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京都に生まれ育った奥沢家の三姉妹。長女の綾香はのんびり屋だが、結婚に焦りを感じるお年頃。負けず嫌いの次女、羽依は、入社したばかりの会社で恋愛ざたといけず撃退に忙しい。そして大学院に通う三女の凜は、家族には内緒で新天地を夢見ていた。春の柔らかな空、祇園祭の宵、大文字焼きの経の声、紅葉の山々、夜の嵐山に降る雪。三姉妹の揺れる思いを、京の四季が包みこむ、愛おしい物語。(解説・佐久間文子)
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Posted by ブクログ
今まで読んだ綿矢りさ作品の中でいちばんのお気に入りになった。京都という土地の四季の描写と共に感情の移ろいが描かれているからか、綿矢作品の中では比較的穏やかな作品だなとも感じた。波のように荒ぶる感情の「お腹いっぱい!」感がないので個人的にはとても好みだし、もう一度繰り返して読みたいとも思った。 綿矢...続きを読むりさ作品に時折出てくる「毒」のあまりの生々しさに、私は読むたびに時に胃もたれを起こしそうになったり時に大笑いしたりしている。いずれにせよこの「毒」は良いも悪いも作品の中の特に印象に残るシーンとして記憶に残されている。今回この作品を読んで、なるほどこの毒は京都という土地が生み出したものなのだな、と思わされた。作中にもあるように、京都は日本を代表する華やかな観光地であるが、さまざまな死や人間ドラマが蠢いてきた一千年の歴史の舞台でもある。そんな歴史のある京都という土地で生まれ考えてきたことが、人間を面白おかしく、シニカルに、そして的確に描写する綿矢作品の魅力に繋がってるのだろうか、とも思わされた。 作中に、 「京都の伝統芸能『いけず』は先人のたゆまぬ努力、また若い後継者の日々の鍛錬が功を奏し、途絶えることなく現代に受け継がれている」という一文が出てきたのだが、私はこれを見て思わず笑ってしまった。人間模様をこんなに描写できる綿矢りさも「いけず」な人だと私は思う。ただ、それは作中に出てくるような人を傷つけるようなものではない。「いけず」のスキルポイントを文章表現力に振り切って出来上がったのが綿矢りさなんだろうな、などと考えた。 「約束の日が近づいてくると憂鬱さは増し、前原への怒りも増した。いつかあいつの葬式に部下として行ってやろう、と前原のうちへ行くために乗った電車のなかで羽依は決意した。位牌にオリーブオイルを塗ってテカテカにしてやる。焼香の葉を深蒸し緑茶の茶葉にすり替えて香ばしい匂いを漂わせてやる。棺桶の顔のとこのミニ観音扉には、生前の似顔絵をマジックで雑に描いてやる。棺のなかに花を手向けるときにはキッチンタイマーも一緒に入れて、ちょうど出棺のときに合わせて、ピッピピッて鳴るようにしてやる。」 この文章も非常に印象に残った一節だ。しつこく迫ってくる元彼前原に対して、苛立っている感情を「怒り」という一言で終わらせずに(しかもほぼ感情語がないのに)じわじわと湧き上がる怒りの感情がよく伝わってくる。上手い文章は「形容詞を使わずにどう表現を変えるか」で決まる、と聞いたことがあるが、まさにこれが的確な例だと思う。
大学時代を過ごした京都の地名があちこちに出てきて懐かしい気持ちになった。京都に漠然とした憧れを抱き続けている自分にぴったりの本だと思って読み始めたが、あの場所で育ってきた人とは"京都"に対する感じ方が違うんだろうな。 3姉妹の会話に癒されたし壁にぶつかってもがくそれぞれの気持ちに...続きを読む共感できた。 早くまた京都行きたい。
面白かった。三者の視点で描かれているため飽きずに最後まで楽しめた。 三姉妹がバラバラの性格だからこそ「この子の視点では、そういう考え方をするのか」と3人から人生を教えてもらった気分。
京都って旅行で数回しか行ったことないから 地名とか文化がちょこちょこ出てきて新鮮だった。 三姉妹も全く違う性格だから、それぞれの物語飽きずに楽しめた。
自分自身姉妹で育ったので、とても共感! そして結婚や仕事、将来の不安や、やりたい事…何もかも捨てて大好きな地元を飛び出してみたかったあの頃。20代〜30代前半に感じていた揺れ動く気持ちを思い出した。
京都には15の時に修学旅行でしか行ったことがないので守り・囲われている京都の本質をわたしは知らない。この土地柄はどこの家族とも似てるのかなぁ、とおもった。タイプの異なる三姉妹 ひとりひとりが皆新しい自分を見つけて成長していく過程を代わる代わる追えておもしろく一気に読んでしまった! 特にパワハラ上司...続きを読む(元彼)を撃退するのは清々した、失うものはあったけれど…
すごい好きだった。毒のある綿谷りささんの小説とはちょっと変わってすごく温かみのある小説だった。三姉妹のそれぞれの良さが滲み出ていたし家族の絆に泣いた。綾香と宮尾さんのデートのシーンキュンキュンした。お父さんとお母さんのいつでも味方でいてくれそうなそういう太陽みたいな温かさが好き。
両親の喜ぶ顔を見るために結婚にあせる長女、恋愛に積極的だが彼氏や周囲の女性とうまくいかない次女、心のなかで上京に強い思いを抱く三女。京都を舞台で、性格の異なる三姉妹がそれぞれの抱える悩みに向き合っていく。単なる名所紹介ではなく、京都特有の閉鎖的かつ独特な文化を知ることができた。
森見作品以外の京都が舞台の小説は久しぶり。やはり故郷が舞台だと鮮明に想像できて読書が捗る。綿矢作品は大昔に読んだ『インストール』以来。勝手なイメージからもっと尖った内容を想像していたが、意外に優しかった。両親の凛の上京反対には閉口したが、三姉妹はもちろんのこと、家族仲が非常に良いのが羨ましい。 ...続きを読む次女・羽依の啖呵が気持ち良くスッキリしたが、現実にこれをやると働きにくいどころではないだろう。そもそも「いけず」という言葉の語感は、中身の陰湿さに比べて軽すぎる。そして羽依の受けた仕打ちはいけずでなく社内イジメだ。
綿谷りささんは『蹴りたい背中』以来だわ。 京都で生まれ育った奥沢家の三姉妹。 長女綾子は31歳のおっとりさん。そのうち結婚して子どもも産みたいと思ってるけど、彼氏もいないし無理なんじゃ?って不安になるけど、焦ってると思われたくなくて行動出来ない。 次女羽衣は勝気でいけず撃退に忙しい。美人で...続きを読む男性にはよくモテるけど、女性には嫌われがち。いけずする先輩に反撃するけど、その後激しい自己嫌悪に陥る。 三女の凛は大学院生。まだ恋愛に興味がないのもあって、恋愛で右往左往する姉達を一歩引いたところから観察してる。
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