作品一覧 2023/03/02更新 海猫ツリーハウス 試し読み フォロー 幼な子の聖戦 試し読み フォロー 聖地Cs 試し読み フォロー 野良ビトたちの燃え上がる肖像 試し読み フォロー 1~4件目 / 4件<<<1・・・・・・・・・>>> 木村友祐の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 海猫ツリーハウス 木村友祐 2昔前に出た小説を今更読む。 ずっと視界に入るところにあって、引っ越してもそれは変わらなくて、もうこれは読むしかないだろと。 青森の海の近くの実家暮らしの25歳の亮介。頻繁に見る、ヘリコプターに吊るされぶらんぶらんと揺れている自分の姿の妄想に悩まされている。高校のあと弘前の服飾専門学校に入ったが卒...続きを読む業を待たずに中退して以来、ずっと中途半端な状態。いつかは洋服づくりで身を立てたいと思うものの具体的な行動を起こさぬままに祖父母の農業と地元の先輩のツリーハウスづくりや雑用に紛れる日々。そんなとき、兄の慎平が帰ってきて。 兄弟の関係、地元のみんなとの関係、家族との関係などなど、丁寧に描いているのに重たくない。全編、会話は殆ど青森弁(八戸辺りだから南部弁?)でそれが唯一読み難い要素ではあるが、作品の味になっている。 驚いたのが、創作物の描写の巧みさ、再現性。ツリーハウスもそうなのだけれど、香子のミニチュアール、亮介が香子のために作るワンピースなどなどが、文章から目の前に立ち上がってくる。それらは魅力的で、実物を見てみたいと思わせる。この作家自身、文章以外にも何か作ったりしている人なのだろうか。こんな作品、もっと読んでみたい。亮介、頑張れ。 ちょっと検索してみると今も作品を少ないながらも出し続けており、この後出た作品では芥川賞候補にもなったことを今更ながらに知った。他の作品もちびちびと読んでみよう。 Posted by ブクログ 幼な子の聖戦 木村友祐 心に残る話だった。 表題作は主人公が性格的に救えなくて共感できず中々話に入り込めなかったが、社会への怒りの部分は全く共感でき、男性優位社会において弱者である主人公が暴発するところは不思議とスカッとした。現状維持や保身しか考えない「オヤジ」は、日本の諸悪の根源と言ってもいい気がする。 もう一つの収録作...続きを読む品、ガラス拭きの話も面白かった。こちらも社会への課題認識は表題作と同じで、さらに職人から仕事をする尊厳も奪い取ってる点も深刻に描かれていてリアリティがあった。クマさんが居酒屋で語る、人は生まれ死に今目の前の人と一緒にいることは流れの中では奇跡的に居合わせてるだけということを意識すれば人への見方が変わる、というのが至言だとも思った。 Posted by ブクログ 海猫ツリーハウス 木村友祐 地方舞台の青春小説の傑作 八戸を舞台に、南部弁丸出しで、青春まっただ中の若者の苦悩を描いています。 そうそう、こんな鬱屈を抱えながら、田舎でくすぶっている若者っているよなあ、自分もそうだったなあ、と共感することしきり。 家族の中でも居心地悪いし、兄弟で比べられるし、田舎の人間関係もけっこう複雑で、悩みは深まるばかり。 ...続きを読む ここではないどこかへ行きたいんだけど、どこへ行ったらいいのかわからない。そんな悩みを一人で抱え込んでいる若い人にお勧めしたいと思います。 osamu.takigawa 野良ビトたちの燃え上がる肖像 木村友祐 読み進めていくうちに息苦しく怖くなってきた。今の日本も着実にこのようになっていくんではないかと予感させるフィクションであるのにノンフィクションのような小説。昔から格差を作り上にいる人達は下のやつらを蔑み搾りとり優越感に浸る。そういう事は行われてきたけど、平等を謳う今のこの世もまたそこに戻っていくのだ...続きを読むろうか?不気味でならない。私もホームレスを見れば社会の落伍者って見てしまっている所があるけれどいつ自分がそうなるかもわからない。この本を読んでホームレスも柳さんみたいにルールを守りながら猫と共存していっている人達もいるんだってわかったし、何とかそういう人達の居場所を私達も作ってあげないといけないのに一方的に排除しようとするなんて酷すぎる。私はこの本の中のムスビのいく末が気になる。柳さんと再会して気ままなホームレス生活を新たな地で送れている事を深く願うばかりだ。読んで良かった Posted by ブクログ 野良ビトたちの燃え上がる肖像 木村友祐 途中で近未来小説と気が付く。ロヒンギャの書き方とかちょっとうーんというところもあるけれど。若い世代の人なんだろう。最後のイメージは私には説得力があり美しかった。 Posted by ブクログ 木村友祐のレビューをもっと見る