小説伊勢物語 業平

小説伊勢物語 業平

2,420円 (税込)

12pt

千年読み継がれてきた歌物語の沃野に分け入り、美麗な要望と色好みで知られる在原業平の生涯を日本で初めて小説化。現代語訳ではなく小説に紡ぐことで、日本の美の源流が立ち現れた。これは文学史的な事件である!

歌物語の不朽の名作にして、「恋の教科書」ともいわれることもある「伊勢物語」。その主人公とされる在原業平の一代記を「伊勢」の百二十五章段の和歌を物語の中に据えて大胆に周到に小説化。やまとことばに注目の集まった令和改元をはさみ日経新聞夕刊に連載された本作は、平安時代の古典に、千年かけて培われてきた日本人の情感、美意識を現代小説として吹き込み、活き活きとよみがえらせた傑作長編。連載時に小説に平安の都の風を吹き込んだ大野俊明氏の挿絵もカラーで16点収録。この作品を読んでから「伊勢物語」を読めば平安の「みやび」を五感で味わうことができるだろう

【著者「あとがき」より抜粋】
古典との関わり方として、私は現代語訳ではなく小説化で人物を蘇らせたいと思ってきました。千年昔には身体感覚において、どこかが違う人間が生きていて、私たちは、現代にも通じる部分においてのみ、かの時代の人間を理解しているのではないか。この疑問は、書くことに矛盾をもたらし、文体を模索させました。平安の雅を可能なかぎり取り込み、歌を小説の中に据えていくために編み出したのが、この文体です。味わい読んでいただければ、在原業平という男の色香や、日本の美が確立した時代の風が、御身に染みこんでいくものと信じます。

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小説伊勢物語 業平 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    はるかな昔(平安時代ではないけれど)高校で「伊勢物語」を読み、興味を持った。
    「源氏物語」は色々な現代語訳などたくさん出版されているが、これは小説として楽しめた。
    でも、長かった!
    在原業平はやはり光源氏のモデル?
    業平の生きざまには現代を生きる女として物申したいが、
    千年を超えて伝える和歌の力はや

    0
    2021年03月24日

    Posted by ブクログ

    伊勢物語を読むのは中学?高校?の古典で習った以来。長かった…けれども読み応え抜群。業平のロマンチックな恋物語。古典文学にハマりそうなくらい良かった。聞いたことある和歌がちょくちょく出てきて、なるほど!これはこんな情景の中で詠まれたものなのか!と知ることができた。次は令和、万葉集を読んでみたい。

    0
    2021年01月04日

    Posted by ブクログ

    映画「君の名は。」の元ネタが「とかえばや」と知り田辺聖子の小説版を読み日本の古典の先進性、独創性を知り、俄然古典文学に興味を持ったが、伊勢物語についてはNHKの100分de名著で知るまで名前しか知らなかった。本著ではその素晴らしい世界観を堪能することが出来、正に現代小説の礎とも言える物語であった。著

    0
    2020年12月03日

    Posted by ブクログ

    この内容は、なんだろうかと
    最初読み始めたときは、ちょっと戸惑いましたが
    伊勢物語を完全に小説にして、在原業平の半生を描いた
    内容に置き換えて描かれているものと気づいて
    面白く読めました。どこまでが史実で、どこまでが
    伊勢物語にある内容なのかを、ちょっと調べながら
    読み進むと、非常に面白くよめました

    0
    2020年07月20日

    Posted by ブクログ

    古典でもよく聞く伊勢物語と在原業平。腰据えて読んでみようと、まずは現代語訳ではなく小説を選択。面白かった。
    読みながら、業平にツッコミ入れること数えきれず。なんと危ない男か…。

    家系図があるから、読みながら理解しやすい。
    桓武天皇、安殿の平城帝、伊予の君の嵯峨帝、出てこないけれど空海の時代とかすっ

    0
    2024年04月06日

    Posted by ブクログ

    文体がとっても雅な感じです。読み進むにつれて、平安の雰囲気ってこんな感じかな~って気になりました。在原業平については伊勢物語の主人公、伊勢の斎宮に手を出した、とか、藤原高子と駆け落ちしたとか、そのくらいのエピソードしか知らず。その二つのエピソードが主でしたが、旅の場面なども面白かったです。でも、業平

    0
    2023年07月17日

    Posted by ブクログ

    根っからの都人であり、歌人であり、すぐ惚れてしまう男。業平界隈から見ると藤原氏は非道。人生色々って思う。

    0
    2021年03月09日

    Posted by ブクログ

    伊勢物語、古文の授業では心の機微はわからない。やはり、大人になるとわかるもの。もう一度読み直します。

    0
    2021年02月22日

    Posted by ブクログ

    独特な表現で穏やかに面白く読めた。
    飽かぬから哀し、叶わないからこそ趣が深まるというところは全くその通りだと思う。。そしてたくさんの叶わないことがあるのが恋なのかと。物や権力はお金や努力で手に入りやすいけど、好きな人とずっと好き合うことは色んな意味で難しいから、だからこそ現代でも恋の歌が溢れてるのだ

    0
    2020年12月27日

    Posted by ブクログ

    在原業平の歌を軸に据えて解釈の中で彼の人生を振り返る.出世(お仕事)からは一段身を引いた処世術ながら,女遍歴の熱心さには驚かされた.いやいやお盛んとは思っていたが,30歳で10歳ぐらいの童に目をつけるなど,光源氏だけではなかったのだと呆れた.歌は後世に残るほど素晴らしいとしても,人間としてはっきり言

    0
    2020年12月10日

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