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群雄割拠、他国からの侵略も絶えないイタリアにあって、一千年もの長きにわたり交易で欧州を席巻、自由と独立を守りつづけた海洋国家ヴェネツィア。地中海に名をとどろかせた高度な統治の内容と、そこに生きる人々の叡知、そしてついには衰亡へと向かう壮大なドラマを詳述する。執筆当時を回想したメイキングを新たに収録。 ※当電子版は単行本下巻(新潮文庫第4巻~第6巻)と同じ内容です。地図・年表なども含みます。
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Posted by ブクログ
千年以上にわたり、確固たる意志の元で繁栄し続け、ワケあってアッという間に抜け殻となったヴェネツィア共和国。その小さな国の興亡を息をのむ思いで読み続けた。政に関わる者たちが逸脱した行為に及ばないよう周到に組織された政府、万が一足を踏み外した者への厳罰、用意された敗者復活の構図、経済の理論など、独創的な...続きを読む政治体系に驚く。恥も外聞もなくお金や名誉に執着する今の日本とは、その成熟度は比較にならない。久々大きな思いを残してくれた感動の書。未読の方には、是非!とお勧めしたい。こんな本が教科書だったら、歴史も地理もすんなり頭に入るのに……。
イタリアマニアに陥った私をさらにがんじがらめにした名著、下巻。これで本棚がイタリア色に染まったといっても過言ではない。
ヴェネツィアの歴史 英雄を作らないという共和国を創ったヴェネツィア人 千年も国の体制を変えずに繁栄したのも珍しい
ベネチアとトルコの激戦、ビザンチン帝国の興亡、マキャベリの台頭、ルネサンス時代、地中海を通じた貿易、やはり海を通じて栄えた都だ。しかし歴史的にこれだけ色々な都市と関わってきた街は無いと思う。
引き込まれるベネチアの歴史。最後は寂しいが都市は残り観光名所になった。ベネチアがこういう歴史だったと初めて知った。
ヴェネツィアに関する物語の下巻。 この本を読み終わることにより、日本人がよく知っている 現代の大陸型国家の有望なところの台頭の理由や 中世・ルネサンスから近現代に至る過程が読み解けます。 またイスラムとの関係も。。 目から鱗が落ちましたね。 視界がジーコレベルになりました。はい。
「栄枯盛衰」様々な物語が紡がれ、それを導き出しているのでしょう。辿り着く先は同じ「滅亡」であっても。
1000年に及ぶ繁栄を続けてきたヴェネツィアにも衰退の影が・・・。コロンブスの新大陸発見以上に脅威となったバスコダガマの喜望峰発見。それは経済大国ヴェネツィアの利益の源泉であった胡椒の独占が崩れる予兆だったとのこと。実際にはオランダの台頭・東インドの領有により完全に優位を失うまで時間は要するのですが...続きを読む、地中海中心から大西洋の時代になぜヴェネツィアが乗り遅れたのか。昔の聖地巡礼パックツアーがヴェネツィア商人の発明で、ライバル・マルセイユを圧倒した話、そして聖地への熱意が冷めるにつれ、ヴェネツィアそのものが観光の対象となってきた18世紀は既に爛熟、腐敗、衰退が始まっていたというのは当然だと思います。ゲーテなどが訪問したのもその頃です。ナポレオンの進出によるヴェネツィア共和国の滅亡は突然のようですが、売り物であった政治力が失われてきたということであり、爛熟売り物であった政治力が失われてきたということであり、爛熟した文明は終焉の予感を感じさせるものがあります。
ヴェネツィア共和国の経済体制、経済体制を維持するための合理主義に基づいた政治システムの運用と文化の変遷について。ヴェネツィアは、経済合理性を追求した各種制度の確立・運用によって東地中海の覇権を獲得し、中東との貿易を行うことで中世の西欧では最大の経済国となり、文化の中心地ともなった。東地中海世界にトル...続きを読むコが台頭した時期に、他のキリスト教国から非難される中でトルコに年貢を支払ってまで地中海交易路を維持したのも経済合理性のためである。近世にアメリカ大陸が発見されたたために、西欧世界にとって地中海貿易の重要性が低下するについて伴いヴェネツィア共和国は経済力を失い、ナポレオンの圧力のもと崩壊した。
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