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Posted by ブクログ 2023年06月02日
面白かった。面白いというと不謹慎だが、淡々とした文章に引き込まれて一気に読んだ。吉村昭氏の本はノンフィクションの記録文学を5冊ほど読んだが、純粋な小説は初めて。
物語は、どこかの島の南端にある小さな漁村が舞台である。そこに住む少年の視点で書かれているが、食料もままならないほど貧しい生活である。村の人...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月17日
おそらく江戸時代。海辺の寒村を舞台に、住民たちの生態を描いている。貧しく情弱な人々の共同体の暮らしぶりや価値感が生々しい。
たとえば、住民たちは難破船の漂着を「僥倖」として受け止めている。難破船は乗組員たちのとっての不幸なのだが、村の住民たちにとっては天の恵みなのだ。天が与えてくれたものなのだからあ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月04日
こんな過酷な人生を送る人々はいた事に自分の無知を思い知らされた。自分は何と贅沢な日々を暮らしていることか.....
どうしてこのような土地に暮らすようになったのか?嘗ての平家の落人の部落のように何かに追われたのか、それとも疫病が流行って逃れたのか....
人間が生きていくには食べることが一番大事でそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月11日
江戸時代の貧しい村における民俗についての詳細な記述が大変おもしろく、また一方で、彼らのある風習によって村に災厄がもたらされる展開はホラーやサスペンス小説を読んでいるかのようだった。
物語は主人公の父親が身売りに出てから始まる。
主人公が9歳という幼さながら一人で試行錯誤しながら漁をこなし、一家が食...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年10月05日
百年ほど遡った日本ではどこでも当たり前に存在したであろう閉鎖的な村社会の、閉鎖的にならざるをえなかった厳しい生活環境と自然、最適解として形成されていき逆らう選択肢などなかったコロニーの姿が恐ろしいほどに現実的に描かれている。吉村昭さんの作品に初めて触れたが一文一文が短くて淡々と語られていくのが更に冷...続きを読む
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