エディプスの恋人(新潮文庫)

エディプスの恋人(新潮文庫)

小説・文芸
693円 (税込)

3pt

ある日、少年の頭上でボールが割れた。音もなく、粉ごなになって。――それが異常の始まりだった。強い“意志”の力に守られた少年の周囲に次々と不思議が起こる。その謎を解明しようとした美しきテレパス七瀬は、いつしか少年と愛しあっていた。初めての恋に我を忘れた七瀬は、やがて自分も、“意志”の力に導かれていることに気づく。全宇宙を支配する母なる“意志”とは何か? 『家族八景』『七瀬ふたたび』につづく美貌のテレパス・火田七瀬シリーズ三部作の完結編。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    エディプスの恋人(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    209217
  • 電子版発売日
    :
    2013年05月31日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

閲覧環境

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エディプスの恋人(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    第1作ブラックホームドラマの『家族八景』、第2作ハードSFの『七瀬ふたたび』に続くシリーズ完結編。といっても昔は「七瀬シリーズ」なんて括りはしてなかったけど。テレパスの主人公というのが同一なだけで、前2作はまったく毛色の異なる作品だし、本作もまたそれらとまったく異質な作品である。SFジュブナイル小説を思わす学園ミステリーな導入から、画家とその妻の謎を冬の田舎の山村に追うミステリーへと展開し、後半は、広大な宇宙の意識の中で繰り広げられる母と子のエディプスな恋愛を通し、私という意識、私の中の無意識というものの在り様を肌で感じさせてくれる。これをとてもわかりやすくエンタメ小説として感じさせてくれるところに感心した。自分は巨大な綾波レイ=碇ユイを思い出してしまったのだが、思えば庵野監督の『シン・ヱヴァンゲリヲン』も、師匠の宮崎駿監督の「恋人に自分を産んでもらう」という『君たちはどう生きるか』も、本作がどこかでモチーフになっているのかも知れないなぁなんて思った(ただしあくまでモチーフであり本作は「母への恋」自体には特段の関心を示していない)。『エディプスの恋人』がこの小説のタイトルであると同時に、本作の中で宇宙意志が用意した舞台名でもあるというメタ構造という落としどころもさすがと思った。

    0
    2025年10月12日

    Posted by ブクログ

    個人的に、エディプスの恋人の登場人物のイメージ像が伊藤潤二作品の画風にぴったり合う。(七瀬→富江さん、香川智広→四つ辻の美少年)
    香川くんの名前(普通)がかけがえのないすばらしいもののように思える七瀬が普通の女の子みたいで可愛いすぎる。
    筒井康隆の意外なまで(宇宙はさほど話の舞台にならないから)真摯な宇宙への畏怖がある。
    エディプス(男の子が母親を慕い父親に反感を覚える傾向であるエディプスコンプレックスから来ている)(=智広)
    エディプスの恋人(=火田七瀬)

    0
    2025年01月19日

    Posted by ブクログ

    無意識のエディプス的傾向を母親=「彼女」側からのアプローチで智広に対して実現させてるのか、結局のところその無意識は智広側から膨れ上がってきていてその結果が「彼女」をこういうかたちの存在にさせているのか、、、とかを考えたりした。
    包み込むっていう意味での母性をSFっぽく体現している感じがしておもしろかったし、終盤に七瀬がどんどん現実の構造に際限の無い疑いを持つ不安定さを見せたことでおもしろに拍車がかかった気がする。

    0
    2022年12月21日

    Posted by ブクログ

    七瀬さんに幸せになってもらおうと、作者である筒井さんは、本書に登場する「意志」の如く振る舞ったのだと感じました。
    人間の心理描写に秀でた作品とのコメントがあったのがきっかけで『家族八景』を読み始めた物語でした。七瀬さんの話は、いつもまでも続いてほしいという思いもありますが、ここで終了のようです。まだ続きも描けそうですが、筒井さんはどうお考えなのでしょう?
    しばらく、筒井康隆さん作品を読み漁るというマイブームは続きそうです。

    0
    2022年11月09日

    Posted by ブクログ

    ある日、少年の頭上でボールが割れた。音もなく、粉ごなになってーそれが異常のはじまりだった。強い”意志”の力に守られた少年の周囲に次つぎと不思議が起こる。その謎を解明しようとした美しきテレパス七瀬は、いつしか少年と愛しあっていた。初めての恋に我を忘れた七瀬は、やがて自分も、あの”意志”の力に導かれていることに気づく。全宇宙を支配する母なる”意志”とは何か?
    ー文庫うらすじより


    もの凄い本を読んだのかもしれないと思いました。
    『七瀬三部作』第三作。
    私と同じ昔の田舎の高校生だった親友のAちゃんが「読書は苦手だけど七瀬のシリーズだけは好きなの」と言っていた七瀬三部作。
    前にも書きましたが、こんな前衛的な本をあのAちゃんが高校生の時に読んでいたなんて、信じられません!!
    来月Aちゃんの誕生日なので久しぶりにLINEしてみます。
    SFは、ほとんど読んでこなかったジャンルなのですが、このくらいは普通なのでしょうか。

    人の心が読めるテレパスの七瀬。第一作の『家族八景』では人の心は著者の筒井康隆さんがこれでもかと書かれる程、腹黒いものなのかと思いましたが、今回は大いにあり得ることかもしれないと思い直しました。
    さすがに『家族八景』のような家族はあまりないのではと思いますが。
    これは、孟母のお話です。
    設定が斬新で(昭和56年初版になっていますが)とても面白かったです。

    0
    2022年03月13日

    sam

    購入済み

    筒井さんは予定通り?

    「家族百景」から始まった「テレパス 七瀬シリーズ」の3作目で(恐らく)最終章。1章の時に筒井さんはこの結末をすでに組み立てていたのかが気になります。だとしたら、やっぱり恐るべし筒井康隆。単なる超能力ものではない、「精神小説」とも呼ぶべき新分野だと思いました。

    ただ、近年の筒井さんは精神分析の記述とストーリーテラーとしての巧みさのバランスがやや崩れて、難解な記述が多く、正直ついていけない作品もチラホラ。本作品はギリOKと言う感じです。

    しかしシリーズ全体として見ると、少女に近かった七瀬が「大人の女」になり、同時にそのテレパスとしての精神世界も成長して行く過程での「気付き」を描いた本作は、そのラストの意外性と妥当性も含めると「七瀬シリーズファン」には納得のいく終わり方かなと思いました。

    …と、ここまで書いて思ったのですが1章が,起承転結の起、2章が承、本章が転と仮定すると(一見「結」に見えますが)、もう1作ラストが出るのかも。かなり可能性は低いですが、鬼才、筒井さんならば可能性は0ではないかも。あるいはアニメで出すとか。本作品みたいな筒井さんの「精神小説」は「パプリカ」みたいなアニメの方が伝わりやすい気がしました。

    …それも筒井さんは最初から織り込み済みだったりしてね。

    1
    2014年05月20日

    Posted by ブクログ

    1977年の本だった。バーコードもなくて、郵便番号が三桁だった。
    若い頃に読んだかもしれないと思ったが、あまり印象になかった。多分意味がわからなかったのだとも思った。今回?は意味はわかったが、おそらくここから派生した創作が無数に産まれているため、若干普通に感じた。この概念を発明したと考えるととんでもない人なのだと思った。

    0
    2026年03月23日

    Posted by ブクログ

    ぶっ飛んでる。なんだこれは。神話でいいのか?
    無神論者なので神なんて感じたこともないのだが、本作では神の実在を体感することができる。
    クライマックスに向けて怒涛の展開に絶句して、笑った。面白かった。

    0
    2026年01月30日

    Posted by ブクログ

    何という壮大なラストなんだ。
    読み終えたけど凄すぎて言葉が出ない。
    第一作『家族八景』の家政婦から始まって、
    第二作『七瀬ふたたび』で超能力での戦い、
    そして本作、全てを超えて宇宙?、神?、精神世界とスケールが大き過ぎて頭が追い付かない。
    テレパスを持った家政婦からこんなラストを誰が想像できるだろうか。

     本書を読んでいてずっと気になっていたことがある。
    まずタイトルのエディプスとは何だろう?
    そして二作目の超能力暗殺集団と、ラストで七瀬はどうなったんだ?

    エディプスとは調べればすぐ分かった。
    ギリシャ神話の『オィディープス王』の物語に因んで名付けられたようだ。(オィディープスが父を殺し実母と結婚してしまう物語)
    そして暗殺集団と二作目のラスト、タイトルの意味、全てが本書のラストで明かされる。が
    一体どこからどこまでがあの意思の力だったのか?
    全て思惑の内だったのか?
    そもそも超能力者は何のために生まれたのか?
    いや生きている全ての人間があの意思の力によるものなのか?
    もう話が大き過ぎて頭がパンクしそう。
    そして『オィディープス物語』と重ねるととても奥深さを感じる。

    既知の範囲を超えた世界の描写は読み手の想像力をどこまでも膨らませ、大きなロマンを感じさせてくれる。
    私もあの意思の力によって生かされているのかも?
    何て思わされる、凄い一冊でした。

    0
    2025年09月17日

    Posted by ブクログ

    七瀬三部作を読み切った。
    1作目はおどろおどろしく、2作目はエンタメ小説、3作目の本作は作者が自分自身のために書いたような難解な小説だった。
    難解ではあるけれど、考察がとてと面白い。
    まだ読み終わった直後であり、自分の考察がまとまっていないので、ゆっくりまとめていこう。
    七瀬三部作は父のおすすめで読んだので、父と意見交換をすることが楽しみ。
    七瀬三部作、特にエディプスの恋人は同じ小説を読んだもの同士で意見交換するまでが楽しみ方のセットと感じた。
    週末、父の意見交換をすることが本当に楽しみだ。

    0
    2025年05月14日

エディプスの恋人(新潮文庫) の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    エディプスの恋人(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    209217
  • 電子版発売日
    :
    2013年05月31日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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