刺青・秘密

刺青・秘密

572円 (税込)

2pt

肌をさされてもだえる人の姿にいいしれぬ愉悦を感じる刺青師清吉が年来の宿願であった光輝ある美女の背に蜘蛛を彫りおえた時、今度は……。性的倒錯の世界を描き、美しいものに征服される喜び、美即ち強きものである作者独自の美の世界が顕わされた処女作「刺青」。作者唯一の告白書にして懺悔録である自伝小説「異端者の悲しみ」ほかに「少年」「秘密」など、初期の短編全7編を収める。

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刺青・秘密 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    言葉だけでこんなにも色気を操れるものか、谷崎潤一郎のエロティシズムへの才能と狂気に魅せられた。

    短い物語だけど、大作を読んだ時と同じ余韻を感じられる。
    女を描くのに長けていて、その描写から羨望せざるを得ない。
    彼にとっての愛はただ彼の中にあるこの世には存在しないもので、その空虚をこの世にある一番美

    0
    2024年07月23日

    Posted by ブクログ

    これが耽美派かと納得した。どの作品も女性の美しさに焦点を当てていて、フェティシズムを刺激する美しい描写がたくさんあった。Masochistの注釈に「谷崎潤一郎にも、この様な傾向があった」と書いてあってそんなこと言ってあげるなよと思ったが、精神的屈辱や身体的苦痛に美しさを見出す谷崎だからこそ他の小説家

    0
    2024年05月03日

    Posted by ブクログ

    刺青と秘密しか読んでない。が、美しい。眼窩に映るただひたすらに美しい刹那。色の魔術師って呼んでもいい?嫌いなのに好きな谷崎

    0
    2023年07月15日

    Posted by ブクログ

    少女漫画読んでいたのですが飽き足らず、谷崎潤一郎に戻ってきました(?)
    ゾクゾクして大満足です。独特な世界観最高〜
    でもちょっと痛い

    0
    2023年05月23日

    Posted by ブクログ

    何とも言えない妖艶な物語、風情ある文章が素敵。

    物語が進むにつれ、心情の変化が言葉巧みに書かれているので、自分の思いを上手く文章にできない私としては、さすが上手いな、見事だと敬服。

    作家はこうでなきゃ!

    全部良かったが、敢えていうなら『秘密』『刺青』だな。

    0
    2023年03月22日

    Posted by ブクログ

    圧倒的文才は変態すら芸術に変える

    内容はかなり変態的だが、不朽の名作して残っているのは、美しい文章のおかげだと思った。

    美しい文章を書くにはやはり知性や自分の感覚を磨く必要がある。

    勉強の大切さを痛感した。


    0
    2023年02月14日

    Posted by ブクログ

    あとがきを読んで知ったんだけれど「刺青」は処女作ということで、才能が「開花」してますね。
    谷崎には「開花」という言葉が相応しいように思える。
    あまり谷崎文学に触れてこなかったけれど、彼の小説の見方がぐっと変わりました。
    最初に有名な「痴人の愛」を手に取ったのですが、沼に落とされた感と、またこれから谷

    0
    2022年05月10日

    Posted by ブクログ

    再読です。言わずもがな有名な「刺青」「少年」を収録し、なにゆえ谷崎文学が耽美派と呼ばれているのか、その作風が大体わかる一冊になっています。私の場合、谷崎はこの本からのめり込んでいったので、非常に思い入れのある話が多いです。「刺青」や「秘密」は大好きな話ですが、谷崎文学では異色の「異端者の悲しみ」や、

    0
    2022年03月12日

    Posted by ブクログ

    六つのストーリー別に簡単に述べた後、最後に全体の感想を書こうと思います。

    「少年」
    学校では目立たない信一は、ある金持ちの家の次子であり、家では姉や馬丁の子である仙吉をいじめて遊んでいた。「栄ちゃん」も、その仲間に加わって遊ぶようになるのだが、あるきっかけを機に姉と信一の立場が逆転する。マゾヒステ

    0
    2021年07月25日

    Posted by ブクログ

    先日鑑賞した作品に『刺青』が引用されており、「そう言えば谷崎潤一郎は読んだことがなかったな」と手にとってみた。
    知識としてどういう作風かは知っていたつもりだったけれども、想像以上に耽美な世界観だった。サディズムとマゾヒズムがふんだんに織り込まれている。情景としてはおぞましいはずの場面も、滑らかな筆致

    0
    2023年12月11日

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