少将滋幹の母

少将滋幹の母

506円 (税込)

2pt

八十歳になろうとする老大納言は、若い妻を甥の左大臣に奪われるが、妻への恋情が断ちきれず、死んでしまう。残された一人息子の胸にも幼くして別れた母の面影がいつも秘められていた――。平安期の古典に材をとり、母への永遠の慕情、老人の美女への執着を描き、さらに、肉体の妄執が理性を越えて、人間を愛欲の悩みに陥れるという谷崎文学の主要なテーマを深化させた作品。

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少将滋幹の母 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2024年01月05日

    ▼かなり以前に読んだんですがその時に感想を書き忘れたもの。だいぶ忘れていますが。

    ▼平安時代、初老の中級貴族?が、歳の差婚の若妻を、権力者の藤原ナントカさんに、奪われるんです。でこの若妻は当然評判の美人である。初老貴族は屈辱に震えます。悔しい。惨め。この若妻との間に子供がいて、これがのちの少将滋幹...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月30日

    少将滋幹は大納言藤原国経の息子。母は業平の孫。
    この2人50歳の歳の差がある。70代の国経が大事に大事にしていた美しく若き妻は20代。
    おいらくの恋にも程がある。本当に国経の子だろうか?
    この若くて美しい妻の噂を聞きつけ、国経の甥である藤原時平に奪われてしまう。
    その時国経の元に残された子供が滋幹で...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年08月10日

    平安期の古典のどこが出典でどういういきさつかという解説のような部分が時折入るけれど、そこはまあ「そうなのかー」くらいに思いながら読んでいた。この小説は何より、物語の部分がとても美しいと思う。文章が美しい。なまめかしくてやわらかくて胸が苦しくなった。
    そしてラストが良い。

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    Posted by ブクログ 2010年10月25日

    三島由紀夫は見上げて「大谷崎」と呼んだ。私にとっても神に等しい作家だからレビューを書くのも畏れ多い。かつて法然院の墓に参った時、思わず柏手を打った。すぐに仏と気づいて、恥ずかしかった。
    谷崎の作品には、建前の裏に隠れた生々しい情欲と、幼い頃に失った母の美しすぎる記憶への憧憬とが、良く出てくるものだ。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年11月01日

    これを授業で取り上げられたから読んだんだけど・・・
    もう、これで谷崎に落ちました。
    老人→美しい若い妻
    っていうのがたまらない。

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    Posted by ブクログ 2011年07月28日

    蘆刈・吉野葛の系譜の作品で大好きだった。中世の色好みな男と周辺の解説のような顔で始まって、北の方という一人の美しい女をめぐる男達それぞれに焦点が当たりずれていき、少将滋幹が登場するのは大分あと。御簾の影に暗闇色の霧のように立ちこめていた北の方を時平が劇的に引きずり出したあと再び彼女は姿が朧気になり物...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    なんだろうこれ、どうしよう。

    びっくりするくらいあちこち歪んでいて、でも描写があんまり綺麗なもんだからくらくらする。
    特に北の方が時平に引っ張り出されてきた時、滋幹にはっきり顔を見せた時、その情景がどうしようもなく儚くて美しい。

    美女のせいで男がどんどん狂ってしまって一人も幸せになれないし、渦中...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    主人公ではないけれど、平中が、好きな女性の「おまる」を奪ってしまうあたりの描写が、一番(作者が)楽しそう。元になった古典と照らしあわせると面白い。こういうセンスは、私は芥川よりよっぽど谷崎の方が好き。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    母への思慕、老人の美女への執着を描きます。平安を舞台にし、王朝文学を題材にしたこれぞ日本みたいな作品。

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    Posted by ブクログ 2017年02月13日

    匂い立つような美しさが文章から滲み出るよう。過剰な美は人を狂わせる。
    最後の再会の場面が眼に浮かぶようだ。

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