闇の脳科学 「完全な人間」をつくる

闇の脳科学 「完全な人間」をつくる

2,000円 (税込)

10pt

4.4

「脳に電気ショックを与えて、『完璧な人間』へとつくり変える」

現在の米脳科学界における一大トレンドであり、DARPA(米国防高等研究計画局)も莫大な予算のもと参戦する「脳深部刺激療法」。
「サイコパス」「依存症」「うつ病」「てんかん」「パーキンソン病」、そして「小児性愛」「性犯罪者」さえも矯正可能であるという夢のような治療法だ。
軍事転用すれば、冷酷な兵士を人工的に生み出せる。

しかし、闇に葬り去ったはずの禁断の治療法がふたたび甦ってしまった、と戦慄する人も多い。
というのも1950~60年代、マッドサイエンティスト疑惑のある天才脳神経外科医が、
倫理観の希薄な南部(ニューオリンズ)の大学で、思う存分に人体実験を敢行していたからだ。
患者の頭蓋骨に穴を空け、電極を差し込むことによって。しかも彼は、人類の進歩に貢献する英雄として、もてはやされていたのだという。

恐るべきことに彼は、同性愛者を異性愛者へつくり変えることに成功。
暴力行為が一瞬で消えた患者、上限のない幸福感に満たされる患者、メンタル疾患が消えた患者なども。過激化する人体実験。
その一方で、手術失敗で発生した廃人たちを隠し切れなくなりーー。
人間の本質=「脳」という臓器に変更を加えることは許されるのか?

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闇の脳科学 「完全な人間」をつくる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    くそおもろ
    天才っているんだ
    快感と苦痛は紙一重
    どちらもスイッチひとつで生み出せる
    人間をどんな用途のための道具に造りかえることも可能だし、感情や倫理観はどうにでも変えられる
    形成外科▶︎美容整形
    神経外科▶︎脳深部刺激
    倫理警察うっせーわ
    ロバート・ガルブレイス・ヒース

    0
    2023年12月10日

    Posted by ブクログ

    科学(医学)の最先端を戦うと言うことはこう言うことなのかということを少しながら感じ取れた。今の時代なら素晴らしい業績とみなされて然るべきものが、時代の状況によっては酷い扱いを受けるものだと教えてくれる。ヒース博士が実際にはどのような人だったかは結論づけられないだろうが、とてもドラマティックに記述され

    0
    2021年02月28日

    Posted by ブクログ

    物凄い本だった。本書タイトルとあらすじは「タブー」と「マッド・サイエンティスト」的な所に思い切りフックのあるものになっていますが、本書を完読するとそういった単純さとはかけ離れた内容に驚嘆してしまいます。しかしタイトル・あらすじは本文の片面として確実に含まれており、その反対側の面(これはユヴァル・ノア

    0
    2020年11月17日

    Posted by ブクログ

    忘れられた天災、ロバート・ヒース。
    今でいう脳深部刺激療法を50年前に独自に開発して統合失調症を治療していた。

    0
    2020年12月03日

    Posted by ブクログ

    【感想】
    かつて「マッドサイエンティスト」と糾弾され、医学の表舞台から姿を消した医者がいた。その医者の名は『ロバート・ヒース』であり、彼を主人公として本書は展開していく。

    ヒースが施した治療のもっとも有名なものが、同性愛者を異性愛者に矯正するための電気治療である。被験者の脳の快楽中枢に電極をつなぎ

    0
    2022年01月28日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    精神症状における脳深部刺激術の歴史と、その中で消された存在となったヒースの半生をまとめたルポです。題名から胡散臭そうな印象を与えてしまいようですが、真っ当な内容です。脳深部刺激術はパーキンソン病などの治療で現在普通に行われる手術ですが、精神症状の治療のために1950年代から試行錯誤されていて、その歴

    0
    2020年11月06日

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