恍惚の人

恍惚の人

小説・文芸
990円 (税込)

4pt

文明の発達と医学の進歩がもたらした人口の高齢化は、やがて恐るべき老人国が出現することを予告している。老いて永生きすることは果して幸福か? 日本の老人福祉政策はこれでよいのか? 老齢化するにつれて幼児退行現象をおこす人間の生命の不可思議を凝視し、誰もがいずれは直面しなければならない《老い》の問題に光を投げかける。空前の大ベストセラーとなった書下ろし長編。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    恍惚の人
  • タイトルID
    :
    249287
  • 電子版発売日
    :
    2014年03月07日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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恍惚の人 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    親の年齢を考えるともはや他人事ではない介護。
    小説の中では結構大変なことが次々起こってるのに悲壮感がなくて、さすが有吉さん。天晴れ。
    ちびまる子ちゃんとかナースのお仕事みたいな空気がずっと漂っている。
    最近読んだ介護をテーマにした別の小説とは対照的で、それが時代性なのか性格なのかわからないけど、有吉さんの小説を読むと、何が起こっても笑って生きていける感じがして元気もらえる。

    0
    2026年09月12日

    Posted by ブクログ

    どぎついセリフを吐くものの、献身的な介護にまずは驚き、医療用語にオヤッと思いながらも、窒息蘇生の場面では見事な処置でさらに驚きました。救急医療に従事する者として、机上の言葉遊びに振り回されないように努めたい。

    0
    2026年07月15日

    Posted by ブクログ

    数十年前の小説なのに全く古びていないことに驚く。

    赤子から成長し、出来ることが増え、成熟し、年を取ることで出来ないことが増えていき、赤子に戻っていくような。

    時にユーモアを交えながら軽妙な筆致で目をそらしたい老化、死への道筋を丁寧に描き出す。

    0
    2026年05月31日

    Posted by ブクログ

    書かれてから40年以上経っているはずなのに、色褪せない。

    老人の介護問題がリアルに描かれている。
    自分が親の介護をする側にまわることも考えるが、自分自身が老いてどんな老後を送るのかも考え、怖くなってくる。

    茂造のケースで良い方なのか...。
    自分の祖母がボケてきたのを実感しており、時々遠くまで出歩いて帰って来られなくなり警察の世話になっているので、とても他人事とは思えない。

    祖母の様子を見て、父の老後も似たようなものかもしれないと覚悟していたけど、自分の人生の延長としては考えたことなかったな...。でも当たり前に自分も老いる。

    老人を抱えたら、誰かが犠牲にならなきゃいけないなんて、そんな...。

    老いるって残酷だ。老いに抗いたい。

    0
    2026年05月29日

    Posted by ブクログ

    今のように認知症が世に広まっておらず、老人性痴呆と言われていた時代。徘徊や失禁、弄便など人格を失った義父の行動やその義父の介護に奮闘する女性の様子が詳らかに描かれていて、この時代において革新的だと思う。

    0
    2026年04月19日

    Posted by ブクログ

    耄確している父親は、信利がこれから生きて行く人生の行きつく彼方に立っている自分自身の映像なのだという考えが、払っても払っても頭の中から消えない。老いるということの極は、これか、と思う。それは死よりも昏く、深い絶望に似ている。

    「昭子さん、小便が出ますよォ、小便をしたいですよオ」いつものように起されて、庭で用を足させながら、こうなるのは嫌やだなあとつくづく思った。現在こうして面倒を見ていることよりも、三十年、四十年先に自分がこうなるのは嫌やだという思いの方が遥かに強い。

    もともと老人は、希望とも建設とも無縁な存在なのかもしれない。が、しかし、長い人生を営々と歩んで来て、その果てに老耄が待ち受けているとしたら、では人間はまったく何のために生きたことになるのだろう。あるいは彼は、もう終った人間なのかもしれない。働き、子孫を作り、そして総ての器官が疲れ果てて破損したとき、そこに老人病が待っている。癌も神経痛も痛風も高血圧も運よくくぐりぬけて長生きした茂造のような老人には、精神病が待ちかまえていたのか。

    本当よ、光子さん。私は世界中の人間が、これからどうするのかって思ってるの。

    認知症の問題を、かなり多面的に表現。老人がどうなるか、世話はどうなるか、そして自分がいつかそうなるという危機感、そこに考えの至らぬ若さ。自分は親の老いを憂うが、40手前でも自分の老いにはまだ気が回っていない。自分の体力や健康に自信があるからか。でも親の介護が大変という感覚以上に、自分の老いを憂う感覚は新しい。
    悲惨で陰鬱な認知症対応の前半から一転して、明るく「お戻りになる」構成がおもしろい。昭子の変わり身も含めて、あらゆる登場人物の立ち位置や考え方がおもしろい。決してエンターテイメント小説ではないが、おもしろく読めた。

    0
    2026年04月09日

    Posted by ブクログ


    ⭐️恍惚の人
     壮絶な物語である。昭和47年ごろという時代背景はあるが、昭和も令和も介護問題は変わらない。葬式の場面でも葬祭会館などはなく、全て家族が執り行うとは大変だったのだな。いつの世も、肝心なときに旦那は役に立たないのだ。昭子さんが凄すぎる。だが、負担が大き過ぎる。当時から特別養護老人ホームはあったのだな。重苦しいテーマだがユーモアのある筆致で一気に読ませる。老人福祉行政に大きな影響を与えた珠玉の作品だ。

    0
    2026年02月15日

    Posted by ブクログ

    認知症がまだまだ社会の問題になってたかった時代に書かれてることに驚く。巻き込まれる家族のリアルがあった。嫁としての昭子の葛藤と覚悟。旦那の不甲斐なさを痛感しつつ、自分しかこなせない介護の日々。当時よりも今は福祉がすすんだと思うが、最後のとりでとして家族としてどう向き合うか。老いをどう迎えるか考えさせられる。

    0
    2026年02月11日

    Posted by ブクログ

    【まるで近未来SF】

    なぜだか急に読みたくなって手に取った1冊。
    この本が出版された当時、私はまだ小学生だったけど、親、主に母親が近所のおばちゃん達と話題にしていたことを覚えている。
    それでもまだ母親世代の口調からは、「恐ろしい話だけれども他人事」のような気楽さが感じ取れたし、どこか怪談話を語っているような雰囲気でもあった。

    でも今読んでみると、50年前に書かれたものとは思えないほどリアルな内容で、登場人物の年代に戦中体験者という描写がなければ、最近の話だと思ってしまったかもしれない。
    そして(多少の改変はあるものの)現代とほぼ変わらない仕組みの各種老人施設がすでにこの時代にあったことにも驚いた。

    認知症老人の処し方に悩む家族の負担や苦悩、超高齢社会への憂いを織り交ぜて書かれた社会派小説は今や正しく現実となっている。

    共働き核家族世帯が圧倒的に多い中で、年老いて自立を失った親の処し方に悩み奔走するのも、行くべき場所が見つからなければ在宅介護を勧められるのも、50年前と何ら変わりがない。

    若い頃に散々主人公を虐めた舅が認知症となり、実父を遠巻きに見ているだけの役たたずの夫を尻目に、葛藤を抱えながら介護に携わる昭子の善性に頭を垂れる思い。

    私が同じ立場に置かれたら、いや、現実的にそれは自分の身にも遠からず起こりうることだけれども、あの境地にたどり着けるかどうかの自信は無い。

    0
    2026年01月13日

    Posted by ブクログ

    50年前に出版された本だが、認知症の行動、老人介護の家族の苦労は、昔も今も同じだと感じた。
    舅の茂造を介護する嫁の昭子の気持ちは痛いほどよく分かる、その反面夫の信利はずるいと思った。親の介護は嫁がするものといった封建的な風習だからだ。
    現在デイサービスなどがあるが、この本のなかでは健老会館での老人クラブが前身だったのか。
    茂造は最後、言葉を発さなくなった代わりにニコッと笑うのに可愛さを感じた。

    0
    2025年12月19日

恍惚の人 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    恍惚の人
  • タイトルID
    :
    249287
  • 電子版発売日
    :
    2014年03月07日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
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