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対男用のモテ服好みなOL早希と、豪華な衣裳部屋をもつ人気タレントのだりあは、幼稚園以来の幼なじみ。危うい秘密を抱えてマスコミに狙われるだりあを、早希は守れるのか? わちゃわちゃ掻き回されっ放しの、ままならなくも愛しい日々を描く恋と人生の物語。表題作他「いなか、の、すとーかー」収録。【解説入り】
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Posted by ブクログ
いなか、の、すとーかー/実際のストーカー案件で、こんな結末はあり得ない、というかリアル当事者に怒られそう。でも、好きですこのラスト。というか普通にホラー的で面白かった。\ウォーク•イン•クローゼット/こういう余韻を残したラストは記憶に残る。好き。 2、3年後に再読したい。
表題の方が後半に入っている構成が意外。2つもも面白かった。綿谷さんの本はどれも面白いな。ただ、面白いと言っても、それぞれ方向性が違いました。 いなか、の、すとーかーは、ミステリーホラー小説を読んでいる感じだった。予想外の展開。でも、出てくる人物の誰もなんだか憎めないのが不思議。かなり酷いストーカーな...続きを読むのになぁ。ぞわぞわしながらも目が離せない展開でした。 ウォークインクローゼットは、昔の自分を見ているかのような主人公だった。人にどんな風に見られているか、素の自分を出せず、人の事は品定めしてしまう。なんか分かるなぁと。決してモテない訳ではないけれど、果たして本当に人に好かれるとはなんなのだろうと迷う感じ。友達のだりあも、好きな人物。私も友達になりたいタイプだった。女の子には嫌われそうだけど、それは嫉妬から来るものでどこか憧れの存在。あと、この話の終わり方がとても好きでした。ああうまくいってほしい、きっと上手くいくんじゃないかな?続きが見たい、と思いつつ終わってしまう感じ。全く先が読めない訳ではなく、でも完全に終わる訳ではなく。続きは自分の好きに想像しておきます。
いなか、の、すとーかー ウォーク・イン・クローゼット ふたつは全然違う物語だけれど、 現代らしい人間くささがリアルだなあって思いました。 表紙のかわいさで読み始めたけど、何より読みやすい わたしみたいな読書初心者にはめっちゃ良い 苦しむ人間、苦しめる人間、 どちらも物語の主人公になりえて、 他...続きを読む人からは想像できないような苦悩があったりする 嫉妬で人を悪く言ってしまうのはよくある けどわたしは他人の努力や実力その他もろもろへの称賛を 素直に口に出せる人間になりたいな
Aが現れて男性でぽっちゃりで海パンで。こんな人が身近に、頭の中に、もう1人の自分にいたなんて、羨ましい。肯定するのも、会話も全て羨ましい。いた方が絶対いいから。私を食いとめる=Aとのお別れなんだよね、これからはAの言葉を自分の口から発するようになるのかな。食品サンプルもお一人様も珈琲店の隣の会話もイ...続きを読むタリア旅行も、とてもレベルの高いと思う。自分を知るって大切だと思う
2話収録。『いなか、の、すとーかー』田舎にUターンした新進気鋭の陶芸家にストーカーがつく話。展開が予想できたので面白さ度はやや下がった。『ウォーク・イン・クローゼット』常に男ウケを意識した洋服選びをしている早希。デート三昧の日々を送りつつもこれといった彼氏は見つからず。そんなある日、幼馴染でタレント...続きを読むのだりあがスキャンダルに巻き込まれそうになる、という話。こちらは軽い読み心地だけど楽しめた。早希はモテを意識しつつもしっかりした一面もあり等身大の女の子という感じがして好感が持てた。ラストも好き。
『なにここ!クローゼットっていうより衣装部屋じゃない』 『海外ドラマで見て憧れてたんだ。ウォーク・イン・クローゼットがあるのを第一条件にして物件を選んだの』 新しい部屋に引っ越す時、あなたなら何を一番重視するでしょうか?駅までの距離、日当たり、それとも間取りでしょうか?”人が中に入って物を出し入れ...続きを読むできる広さのある収納スペース”、それが「ウォーク・イン・クローゼット」。『私のクローゼットが丸ごとすっぽり入るくらい広い』というその空間。部屋を選ぶ時にそれを何よりも重視した主人公の友人・だりあ。一方で『輸入雑貨店で買った』、『アンティークで一九三〇年代の品』という『古めかしく重厚感がある』クローゼットを大切にする主人公・早希。『今年買った服、去年買った服、ずっと着ている服』、それらを『世界観ごとにグループ分けする』早希。『どこに着ていくか、誰に会うための服か』、そんなことを考えていると『服が男に見えてくる』という早希。『どの服も夢見ている』と感じる瞬間。そんなクローゼットに並ぶ服たちを全て自分で洗濯し、『この充実感は他では得られない』と感じる早希。この作品は、そんな早希と友人・だりあのクローゼットの中の服がそれぞれに夢を見ていく物語です。 二編の中編からなるこの作品。〈いなか、の、すとーかー〉と〈ウォーク・イン・クローゼット〉と両者ともに少し長いタイトルのこの作品。片や全てひらがな、片や全てカタカナという対比を見せますが、内容的な繋がりはありません。〈いなか〉の方は”すとーかー”という言葉に一瞬緊張感が漂いますが、これをひらがなで表記している、その印象そのままの物語が展開します。一方の〈ウォーク〉の方は、こんなところに着目するんだ、さすが綿矢さん!という物語が展開していきます。 では、まずは〈いなか〉の冒頭をいつものさてさて流でご紹介します。 『願ってもない幸運は突然ふってくる。望んだ形でなくても、あまりに意外過ぎるluckでも、うろたえてはいけない、拒絶してはいけない』というようなことを考えてしまうその瞬間。『テープも回ってる、ただいま撮影中。生放送ではないが、本番だ。集中しないと』と緊張の中にいるのは主人公の石居透。『先生、音声入らないから、もっとリラックスした表情でしゃべりながら作業してもらってもいいですよ〜』と言われ、『ろくろを回すとき、しゃべったりしないので』と返す透は『は〜い、おっけーです』というカットの声がかかり、ようやくほっとします。『え、ほんとにおれを、「灼熱列島」がフィーチャーしてくれるんですか?』と『事務所に撮影の依頼が来たと師匠に伝えられたときは、なかなか信じられなかった』という透。『まあ、いい機会だから受けてみたらどうだ』と言われ『荷が重いけどやってみようかな』と返した透ですが、『実際はこの話を聞いた瞬間から、なにがなんでも受けると決めていた』というその取材。『作品を世に広めるのに、これほどいい機会はない』と考える透は『おれのことも作品のことも知ってもらえれば、何よりまずおれの陶器を買いたいという人が増えるだろう』とその先を見据えます。『おれの真摯な仕事への取り組み姿勢もちゃんと撮ってくれそうだし、この番組ならいいだろう』と受けたその取材。そして一カ月後、『テレビでおれの出演会が放送される十分前、茶の間のテレビの前でスタンバイしてい』た透。そこに『テレビさ、おまえといっしょに見た方が、冷やかせておもしろいなと思ってさ』と入ってきたのは『小学生からの友達。地元に帰ってきてからまた仲良くなったうちの一人だ』という すうすけ。そして『テレビから「灼熱列島」のオープニングテーマが鳴り響き、お、始まった』というその時、『こんばんは〜、果穂です、おじゃまします。あ、もう始まってる』と今度は『お互い実家が近く親同士も仲が良く、すうすけと同じく小学校のころからの付き合いだ』という四歳下の果穂が入ってきました。『全国放送で、こんなに長い時間取り上げてもらえるなんて、ありがたいねえ』と感慨深げな母。『お兄ちゃん、すごい!でも陶器をちゃんと作ることは、おろそかにしないでね』と言う果穂。『それは気を付ける。浮かれてちゃだめだな』と返す透。『最後まで画面のおれは冷やかされ続けた』ものの、『みんな集まってくれてテレビを見ていると、幸せな気分になった』と感じる透。『もう故郷には戻らないつもりだった』という透は『戻ってきて本当に良かった』と実感します。そんな透の仕事場である『工房』は実家から『徒歩でも自転車でも通える距離』にあります。ある日、『工房』へと向かった透。『鼻歌を歌いながら、デニムのポケットから鍵を取り出し、ドアの鍵穴に差し込』んで扉を開いた次の瞬間、『中へ入ると、見知らぬ女がろくろを回していた』という目の前のありえない光景を見て『血の気が引く』透。『だれだ⁉︎なんでおれの工房にいる⁉︎』という衝撃の事態に、幸せの真っ只中にいた透の人生が大きく揺さぶられていきます。 …という中編。”ストーカー”を扱った作品というと柚木麻子さんの「ナイルパーチの女子会」がその恐怖を存分に味わわせてくれます。この作品でも『いったいこいつはだれなんだ?おれとはまったく他人のはずだろう?なのになぜ、おれの目の前から消えてくれない?』というストーカー行為に苛まれる透の姿が描かれていきます。一方でマスコミに登場する機会が増えていく透。人生の光と影が対になって展開する透の人生。そして、ストーカー行為は『もとの生活が取り戻せなくなるほど』破壊力があると気づいた透、『これは、された人にしか分からないだろう』と実感する不安な日々が続きます。しかし、それが後味の悪い読後感に繋がらないのは後半にまさかのどんでん返しが待っているからです。巧みな伏線の上に用意されたそのどんでん返しは、この作品の印象を一気に変えてしまいます。そして、そのことは、透の人生の価値観にまで影響を及ぼしていきます。それは『大きなできごとから日常の些細なことまで、遠いものから近いものまで、数えきれないいろんな力が働いて、おれはここにいる』というなんだか人生を達観するかのような心境。そんな高みへと上昇していく結末を見る物語は、えっ?ストーカーの怖さを描いた物語だったんだよね?とそのことを忘れさせるくらいに清々しいスッキリ感を読者にもたらしてくれます。この辺りの綿矢さんの構成の上手さには本当に感服するしかないと思いました。 そして、二編目の〈ウォーク〉です。〈いなか〉もいいですが、〈ウォーク〉は、より、綿矢さんの世界を堪能できる作品です。綿矢さんと言うと作品冒頭の出だしの一句にどうしても期待してしまいますが、この作品はこんな言葉から始まります。『時間は有限だ』というその言葉。大胆とも言えるその言葉。それは主人公だけではなく我々誰しもが課された生きていくための基本条件でもあります。その言葉のあとを『でも素敵な服は無限にある』と続ける綿矢さん。人によって感じ方に違いはあると思いますが、特に男性は”えっ?”という思いを直後に抱くのではないでしょうか。そんなこの物語は、『服』というものに、違う視点から拘りを見せる二人の女性の物語でもあります。『純粋に〝好き〟を一番にして選んでいたころと違い、現在の私のワードローブは〝対男用〟の洋服しか並んでない』という主人公の早希。友人で芸能人でもある だりあから『私にとっては、きれいな服は戦闘服なのかも』という話を聞いて『なら、私の服と一緒だ。私たちは服で武装して、欲しいものを摑みとろうとしている』と感じます。そんな早希は一方で『いま、私は、どんな時代にいるんだろう』とも考えます。『すべてが中途半端で、両方向から力を加えてむりやり伸ばしたセロハンみたいに間延びして、描かれた絵柄が歪んでどんなものかよく見えない』と綿矢さんらしい比喩の表現がその感情を上手く説明していきます。そんな早希が友人 だりあのために奔走していくこの作品。解説の尾形真理子さんは『わたしたちは、なんのために服を着るのか。それはもはやなんのために生きるのかと同じくらい難しい問いになっています』と語ります。服を着るということは、その服を選ぶ、そして着るというその先に、その服を着て会う人との関係を考えていく行為でもある、そのことに改めて気づかされます。上記したように、それを『戦闘服』という言葉で表す早希。そんな彼女が、『戦闘服』をどう捉え、どう扱っていくのか、そんなところから主人公・早希の生き様がふっと浮かび上がってくるこの作品。こんなところから人というもののあり様を描いていく綿矢さん。流石の目の付け所だととても感じさせられた作品でした。 これら二つの物語は、綿矢さんの作品としては、起承転結もはっきりしていて、良い意味で、とても読みやすく、とてもわかりやすい作品だったと思います。その分、他の作品に比べて、ハッとするような言葉が登場する割合こそ低くなってしまっていますが、目の付け所の面白さ、構成の巧みさ含め、読後に清々しい満足感が残る、そんな作品でした。
一つ目のの作品、「いなか、の、すとーか」はミステリー要素が入っており、普段の綿矢りささんとはまた違ったテイストで面白かった。 そして、なんといっても読みやすい!! 綿矢りささんの細かい情景描写、心情の描写は状況理解を助けてくれ、スイスイ読めた。それしても細かい。二作品目、「ウォーク・イン・クロー...続きを読むゼット」の服の種類の事細かさ。妥協を感じない。そして、綿矢りさの服への並々ならぬ愛と比類なき博識っぷりを感じた。 後書きの 「服は口ほどにモノをいう」 という言葉は自分にだいぶ刺さった。結局、だらしない性格っていうのはにじみ出るんだな、っていうこと。しゃんとした服装をして、髪型をして、綺麗な靴を履いて、時計をつける。社会人になるの上でそういった服を通した精神的な成長が必要だということをひしひしと感じた。
表紙が可愛い。「いなか、の、すとーかー」、ストーカーみたいか過激な被害にあった事はないが自分が何気なく人にした行為がきっかけで相手に過度な期待を持たせてしまって、その後苦労したって経験は多くの人があるのではないでしょうか。人はどこで執着のスイッチが入るか分からないから怖い。自分以外の人気持ちなんてコ...続きを読むントロールできないし、執着する側の人はどうしたって満たしてあげられない飢えのような気持ちを抱えてしまっているのでは。その気持ちが上手く書かれてて相変わらず綿矢さんの小説は引き込まれる。「ウォークインクローゼット」のだりあ側視点での話も読んでみたい。
面白かったです。久しぶりに綿矢さん読みました。 同じくらいの目線かなぁ…と読みはじめて、読み終わったら少し上を向くことが出来るのが好きです。 「いなか、の、すとーかー」はゾッとしました。相手とコミュニケーションが取れないってこんなに怖いのだな。自分の求めている言葉しか受け入れてくれない、というのは怖...続きを読むいです。 表題作の強さが好きです。そして早希が、人と会う予定の当日にうだうだしてしまうというの、わたしもそうなのでとても共感しました。行くと楽しいのですが、本当に困りますこの質。。 好きな服は気持ちを強くしてくれるの、わかります。戦闘服。早希もだりあも、素敵でした。
デートの前に読みたくなる!! 女の子の気持ちを強くさせてくれる、キラキラさせてくれるようなお話だった。買って良かったな〜 アナザーストーリーとかあったら是非読みたい!
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