高熱隧道

高熱隧道

572円 (税込)

2pt

黒部第三発電所――昭和11年8月着工、昭和15年11月完工。人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。犠牲者は300余名を数えた。トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する異様な時空を、綿密な取材と調査で再現して、極限状況における人間の姿を描破した記録文学。

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高熱隧道 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年10月14日

    とても面白かった。今まで知らなかった土木作業、トンネル工事の描写は興味深かった。最高165℃にもなる隧道工事に苦戦する技師、人夫たち。特に現場で働く人夫たちはダイナマイトの不発弾による事故や泡雪崩による事故で300人以上もなくなっており、作中でも描かれていたが技師と人夫の立場が資本主義って感じがした...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月01日

    黒部第三発電所建設のための軌道トンネル掘削を描いた本作品。
    黒四ダム建設のような荒々しい男の戦いをイメージして読み始めたものの、ただただ過酷な自然との戦いが休むことなく続き、事故が起きる度に打開策に注力し、やがて克服する人々の様子を描いているのだけれども、少しも自然に勝ったという気持ちを抱かせてくれ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月02日

    骨太な構成、緻密な心理描写と繋がり、なのに読みやすく、飽きのこない内容、あまりにも小説として完成している‥。読んでいて夢中になってしまい一文一文読み飛ばしせず丁寧に読んだにも関わらず、仕事のある日の夜2日間で読破。

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    Posted by ブクログ 2023年04月29日

    黒部のダム工事と聞くと黒四ダムしか思い浮かばなかったけれど、これは仙人谷ダム建設にまつわる話だった。 黒部峡谷での工事が難しいのは、道とも呼べない断崖絶壁の狭隘な場所での資材の運搬だと思っていたけれど、それに加えて166度にも達する高温との闘いがあったとは・・・。 そんな環境下でのご苦労は想像だに出...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月05日


    黒部第三発電所に付随する隧道を掘り進めた男達の話。
    『高熱隧道』とあるが、それと平行して描かれるのは、雪山・雪崩といった圧倒的な“冷たい”脅威で、熱と冷気のコントラストが人の生命を拒絶する自然の圧倒的脅威として写り、絶望感が凄い。
    特にヒリつく様な緊迫感で描かれる、国のインフラを支えている“人夫”...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年10月12日

    現代では考えられない程の壮絶な現場だと思います。トンネル技術者としての使命と人としての倫理観の狭間で悩む姿は、胸を抉られます。

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    Posted by ブクログ 2022年08月22日

    黒部峡谷に隧道を建設する男たちの物語。高熱を発する岩盤に挑み続ける。今であればこんなに犠牲者を出せば確実に工事中止に追い込まれるだろうと思うほど自然の力は偉大だ。

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    Posted by ブクログ 2022年08月18日

    我々が享受する日常は死屍累々の歴史の上に成り立っている。嫌というほど、それを思い知らされる壮絶な文章だ。
    不測の事態、大自然の脅威にさらされてなお計画を遂行し続ける様にはぞっとさせられるが、命こそかかっていないものの我々の日々の暮らしでもこういった無鉄砲は無縁なものではない。

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    Posted by ブクログ 2022年05月23日

    黒部第三発電所建設工事のうち、特に難工事であった阿曽原・仙人谷の隧道工事にスポットを当てた作品。黒部渓谷の大自然に対し、技師の藤原を中心とした人間たちがどう立ち向かっていけるかが見ものである。

    今工事ではなんと最高166度を記録している。それだけでなく日電歩道からの転落事故、ダイナマイトの自然発火...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月23日

    序盤に出てくる「おれたちは葬儀屋みてえなもんだ」「遺族のことは決して考えるな」とか、発火事故での「みんな諦めろ。仏ばかりだ」とかには、ドキッとしたが、これが通底するテーマ。
    後半の二度の「泡雪崩」を含む各ハプニングでの、人夫(作業員)らのとまどいをどう納めるか、どう工事を進めさせるかという技師たちの...続きを読む

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