花紋

花紋

825円 (税込)

4pt

ろうたけた美貌とたぐいまれな才を宿し、大正歌壇に彗星の如く登場し、束の間の輝きを放って突如消息を断った幻の歌人御室みやじ。河内長野の大地主の総領娘として、苛酷な因襲に抗いながら、国文学者荻原秀玲との宿命の恋に全てを賭け、略伝に夭逝と記されたように、自らの生をまで世間から葬り去った、激しい情熱と苦悶に貫かれたその半生を重厚な筆致でたどった長編小説。

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花紋 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年11月25日

    濃厚な心情の描写に、心がひりついた。
    終始、ホラー小説のような気味の悪さが漂っていた。
    サスペンスなのか?いや、恋愛がテーマか?とも思ったが、そんなどころではない小説だった。
    幽霊や怪異より怖いものは人間だと思う。

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    Posted by ブクログ 2012年05月03日

    大地主の総領娘であり、大正時代に類まれな歌人として知られた御室みやじの波乱万丈で数奇な半生。

    旧い因習の中から飛び立つことを許されず、それによりさらに燃えたぎる情熱、冷徹さ、孤独が、痛いくらいの美しさと真っ直ぐさで迫ってくる。重厚で激しい美しさをもつ小説。短歌はまったくわからないけれど、御室みやじ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月20日

    なんて悲しく酷い生涯なんでしょう‥。
    美貌と、才能と、大地主の長女としてのあふれるほどの富を持ちながら、突如 早逝されたと記され、歌壇から消息を絶った歌人・小室みやじ。しかし彼女は生きていたのです。その謎をゆっくりと紐解くように、彼女に54年間付き添った老婢のよしが語り始めます。

    大正時代の美しい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年11月11日

    粘着質で濃厚な世界観がたまらないです。
    情念の描かれ方が良いです。

    現代からは想像もつかない、戦争と旧態依然として家に殺される女流作家。

    想像がつかないだけに重く、知らない価値観に蹂躙されます。

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    Posted by ブクログ 2015年07月26日

    やはりこの人は白い巨塔以前と以後にわけることができるな、筆のタッチが違うような、話も女性にスポットをあてたものが多いように思う。
    大地主の家にうまれ、300年の家の風習に雁字搦めにされながら生きた女性の話。
    ミステリタッチの部分もあり謎を解きながら読めた。
    ろくな男がいない苦笑

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    Posted by ブクログ 2015年05月01日

    河内長野出身なので、地名など懐かしく読みました。現代シーンはいらない気がしましたが・・
    この時代の女性の生き方、葛藤、興味深く読めました^^

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    Posted by ブクログ 2012年03月18日

    旧家の総領娘であり、歌人御室みやじの秘められた恋と数奇な運命をたどる。

    今までこの方、社会派の作家さんだと思っていました。『不毛地帯』とかが有名すぎて。
    宮尾登美子といい、この作家さんといい、円熟した筆で描かれる女性の一生というものは読みごたえ満点です。目がくらむほどきらびやかで豪奢な反面、がんじ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年02月28日

    大正時代の世界感に、かなりはまりました。
    名家に生まれ、自分の思い通りに生きられない運命の下、凛とした強さを持った、御室みやじに魅了されました。

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    Posted by ブクログ 2010年12月26日

    先日訪問した富田林寺内町の旧杉山邸にいた歌人石上露子の自伝小説だったので興味津々で読みました。小説なのであくまでもフィクションでしょうけど、旧家の因習ってことのすごさ、家の大切さ。うーん、現代でもこういうのに縛られるってのはなかなか苦労するやろなぁ。と・・でも、皇室の方々なんかはもっとすごい縛りがあ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年10月08日

    解説でも書いていたが、著者の代表作といわれる作品と比較すると少々筋立て等が粗っぽい。
    題材も取り立てるほどのものでもない気がしなくもない。
    著者の作品で今まで未読の作品だった訳だが、それもむべなるかな?という感じ。

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