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広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命――。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける!
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Posted by ブクログ
恩地元の生き方に励まされる。山﨑豊子さんの緻密な取材に基づいた日航機墜落をベースに作られた作品。何度も何度も読み返す名作。日曜劇場での渡辺謙がハマり役だった。
報復人事かぁ…昭和の時代にはまかり通っていたことなのか。令和の時代にもあるのか。 実直に自分の職務に向き合っただけなのに、上司に睨まれ僻地に左遷。こんな会社は許せないとは思うが、どうしてもっとうまく立ち回れないのかとイライラもする。自分の信念に正直すぎて、エリートコースから脱落し、家族にも迷惑をかけ...続きを読むる…昭和の男の価値観は複雑だ。 アフリカの夕日の雄々しさ、自然の荒涼感、野生動物の躍動感の描写は素晴らしく、オレンジ色に染まった景色と黒く染まったキリンのシルエットが、まさに眼前に広がりました。 2巻が楽しみだ。
随分前にドラマも見たが、改めて本で読むと感情移入できる。会社と対立する組合の委員長とそれに対する報復人事。1960年代に中東の僻地をたらい回しにさせられるのは想像だにできない困難がつきまとうが、そういうシーンを読みながら会社で働くことの意味を考えさせられた。 ただし正直なところ恩地元に共感できないと...続きを読むころも多い。組織で働くには正論だけを振りかざしても人は動かない。自分の正義と矜持を守るために、特に航空会社のような半官半民の企業内を泳ぎ切るためには、グッと堪えうまく立ち回ることも時には必要ではないだろうか。
随分前に5冊購入してから、大作故に読み始める気合いが入らずになかなか読めずにいましたが、何となく手に取り読み始めました。平成11年の作品で、話は1960年代のことだといいのに、とても読みやすく、どんどん世界に引き込まれていきました。恩地さんが自分の身近な人物に感じ、読みながら、言葉を失い、何度も本を...続きを読む閉じました。 山崎先生の緻密な描写に、その土地の様子がしっかりと頭に描かれて、世界旅行の気分も味わってしまいました。世界地図を広げて、恩地さんはこの時代にこんな場所へ行かされたんだ、と思いを馳せました。自分の会社に労働組合はないけれど、社会人になってこの本を読むと、誰もが共感できると思います。
久しぶりの小説だったが、全く飽きずに一気読みしてしまった。 組合と会社の対立、溝の深さはそのまま見応えとなっている。 恩知の頭のキレの良さ、弁の立ち振りの格好良さと言ったらない。 …一言、 「ナショナル・フラッグ・キャリアか知らんけど、 自分だったらこんな会社、即辞めてるね!」
沈まぬ太陽という題名からは想像つかない話だった。 アフリカにいる場面から始まり、現在・過去と場面が切り替わることにはじめは戸惑ったが、理解できていくととても面白い。もっと早く読めばよかった。航空業界についてなんとなくわかる
だいぶ社会派。御巣鷹山のあたりは、働く全ての社会人にこそ一度は読んでいただきたい。リスクマネジメントの大切さ、日頃からの業務のあり方を、考えさせられる名作。 かなり左派というか、偏りが凄いのだけれど、読む価値はある。
航空業界の期待の星が不本意な形で労働組合の代表となり、労働条件をよくしようと奮闘する。その結果、会社から要注意人物と思われてしまい、厄介なので、テヘラン、ナイロビと遠くに駐在することになる。 家族を犠牲にしてそれでも自分の信念を曲げず、目の前の仕事にとり来る姿はたくましいなと思った。 でも私だったら...続きを読む馴れ合って昇進してから偉い立場になった上で改革した方がいいのになと思った。 アフリカでの生活も分かったし、その当時の労働環境も分かって社会的な勉強にもなると思った。
いうまでもなく山崎豊子の作品は膨大な資料と 念密な取材の上に成り立っていますが 実在の人物を超える芯に迫る迫力があり 取りつかれたように読み進むうち 作者も取りつかれたように筆が止まらなかったのだと実感します 社会を動かすのは組織ではなく 一人の志であってほしい あるべきだと背筋を伸ばしました 全巻...続きを読む読破いたします
山崎豊子作品では一番好きな書籍である。 本の世界に入り込まれ一気に読み進めてしまいました。 このような組織の中での生き方というのは正解はないようには思うが、不公平な扱いをされることはやはりあるだろう。 この作品は主人公の状況、大企業の組織、人間の正義、エゴも上手く描写されているとお思う。 なので5つ...続きを読む星!!
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沈まぬ太陽
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山崎豊子
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