物凄い本だった。本書タイトルとあらすじは「タブー」と「マッド・サイエンティスト」的な所に思い切りフックのあるものになっていますが、本書を完読するとそういった単純さとはかけ離れた内容に驚嘆してしまいます。しかしタイトル・あらすじは本文の片面として確実に含まれており、その反対側の面(これはユヴァル・ノア
...続きを読む・ハラリの「ホモ・デウス」まっしぐらの、人類永遠の課題かもしれません。)を熟慮するためには一冊分の内容が必要であるため、本書はこの引っ張りでこそ正しいのだと思います。
ある人物・ある分野を批判・否定する際に、その否定する理由が主に直感・感情・倫理である場合、完膚なきまでに完全に完璧に100%否定しきると、歴史が完全に断絶され、その人物・分野に含まれていた部分を再評価する動きが出来ていた時に、その分野が何故否定されていたのかすら分からなくなってしまうというこれ以上無い証拠を突きつけられた気分でした。
例えば私は、
長期に安定した実績のある「アルツハイマーを完全に克服する脳手術」があるとしたら、その誘惑に勝てる気がしない。
例えば私は、
双極性障害だが、私が初めて診断を受けた十三年前のその日に「実はこれを完治する安定的な脳手術があり、保険適用です。」と言われたら、どうしていたのだろうか?