作品一覧 2023/07/26更新 環境革命の虚実 試し読み フォロー CASE革命 2030年の自動車産業 試し読み フォロー 自動車 新常態(ニューノーマル) CASE/MaaSの新たな覇者 試し読み フォロー 成長力を採点! 2020年の「勝ち組」自動車メーカー 試し読み フォロー トヨタ対VW 試し読み フォロー トヨタのEV戦争 試し読み フォロー 1~6件目 / 6件<<<1・・・・・・・・・>>> 中西孝樹の作品をすべて見る
ユーザーレビュー トヨタのEV戦争 中西孝樹 トヨタのEV戦争 【本書の3つの魅力】 ①著者出自; 自動車業界アナリスト20年超の実績があること。 ②出版時期; 2023年度出版であること。 ③EV; 技術、国内そして海外マーケットの動きがわかること。 海外勢の躍進がめざましいEVに、トヨタがどう挑もうとしているのか?技術含めて理解で...続きを読むきる著書となっています。 【読み終えて】 トヨタを含めた国内自動車メーカーがEVを推進する流れは益々強くなります。 したがって、メーカー傘下のサプライチェーンの各企業がそのリスクにどのように対応(隣接市場か?それとも新規市場か?)していくのか?は非常に重要なテーマ、課題です。 だからこそ、この領域に事業機会が潜んでいるともとらえることもできます。 ーーーーーーーー <本書の内容> 【EVの競争力とは?トヨタはどう動く?】 電気自動車(EV)の競争力は、ハードウェアよりもソフトウェアに大きく依存しています。ソフトウェア・ディファインドビークル(SDV)がその象徴です。 トヨタでは、次世代のEV専用プラットフォームが2026年からレクサスから導入される予定です。これは、当初の2029年から2027年へと前倒しになりました。さらに、佐藤新社長の下で1年前倒しの計画が進行中です。 ーーーーーーーー 【高すぎる参入障壁。日本メーカーが対峙する北米市場】 北米市場では、現地調達条件を満たしたEVが約100万円の税控除を受けることができます。 2023年4月からは、米国メーカーのみの22モデルに適用されています。日本メーカーはゼロ社です。また、2024年以降、現地調達比率の範囲が電池部品や電池鉱物まで拡大します。 これは、アメリカの中国のEV躍進の脅威に対する政策の一環です。したがって、日本メーカーにとって売上高比率の高い北米市場での厳しさが増していると理解できます。 ーーーーーーーー 【競合の次なる1手。日本市場へ・・・】 ここではテスラ以外を記述します。 ◆現代自動車グループ(ヒョンデ); 2022年の世界生産台数は5位から3位へ躍進しています。着眼したいことは、世界市場でブランド認知が著しく向上していることです。この背景が、2022年4月ワールド・カー・オブ・ザイヤーに『アイオニック5』が選ばれたことです。そして、さらに『アイオニック6』が2023年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。デザインがポルシェを彷彿させる洗練さをもっていると話題です。 ◆中国BYD。 2022年、テスラについで2位です。また、中国市場シェアは2019年2%から2023年11%まで上昇しています。 競争力はずばり価格です。 この成果は、需要の大きい大衆車市場に対して、ガソリンよりも安いEV車を順次投下していることです。 なぜ、安くできるのか?それは、サプライチェーンを川上から川下まで垂直統合しているからです。その結果、廉価にEV専用プラットフォーム、プラグインハイブリッド技術そして電池を生産することを可能としています。 BYDは、トヨタならびに日本メーカーにとってさらなる脅威となる可能性が高いです。なぜなら、2024年以降に日本国内で正規ディーラー200店舗の確立を急いでいるからです。 ーーーーーーーー 【トヨタのEV戦略とサプライチェーンへの影響は?】 テスラを含めた外国メーカーは、2024年から大衆車市場に対するEV投入を加速させます。 一方で、トヨタは、2028年までに4つの新型電池の実用化を目指しているという状況です。この実現により、コストを20%削減し、ワンチャージで1,000キロ走行可能なEV車が完成します。また、トヨタは、次世代EVプラットフォームを小型も大型も1種で完結させるという生産戦略を進行中です。 しかし、書籍では非常に厳しい戦いになると記述されています。 具体的には、「2027年に向けて米国と中国市場でシェアを失い、規制対応コストで収益性を大きく悪化させるリスクが高い」としています。さらに、「2026年以降にEVファクトリーの成果が出るまでは、EVでの逆転劇を演じることは困難に映る」とも記述しています。 トヨタがEVを加速させることは、トヨタのグループ企業ならびに関係するサプライチェーン企業にも影響は出ることは周知のとおりです。 2030年にEVシフトが15%、2035年が30%に上昇とした場合、モーター出荷額は2.4兆円から1.8兆円へ縮小します。部品出荷全体を見れば、18兆円から15兆円へと縮小すると予想されています。 Posted by ブクログ CASE革命 2030年の自動車産業 中西孝樹 今後の自動車業界の変遷について分かりやすくまとめられた本。 ・総移動距離における何%がPOV(個人で所有するクルマ)でMaaS(カーライドシェア)になるのかが、今後の自動車業界の変遷における重要なポイント ・未来では、クルマがITとつながると予想されるが、インカー領域と呼ばれる車両制御のデータを...続きを読むいかに死守できるか、GAFAをはじめとする IT企業に乗っ取られないかが自動車業界が生き残る道である Posted by ブクログ トヨタ対VW 中西孝樹 世界の自動車産業の両雄ともいう存在であるトヨタとVW(フォルクスワーゲン)を、過去から現状までの経営状況、業務・資本提携などの経営戦略、技術力、組織力から対比させ、両社の特長・課題を抽出・整理している。 自動車業界のアナリストならではの、かなり深堀り分析した内容であり、非常に読み応え抜群の内容であっ...続きを読むた。 簡単に述べると長期的な目線で人づくりをおこない、全社的な価値観の共有を重要視するトヨタと、ドイツ企業としては特異的だが欧米企業流のM&A戦略と、モジュール戦略という合理的な製造管理手法で、短期間での成長を重視するVWといったところだろうか。 その様に好対照な両企業でありながらも、創業者が経営トップとして舵取りしていたり、国内や社会的責任を重視した企業経営をしていたりと、共通点があるところが、また面白かったりしました。 今後の両雄の成長予測は、あとがきでしっかりと述べられています。 様々なデータに基づき、科学的に述べられており、感情論や強引な論理で著者の主張がされていることがないので、業界の理解を深めるにはもってこいの書籍だと思います。 いい勉強ができました。 Posted by ブクログ トヨタ対VW 中西孝樹 この本を読んで、両者が同じ自動車会社とは思えないほど違う会社だという事がよくわかる。トヨタはウエットな文化、VWはドライな文化。創業家の絶対性を株式でも如実に表しているVWと、創業家の重要性は認識しつつも、あくまで、株式で過半数などではなく、創業家の心で企業を動かすトヨタ。読み深めて未来の自動車産業...続きを読むの姿やどうやると生き残れそうなのかなど、想像してみたら楽しいかと思います。 Posted by ブクログ トヨタ対VW 中西孝樹 次の世代の覇権を握るのはどちらか?という疑問に安易に結論を出すのではなく、ひたすら数値に基づく客観的な視点で将来像をあぶり出すというスタイル。基本的な販売戦略としてはVWが先手を取っており、トヨタは中国における地政的なハンディも痛手。ただ、15年予定の次世代ハイブリッドが環境技術のデファクトとなり得...続きを読むるかがキーポイント。 Posted by ブクログ 中西孝樹のレビューをもっと見る