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女子高生と小学生が風俗チャットでひと儲け! 押入れのコンピューターから二人が覗いた<オトナの世界>とは!? 田中康夫、山田詠美ら話題の作家を生んできた文藝賞から、ついに最年少17歳・女子高生作家が誕生。全選考委員絶賛・新聞、TV等各マスコミ話題沸騰の文藝賞受賞作。
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Posted by ブクログ
これがデビュー作!そして当時高校生! っていうの無しで考えても文章がうまい。このテンポのよさと人生への向き合い方や考え方が好きである。
高校三年生の野田朝子。自称変わり者。受験生になって一ヶ月。いわゆる五月病ではないけれども、昼食後の教室でちょっと愚痴ってみた。 「私、毎日みんなと同じ、こんな生活続けてていいのかなあ。」 その愚痴を捕まえてクラスメイト曰く「疲れてるせいだよ。」「一回学校休んで休養とったら?」 そそのかされて休みを...続きを読む取った朝子のヴァカンス。 2001年第38回文藝賞を単独で受賞した作品。主人公の主観に徹したインナーハードボイルドです。主人公の描写が難しい一人称で描かれていますが、それにもかかわらず、彼女の漠然とした日常や将来への不安が身近に感じられ好感が持てました。 例えば、主人公が日常の不安を社会にぶつければ大昔の若者に共感が持たれるのでしょうし、犯罪に走れば今の大人には「現代の高校生」として理解がしやすい。でも、この小説で、主人公の彼女は、そのどちらへも走りません。とりあえず学校からエスケープした先は、自宅のあるマンション。ゴミ捨て場で知り合った小学生の自宅の押し入れ。小学生のネット友達=風俗嬢=雅さんになりすまして有料エロチャットでのバイト。 特殊性を取りざたされたり、カテゴライズされがちな「女子高生」と言う立場から、僕に向かって「実際の高校生は、今の大人も通り過ぎてきた道」であることを語りかけられているような錯覚に陥りました。 それは、チャットの入り口に表示された雅の写真を見て自分と似ていると感じたり、様々な客への対応を素早く学んでゆく彼女の感覚です。「女子高生」をカテゴライズしている僕は「きっと、女子高生も僕たちをオジサンとしてカテゴライズしているのだろう。」と偏見を持っていたのですが、この小説の主人公はさにあらず。一人一人の個性を見極めています。 客に限らず、コンビを組んだ少年や彼女の母親、みんなそれぞれに、事情を抱え、個性的ですけれども、普通の人を装って日常を過ごす、つまり、みんないわゆる普通の人として描いているところところもグッド。 冒頭で「自称変わり者」と自分を評価しているところから、周囲の人間に対し偏見を持たない彼女が、自分をいわゆる「女子高生」の典型で無いことを感じていることが伺われます。自分を同世代の典型と感じられず、疎外感を持っている彼女は、さりとて自分で言うほどエキセントリックでは無く、多少の変位をもった人がいわゆる「普通の人」なのだ。と指摘しているように思えました。 彼女もいずれ、学校に戻り、再び受験生として忙しい日々を送ることになります。主人公に対する親近感が呼び起こされ、応援したい読後感でした。
不登校の高校生・野田朝子は、自身の友人で担任の恋人である光一に頼み、母には事実を知られることなく日常生活を送れていた。部屋にある物を発作的に捨てた朝子は、亡き祖父から贈られたが電源が入らなくなったコンピューターを、通りかかった住人の小学生(12歳)・青木かずよしに譲り渡したことをきっかけに二人の関係...続きを読むは始まる。 ネット上では身分を偽り、いわゆる「ネカマ」であったかずよしが、1年に渡り連絡を取り合っていた子持ちの売春婦・雅の紹介により、二人は文字のみで相手をもてなす「風俗チャット」で働くこととなる。 . 厄介な客が一人の少年に手のひらで転がされた挙句、“落ちる”。 青臭くて、でも決して稚拙な文章というわけではなく 当時 現役高校生の綿矢さんにしか書けない、これぞ等身大のお話だった。 私の初綿矢作品が『勝手にふるえてろ』だったためか、綿矢りさ=恋愛小説のイメージが定着していたから このデビュー作には意外性を感じた。 自分が学生である“今”、読めて良かった…
綿矢りささん「インストール」(2001.11)再読です。最初に「インストール」を読んだ時は、面白味が理解できなかったんだと思います。パソコン(インターネット)は「ただメールを読むだけ」状態でしたからw。この作品は高校3年生、まだ酒が飲めない、車も乗れない、セックスも未経験な17歳の野田朝子が、天才?...続きを読む小学生青木かずよし12歳に、教わりながら一緒にコンピューターを使ったアルバイト、1hで1500円のチャット嬢という風俗の仕事をする物語です。綿矢りささん、17歳の作品です。テンポがいいです。
初めて綿矢さんの本を読む。 何か懐かしい青春の感じがヒシヒシと伝わってきます。 と感想を書くと自分も年をとったなと思います。 インストールというタイトルはこの本が出される少し前に放送されていたコレクター・ユイの世界を思い出しました。 また、雅といえばケイゾクを思い出してしまったのは名前のせいかな。
学校に疲れた 女子高生が登校拒否し、何もかもを捨て 昔祖父から貰ったコンピューターで 小学生の男の子と風俗チャットで一儲け 高校生である自分が感じていることがものすごくぴったりとあてはまったのでびっくりした。 印象的な文 それよりこれからどうしましょう… …私もゴミ化してる。それを見た私は死...続きを読むにたーい、と思った。… 何度もスカートがはためき、その度にいちいちパンツがみえる、けれどそれが?…
17歳のときに、漫画で読んだ。 当時はただ女子高生と小学生がチャットで金稼ぎをしている印象しかもたなかった。 大人になり、無性に読みたくなった。 なにか見える世界が変わるのではないか? 17歳という年は、ちょっと大人の世界に足を入れたくなるけど、少し怖い。 でも子ども扱いはされたくない、なんとも...続きを読む中途半端な齢である。 これから来るであろう大人の世界に足を入れるのは怖いけど、手で顔を覆って大人の世界を見ないふりをして、指と指との隙間から、こっそり知らない世界を見たくなる。 大人になって「私も昔はこんなだったなぁ…」と思いださせてくれる。 大人でもないけど大人に近い中途半端な齢で、大人と感じることにドキドキして、でも大人になりきれない自分がいて、もがく。 そうやって、一歩一歩大人に近づいていくのだと。 ちょっと大人になって、でもまだ子どもであったことを忘れたくない。 そんなときに読むと良いなー、と思いました。
綿矢りさの作品を初めて読んだのは中学生の時で『蹴りたい背中』でした。 そのときに「この人の書く文章ってすごくかっこつけてて、あぁ、最年少受賞ってこういうことなのか」なんてことを生意気にも思いました。 それから立て続けにこちらの「インンストール」も読みました。当時は個人的にはインストールのほうが話が単...続きを読む純で入り込みやすくて好きでした。これを17歳で書いたかと思うとやっぱりすごい! 今になって綿矢りさの本を読むと、このかっこつけた言い回しや、どや顔感は、主人公の女子高生の、ちょっとひねくれてて『自分は周りとは違うんだ』 って思って毎日を過ごしてる感じを出したいが為のものなのかもなあと思う(ことにしました)。 女子高生の生生しい感じをここまで鮮明に出せるのはすごい!わたしも女子高生だからすごいわかる! 綿矢りさの文面のかっこつけ方は女子高生特有の感じを出すためのかっこつけ方なんだと私は思う。 割と好きです、また大人になってからも読みたいな
最近読むことが増えている綿矢りささんのデビュー作。 月並みな言葉選びしかできないのが残念だけど、表現力が本当に豊か。 例えば P. 12 私の中で不意に目覚めたずるい完璧主義が、塵一つない完璧な、シャープに四角い部屋をいたずらに欲しがる。 とか、 P. 14 マンションの中にいた時は健やかに息づい...続きを読むていた物も、ポリ袋に包まれてここに落とされた途端、光を失い音楽を失い、淋しく死ぬ。 など。 新鋭の表現力のある作家の登竜門である芥川賞の受賞は納得。 一方で、ストーリー性に面白みを感じられるかといわれれば、はっきりとうなずけるかは個人的に微妙で、最近の綿矢さんの作品の歳を重ねて人としての厚みがわかる文章や物語がやっぱり良いと思ってしまうかもしれない。 年齢を理由に評価することは個人的に好きではないけど、ひとりの作家として当時の綿矢さんの力量を見せつけられたな、と素直に思うことができた。 それよりも、17歳で受賞しこの本で注目を浴びて大丈夫だったのかな、とそっちのほうが気になってしまった。 (小学生とチャットレディをしたり、性的な言葉もかなり出てくるので)
感想 ネットに潜む楽しさと人の悪意。子供達にはこの世界を体験させたくないが、経験値としては有用。現在は楽しく便利なネット利用ができてるだろうか。
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