おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語

おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語

550円 (税込)

2pt

父親の跡を継ぎ、日本橋小網町の料理茶屋で料理人を勤めるおせん。上方で修業をし、新しくおせんの親方になった板前の銀助と、上方の料理を店に出すことを嫌うおせんとはたびたび意見が食い違う。そんないらいらした気分の日々が続くとき、おせんは、店にほど近い稲荷堀の水を眺めて心をしずめていたが、ある日湯屋で銀助と娘のおゆみと鉢合わせしたことから心に小さな変化が――。仕事一筋に生きてきた女に訪れた転機と心模様を描く、表題作の「おはぐろとんぼ」、伯母に女手ひとつで育てられ、薬研堀近くの薬種屋に奉公する豊吉に降ってわいた縁談話とその顛末が哀しくもせつない「ため息はつかない」、前世に「夢堀」という名の堀のそばに住んでいたと語る弟と姉の触れ合いが涙を誘う「お厩河岸の向こう」、そのほか油堀、源兵衛堀、八丁堀などを舞台に、江戸下町で堀の水面に映し出される、悲喜交々の人情のかたち六編。江戸市井小説の名手が描く感動の傑作短編集です!

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おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2011年08月27日

    江戸下町が舞台の、義理と人情味あふれる物語6つ。死んでも死んでもお姉さんの家族となって見守る弟の深い情にほろり、お金にだらしのないどうしようもない兄にやきもきする家族と、切ろうとも切れない弟のはがゆい優しさにほろり。鶴瓶主演の映画『おとうと』を思い出しました。

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    Posted by ブクログ 2011年07月08日

    言わなくていいことを言ってしまったり、言わなきゃいけないことを言えなかったり。
    訊きたいことが訊けなかったり、聞きたくもないことを聞いてしまったり。
    そんなことをくりかえしながら、みんな日々を一所懸命生きているんだな。

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    Posted by ブクログ 2011年04月12日

    江戸下町に生きる様々な人々が、それぞれに抱える事情を隠しながら、一生懸命生きる6つの短編集です。
    それぞれが、自分の幸せより、身近な親や子、そして兄弟たちを想う姿に、なんとも言えない優しさと切なさを感じます。

    表題作の、「おはぐろとんぼ」は、板前だった父親の姿を見て育った娘・おせんが、同じ料理人と...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年11月06日

    主人公と彼ら彼女たちを取り巻く人達、身の丈に合った生活を精一杯してますが、ふと、彼らにとって立身出世という概念があったのかどうか、知りたくなります。
    いずれの著作を読んでも、ほのぼのとした読後感を持ちます。

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    Posted by ブクログ 2013年11月30日

    最近お気に入りの宇江佐真理さん♪
    江戸下町の堀を舞台にした短編集。
    水のある風景って、好きです。

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    Posted by ブクログ 2012年11月02日

    江戸時代のじんわり人情物語短編集。

    『ため息はつかない』
    子供の頃両親を亡くし、叔母に引き取られた豊吉だが、クセのある叔母を煙たく思っていた。
    ある日豊吉に縁談の話が来る。
    母と子の情が染みるが、豊吉の縁談相手がユーモラスで楽しい。


    『裾継』
    遊女屋の女将が主人公。
    妻に駆け落ちされた男の後妻...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年07月09日

     「掘」を絡めた6つのおはなしたち。どれも江戸の日常を懸命にいきる人たちのおはなしで、読んでいて気持ちが良かった。
     表題作の「おはぐろとんぼ」が一番スキ。

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    Posted by ブクログ 2011年10月06日

    短編集ですが、どれもこれもハズレがなかった。
    しみじみとよかった。
    不幸なお話ではないけど、ほろほろ泣けました。

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    Posted by ブクログ 2011年09月26日

    かつて江戸の街のあっちこっちにあった「堀」にまつわる人情噺の短編集。宇江佐センセはホントは江戸のヒトに違いない!と思うほどの、相変わらずの風景描写の濃さ。こういうモノを書かせたら、まず間違いないですね。キーワードは、血はつながってないけどそれ以上のつながりを感じさせる家族。かな?

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    Posted by ブクログ 2018年07月25日

    江戸の町の堀を舞台に、町人から武士まで、悲喜こもごもの人情を鮮やかに映し出す時代小説集。
    江戸時代、生活に密着していた堀。物質を運搬するだけでなく、人の心を時にはなだめ、時には悲しみを流していた。出会いがあれば別れもあり、時が過ぎ行くように、情も良くも悪くも静かに流れる。

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