翔ぶが如く(十)
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翔ぶが如く(十)

小説・文芸
740円 (税込)

3pt

薩軍は各地を転戦の末、鹿児島へ戻った。城山に立て籠る兵は三百余人。包囲する七万の政府軍は九月二十四日払暁、総攻撃を開始する。午前七時すぎ、西郷隆盛は二発の小銃弾を体に受ける。一度倒れ、起き上がった西郷は、薩軍幹部・別府晋介をかえりみて言った。「晋ドン――」。そしてその翌年、大久保利通もまた――。激動の時代、ここに終熄。『翔ぶが如く』完結巻。

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翔ぶが如く の一覧

1~10巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~10件目 / 10件
  • 翔ぶが如く(一)
    719円 (税込)
    司馬遼太郎畢生の大長編! 西郷隆盛と大久保利通。ともに薩摩藩の下級藩士の家に生まれ、幼い時分から机を並べ、水魚の交わりを結んだ二人は、長じて明治維新の立役者となった。しかし維新とともに出発した新政府は内外に深刻な問題を抱え、絶えず分裂の危機を孕んでいた。明治六年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発。西郷は自ら主唱した“征韓論”をめぐって大久保と鋭く対立する。それはやがて国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく――。西郷と大久保、この二人の傑人を中心軸に、幕末維新から西南戦争までの激動を不世出の作家が全十巻で縦横に活写する。
  • 翔ぶが如く(二)
    719円 (税込)
    西郷隆盛と大久保利通。ともに新政府の領袖となったふたりは、いまや年来の友誼を捨て、征韓論をめぐり鋭く対立している。西郷=征韓論派、大久保=反征韓論派の激突は、政府を崩壊させ、国内を大混乱におとしいれた。事態の収拾を誤れば、この国は一気に滅びるであろう……。
  • 翔ぶが如く(三)
    719円 (税込)
    「西郷と大久保の議論は、感情に馳せてややもすれば道理の外に出で、一座、呆然として喙(くちばし)を容るるに由なき光景であった」(板垣退助)。明治六年十月の廟議は、征韓論をめぐって激しく火花を散らした。そして――西郷は敗れた。故国へ帰る彼を慕い、薩摩系の士官たちは陸続として東京を去ってゆく。内戦への不安は、いまや現実となった。
  • 翔ぶが如く(四)
    719円 (税込)
    西郷に続いて官を辞した、もとの司法卿・江藤新平が、明治七年、突如佐賀で叛旗をひるがえした。この乱に素早く対処した大久保は、首謀者の江藤を梟首に処すという苛酷な措置で決着をつける。これは、政府に背をむけて隠然たる勢力を養い、独立国の様相を呈し始めている薩摩への、警告、あるいは挑戦であったのだろうか。
  • 翔ぶが如く(五)
    740円 (税込)
    征台の気運が高まる明治七年、大久保利通は政府内の反対を押し切り清国へ渡る。実権を握る李鴻章を故意に無視して北京へ入った大久保は、五十日に及ぶ滞在の末、ついに平和的解決の糸口をつかむ。一方、西郷従道率いる三千人の征台部隊は清との戦闘開始を待ち望んでいた。大久保の処置は兵士たちの失望と不満を生む。
  • 翔ぶが如く(六)
    719円 (税込)
    台湾撤兵以後、全国的に慢性化する士族の反乱気分を、政府は抑えかねていた。鹿児島私学校の潰滅を狙う政府は、その一環として、兵部大輔を辞め萩に帰った前原一誠を頭目とする長州人集団を潰そうとする。大警視・川路利良が放った密偵は萩で前原を牽制。しかし、士族の蜂起は熊本のほうが早かった。明治九年、神風連ノ乱。
  • 翔ぶが如く(七)
    719円 (税込)
    熊本、萩における士族の蜂起をただちに鎮圧した政府は、鹿児島への警戒を怠らなかった。ことに大警視・川路利良の鹿児島私学校に対する牽制はすさまじい。川路の命を受けた密偵が西郷の暗殺を図っているという風聞が私学校に伝わった。明治十年二月六日、私学校本局では対政府挙兵の決議がなされた。大久保利通の衝撃は大きかった――。
  • 翔ぶが如く(八)
    719円 (税込)
    明治十年二月十七日、薩軍は鹿児島を出発、熊本城めざして進軍を開始する。それは西郷隆盛にとって妻子との永別の日となった。迎える熊本鎮台司令長官・谷干城は籠城を決意、援軍到着を待った。戦闘開始。「熊本城など青竹一本でたたき割る」勢いの薩軍に、綿密な作戦など存在しなかった。圧倒的な士気で城を攻めたてた。
  • 翔ぶが如く(九)
    719円 (税込)
    熊本めざして進軍する政府軍を、薩軍は田原坂で迎えた。ここで十数日間の激しい攻防戦が続く。薩軍は強かった。すさまじい士気に圧倒され、政府軍は惨敗を重ねた。しかし陸続と大軍を繰り出す政府軍に対し、篠原国幹以下多くの兵を失った薩軍は、銃弾の不足にも悩まされる。薩軍はついに田原坂から後退した――。
  • 翔ぶが如く(十)
    740円 (税込)
    薩軍は各地を転戦の末、鹿児島へ戻った。城山に立て籠る兵は三百余人。包囲する七万の政府軍は九月二十四日払暁、総攻撃を開始する。午前七時すぎ、西郷隆盛は二発の小銃弾を体に受ける。一度倒れ、起き上がった西郷は、薩軍幹部・別府晋介をかえりみて言った。「晋ドン――」。そしてその翌年、大久保利通もまた――。激動の時代、ここに終熄。『翔ぶが如く』完結巻。

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翔ぶが如く(十) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    大久保利通、西郷隆盛を軸に、明治へと変動の時代を駆け抜けた名士たちの話です。
    色々な有名な武将たちが作中に現れますが、自分はやっぱり桐野利秋が好きです。
    変革の時に今で言うところのテロリストですが、その勇姿と忠義、そして何よりシンプル強いところが好きでした。
    江戸から明治へと時代がどのように変わっていったか、そして誰が変えたのがよくわかるので、歴史好きにはオススメです。

    0
    2026年06月03日

    Posted by ブクログ

    西郷・大久保が2人で成した革命(明治維新)。
    維新後、
    残余革命戦力を自らの命と共に整理した西郷。
    絶望的孤独の中で、現代日本の骨格を作った大久保。

    2人をして日本の革命は成り立ったと感じる。

    大久保の孤独を考えると胸を打たれる。
    司馬遼太郎さん、ありがとうございました。
    少し、司馬遼太郎系の読書は休みます。

    0
    2026年03月13日

    Posted by ブクログ

    全巻読み終えるのにかなり時間を要してしまった。

    改めてこの本を通じ、私個人の維新後や政府の成り立ちについて深く理解が進んだ。
    また主題である西郷隆盛について、これまでイメージとして持っていた偉人というぼんやりしたものから周辺の人間関係や思想などをもとに解像度が上がった。ただ著者が記しているようにどこまでいっても西郷隆盛の虚像であり、空を掴むような感覚はあった。
    その点、大久保利通や川路らを理解することが結果として西郷隆盛やその時代の空気感を理解させてくれたと感じる。

    まだ若い私が読んでも感じ得る部分は限られているのであると思うため、改めてどこかで読み直したいと思った。

    0
    2025年07月21日

    Posted by ブクログ

    これほど慕われ続ける人望と器量を備えているものの、ここに登場するやその厭世に虚しくなる。結果として成し得なかった征韓論には、極めて複雑な背景があり、どうあれ退いてくれたことに安堵するけれど、大久保、岩倉を追い詰め、三条を錯乱させた往時には、その威容を誇る。薩摩に帰郷して後は、何ら光彩を放つことなく、もちろんそのための遁世なのだから、そのまま不動でいて欲しかった。革命の象徴から、新たな革命の虚像へ。そして、演じたのか捨て鉢であったのか、木偶の最期を迎えた。敵味方を問わず西郷を担ぎ、共に逝った者たちの情緒は知れても、西南での西郷の機微に触れることはできなかった。

    0
    2017年10月08日

    Posted by ブクログ

    この本を読むまで西郷隆盛を誤解していた。
    大久保利通についても同様。
    幕末から維新を知る上で、この本を読まないということはありえない。
    しかし、太平洋戦争の日本軍のとった行動心理と、西南戦争における薩摩藩の因果関係はどのようなものがあるのか気になった。同じ感覚を覚えた。太平洋戦争の際には、薩摩の桐野のような爽快さはないのかもしれないが。

    0
    2015年01月27日

    Posted by ブクログ

    木戸孝允病死、西郷隆盛戦死、大久保利通暗殺…維新の志士3人が時を同じくして逝去。武士の時代の鬱積されたエネルギーを西南戦争という日本の歴史上最大の内戦で終わらすことで、日本はようやく明治という近代を迎えることとなります。全十巻完。

    0
    2013年02月09日

    Posted by ブクログ

    「やべーいつ挫折するんだろう!」と恐る恐る読み始めてみたけど、ところがぎっちょん。
    最初はどんな牛歩戦術かと思ったけど、後半になればなるほど面白い。
    6巻あたりから面白くなってくるので、それまではひたすら耐えるのみ。
    どんな鎮台兵かと。

    結局のところテーマは「士族の総決算」ということであって、その最たるものが西南の役であり、象徴が西郷を筆頭とする薩摩士族であり、ということなのだろう。
    そのピークに向かって、征韓論から徐々に徐々に歩を進めていく感じ。
    時折余談にそれながら、何度も同じ話をしながら。
    ちょっとした登山のよう。
    が、終わりは周知の通りなので、達成感やら爽快感のようなものはない。

    それどころか、わかってんのに100%勝算のない反乱を起こしたり(神風連の乱)、鹿児島へ帰る一心で絶望的な包囲を突破したり(可愛岳突囲)、小気味のよさより気持ち悪さが先に立つ。
    「もういいんじゃね?」とその度ごとに思うのだけど、まあ諦めの悪いこと。
    気持ち悪いと思うのは、そこまで何を賭けているのかが見えないから。多分。

    英雄的な武勇に見られる士族の矜持を出しきらせること。
    それを圧倒的な火力と兵站で潰し、士族の息の根を止めること。
    これをやり切った政府(太政官っていうか大久保)は称賛するべきなのだろうけど、かといって手放しで感心するほど、単純な感情は持ちえない。
    なぜなら政治も戦場も、それを表す場としては露わに過ぎるから。

    中身が事実かどうかはさておき、考えさせられることは多い。
    ただし、フィクションで出してきた女性は不要。

    0
    2012年08月07日

    Posted by ブクログ

    征韓論から西南戦争までを書いたもの。当初「時代小説」だったものが著者の興味が膨らみ方向転換したことで、最終的には「歴史伝」になった不思議な書。
    歴史は、歴史学のように資料に残る事実のみで「科学的風」に分析、解釈することが正解とされる。しかしこの著者は、資料を「詩的」と評される歴史人物への共感と、自らが生きる現代社会への経路の想像によって、歴史を紡ぐ。これは小説というジャンルでは許される技法であるが、歴史書としては「違法行為」とされる。しかし本書を読み感じたのは、「歴史の事実など、本当にとらえられるのか」「人間にとって『歴史』とは何か」である。この大長編でありながら夢中で読める本書は、現在「司馬史観」と揶揄されるこの作風の魅力と、今を生きる我々にとって歴史とは何なのかを根本的に問うてくる。

    古来、一万人の大軍で、経済のことをほとんど考えなかった軍隊は史上西郷軍だけである。これは革命軍というより壮士気分の集合体か、単に暴動的な一揆勢に過ぎない。金欠した西郷軍は「西郷札(軍票)」をつくったり、南九州の公人を拷問したり、殺害して公金を奪った。そのなか、桐野は楼閣に通いつめ三人もの遊女を落籍させていた(西郷札で払った)47

    『西郷隆盛ゃ イワシかジャコか タイに追われて逃げてゆく』西南戦争中、政府軍の警察隊と鎮台兵で流行った戯れ唄。タイは「鯛/隊」。この当時使われ始めた「隊」という言葉は「庶民/百姓の兵」という意味だった。これの最初は「奇兵隊」。武士の兵は「組」だった。警察隊と鎮台兵は百姓など平民出身者が多かった。101

    和田越の決戦で初めて西郷は前戦にたった。そこで政府軍の戦いを見て「あの百姓町人の兵隊の強さを見よ」「これで、外国の軍隊が攻めて来ても大丈夫」と言った132

    宮崎八郎亡き後を継いだ協同隊の崎村常雄主幹は、和田越で西郷の解散命令が出た時、隊で会議を開いた。切腹などの案が出た中で、崎村は「投降して捕虜になり、裁判を受ける」と決裁した。切腹などは文明の野蛮を象徴しているし、民権を旨にする我が隊の理論に反する。文明・民権を考えれば潔く捕虜になり、その後堂々と裁判で自分たちの立場を主張するべきである。とした。これはこの時期の日本では注目すべき動態と言える。143

    突囲するため深夜に登山を始めた西郷軍。西郷も四つん這いになり岩を登った。その時西郷は「夜這いみないだな」と一言言って、敗残兵たちは多いに和んだ157

    薩摩帰還の山中行軍での西郷の出で立ち。竹の籠に乗り、浴衣を着、脇差だけを帯び、『言志録』一冊。そして竹筒に焼塩を入れていた。焼塩は陣中で牛を屠って食べる時のため170

    桐野利秋。彼は光り物が好きで刀などを金銀こしらえして、また香水も使っていた。かれは痛快なほど無内容な男だっただけに、外観を飾ることに、子供か未開人のように関心があった。西郷は村田新八から送られた海外制の豪華な金時計を持っていて、これを落とした。桐野はこれを異常に欲しがった。西郷は逃走中落として「拾ったものにやる」といった。それを拾った兵士がいたので、桐野はこれを300円(現在の価値で700万)で買った。この期に及んでこんなことをしている桐野には気味悪さをも覚える173

    桐野は城山に入った時も、野戦病院を遅い、対処していた政府側役人が残した礼服とシルクハットを盗み、身につけた208

    実は西郷は切腹に否定的であった。薩摩武士は戦死こそ崇高と考えていた229

    この10巻になる書ては女がほとんど出てこない。芦名千絵が前半出てくるが、いつの間にかドロップアウトした。これは著書が大衆小説⇒歴史小説⇒歴史そのものを描く、と連載中、興味が移っていき、「維新前後の歴史では女子供が端役」であった事実から捨てられたのではないか367(解説)

    上野西郷像。西南戦争を起こして征伐された西郷が、それほど時間を置かず東京の中心地に銅像にされ、その除幕式には政府高官も出席した。このことに在日中の外国人たちは驚愕した370(解説)

    0
    2023年11月18日

    Posted by ブクログ

    「尊王攘夷」のスローガンで始まった筈の倒幕運動から、明治維新が為ってみたら、幕末からの開国方針が何も変わっていないという、この歴史の流れが、長らく釈然としなかったのだが、これを読んで、漸く腑に落ちたというか――当時の士族達も釈然としなくて、だからあちこちで士族の反乱が起きて、最終的に西南戦争に至ったのね、と。しかし、旧支配層の武士は既得権益を取り上げられ、庶民は税金やら兵役やら負担が激増した、この明治維新という大改革が、よく破綻・瓦解しなかったものだという、新たな疑問が湧いてきた。

    0
    2023年09月10日

    Posted by ブクログ

    西郷一行が宮崎に逃げ延びたところから西南戦争集結と大久保利通、川路利良の末路までの最終巻。
    新聞の連載物であるが故に繰り返されるキーエピソードや、作者が調べ上げた話の本筋とかけ離れた人物描写が多すぎて物語としてのテンポが非常に悪い。
    解説の方も述べているが、歴史書として扱うなら作者の類推と史実を区別した解説本がなければと思う。
    ただ、読者の殆どはやはり読み物として手に取るだろうし、自分もその類であるからもう少し簡素であって欲しい。

    ただ、維新後の真の革命である10年を描く本作は、近代日本を形作る重要な年月であり、西郷という虚像を取り巻く群像劇として見ることで人間の本質を垣間見ることもできる。

    本巻だけでも印象に残る人物を列挙する。
    人たらしの才能のみで君臨し、取り巻きに翻弄され続け、人を見る目がない西郷隆盛。
    西郷と城山で散る同士たち、すなわち
    桐野利秋
    村田新八
    別府晋介
    辺見十郎太
    西南戦争での薩摩側の良心で、生き延びて読み手のスクイとなる野村忍助。
    熊本の自由民権運動者、宮崎八郎

    官軍側では、
    内務卿大久保利通
    慎重過ぎる戦略により戦争を無用に長引かせた臆病な官軍総督、山県有朋
    西郷暗殺の刺客を送った大警視川路利良
    薩摩出身の海軍総師川村純義

    西南戦争の最中に病で没した木戸孝允

    西郷の人となりをここまで深く掘り下げた人はこれまでなかったようだが、そういう言う意味でも価値ある小説である。

    廃藩置県、地租改正などにより国民の新政府に対する不満が蔓延し、その暴発を薩摩藩が担い、その敗戦をもって革命が区切りを迎えるという激動の時代がよく理解出来た。

    0
    2018年05月26日

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