猫と庄造と二人のおんな

猫と庄造と二人のおんな

440円 (税込)

2pt

一匹の猫を中心に、猫を溺愛している愚昧な男、猫に嫉妬し、追い出そうとする女、男への未練から猫を引取って男の心をつなぎとめようとする女の、三者三様の痴態を描く。人間の心に宿る“隷属”への希求を反時代的なヴィジョンとして語り続けた著者が、この作品では、その“隷属”が拒否され、人間が猫のために破滅してゆく姿をのびのびと捉え、ほとんど諷刺画に仕立て上げている。

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猫と庄造と二人のおんな のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年04月27日

    飼い猫を溺愛している庄造、気性の激しい若妻福子、元夫に未練たっぷりの先妻品子の三人が織りなす大谷崎中期の中編小説。物語の鍵となるのは雌猫のリリー。ペルシャ猫の血が入った彼女の愛らしさと主人公の溺愛っぷりが本書の読みどころの一つである。二人の女のそれぞれの思惑でリリーは品子に譲渡されることに。気風の良...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月31日

    akikobbさん、111108さんにおすすめしていただいて。

    面白かった!
    字が小さい文庫しかないんだよなあと敬遠していた作品だったけれど、文字サイズなんて読み始めてすぐ気にならなくなった。

    とにかく猫のリリーが気まぐれさも含めて可愛く、いじらしく、翻弄されてしまうのも無理ないと思うほど。
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    Posted by ブクログ 2019年09月24日

    猫が一番!女房はそれ以下!!何という男よ。谷崎の短い長編だが、田辺聖子さんか?と思うくらい軽快でユーモア垣間見えるナイスな一冊。小心者でろくでなし男、庄造。策略家で我の強い元妻・品子。小金持ちの娘でふしだらな現妻・福子。こんな三角関係の絶対的トップに君臨するのはリリーちゃん。美しきメス猫。庄造は恋人...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年11月28日

    私も猫溺愛しているので、庄造のリリーにベタ惚れなのがよく分かります。
    リリーは雌猫の典型で、うちで飼っていた初代猫を思い出しました。
    凛として、賢くて、人懐っこいようでそうでないような。
    女より雌猫という描写がちょっぴり変態エロチックな感じがとても良かったです。
    リリーちゃんが少し切なかった...。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年07月08日

    猫と庄造と二人の女のそれぞれの心情が複雑にそれぞれでおもしろい。谷崎は猫と暮らしていたのか。犬と暮らしたことしかない者には猫の挙動もましてや心情もよくわからないが、さもありなんと思われる。

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    Posted by ブクログ 2017年05月29日

    谷崎ってこんなに面白かったのか。
    猫と人の四角関係。
    庄造も女たちもそれぞれが利己的で打算的なので「こいつらどうしようもねぇな」という感じがするが、リリーだけは猫なので責めようがない
    義父が自分は猫と会話ができると言っていたことが思い出された。

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    Posted by ブクログ 2024年02月25日

    某所で紹介されてて興味を持ったので読みました。
    出てくる人が皆、猫に翻弄されてて「猫飼いってこうなるよね〜」って思いながらの読書になりました。
    庄造さんの可愛がりっぷりは読んでてちょっと引いたけど、猫ってかわいいから溺愛するのもわかる!

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    Posted by ブクログ 2023年05月05日

    谷崎の作品を読んだのはこれが初めてだと思うが、筆力にうならされた。ある読書会が課題本として挙げていたので読んでみたのだが、粗筋をみてそのストーリーの小ささに、果たして読み通せるだろうかと危惧していた。しかし、それぞれの登場人物にとっての道理、そして人情のゆれが描かれ、飽きさせない。現代人の生活に、同...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年07月29日

    河合隼雄のねこだましいから入りました。
    河合隼雄の考察が先行していたんですが、予想以上によかったです。

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    Posted by ブクログ 2021年04月30日

    ぱってページを見たときは、うわ…読めるかな…って気持ちになるのだけれど、この上なく読みやすい。
    セレクトされてることば言葉が、これしかない気がする。
    正直、登場する人物たちの心情とかは、ひとつも(わたしの経験と共感てきに)分からなかったのだけれど、それでもすいすいと言葉が入ってきた。
    登場人物たちの...続きを読む

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