日記』の中に僅か数十行しか記述はされていない町の小路の女〈冴野〉は、学問も名もない下賤の女ながら己れのすべてを男に与えて消え失せた、妖しい女であった。室生犀星は『日記』の書き手紫苑の上以上にこの女を愛し、犀星自身の消息を知らぬ生母ハルの身の上に重ねて物語り、限りない女性思慕の小説とした。川端康成をして、当時、“言語表現の妖魔”と迄言わしめた野間文芸賞受賞の名篇。 (※本書は1992/10/1に発売し、2022/3/10に電子化をいたしました)
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Posted by ブクログ 2012年12月21日
『蜻蛉日記』それ自体にはあまり描かれることのない「町の小路の女」に焦点が合わせられている。 平安時代の物語を現代語のように読むことができれば、きっと、こんな感じだろうと思わせる流麗な文章が良い。
Posted by ブクログ 2009年10月25日
<poka> とにかく文章が美しい! 古い表現に慣れてしまえば、これほど美しい文章はない。 そして女性の心の美しさも怖さも理解できました。 <だいこんまる> これぐらいで理解したなんて…。まだまだですね。
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