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母親を亡くした二十代の「私」は、「絶対に長生きするからね」と父に誓ったのに、交通事故に遭ってしまう。激痛の嵐の中、目を開けると二メートルほど下に自分の身体を見下ろしていて……。表題作ほか、姉妹、妻、母親――様々な女たちの視線から世界を切り取り、人生を肯定するあたたかさを感じさせる。著者新境地の全八編の短編集。
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Posted by ブクログ
お洒落な表紙、「意識のリボン」なんてファンシーなタイトルだが、その中身はひどく人間らしい感情に溢れている。岩盤浴で見かけた見知らぬ女性二人組の間の歪なパワーバランスを外野から密かに憂慮してみたり、三十歳を迎えた女性が抱く、日に日に老い行く自らへの焦りを何気ない日常と混ぜ合わせながらユニークに表現して...続きを読むみたり。 綿矢さんの小説に出てくる登場人物はとにかく濃ゆい。特にそのキャラクターを表現するための容姿、性格、言動、それらの描写の細かさには毎回舌を巻くものがある。この広い引き出しは一体どこから来るのか。常日頃から人間観察を欠かさずしているのかな。より多くの人間のことを見て、知っていなければここまでは書けないような気がするのだ。 また綿矢さんは度々太宰治に触れられることがあるが、超短編「ベッドの上の手紙」の主人公である小説家の男性の卑屈さは、川端康成に宛てて書かれた太宰治の愛憎入り混じった手紙を彷彿とさせられた。「刺す。そうも思った」というかなりストレートなフレーズで有名なあの手紙である。 それから、猟奇的事件のデマに踊らされる人々を描いた「声のない誰か」は若干ホラーテイストを含む話で、結末を読むと「果たしてそれは本当にデマだったのか?」と薄ら寒く感じた。 個人的には「履歴のない妹」で登場する、過去に撮影された美しくも不気味なヌード写真を躊躇なく当人である妹が破り捨てるシーンが好きだ。「私は本物の、生の写真なんていらない。嘘っぱちでもいいから、笑顔でピースしている写真さえあればいい。人生で残しておく思い出は、安心でたいくつな方がいい」。 この本を読んだ後、改めて自分のスマホのカメラロールを見返してみた。どの写真も笑顔だった。確かにそれは生の姿でなければ感情でもない、作り物を写しとったものかもしれない。それでもこのカメラロールに並んだ写真を見ると、わたしは確かに「安心」していた。写真とは過去の記録、思い出を残す以外にも、「安心」を作り出すための媒体なのかもしれない。
綿谷りささんの小説を初めて読んだ。 率直にどれも面白い。そして女性を描くのが上手い。 1番最初の話から心を掴まれた。見知らぬ展開としての面白さもあるし、地で面白いというのもある。 1番好きだったのは表題作である「意識のリボン」こんな考え方をしたことはなかったがこんな感じだと良いなと思うし、心にスッと...続きを読む入ってくる感じ。
2014〜2017年、4年の間に発表された9つの短篇をまとめた1冊。ずっと先、綿矢りさという作家を語る時、この短篇が重要なターニングポイントだったと語られるような気がしている。
なんとなく手に取る機会がなかった はじめての綿矢さん作品。 リボンモチーフのものが好きなわたしは ただ単純にタイトルに惹かれ 装丁のイラストのタッチも好みだったから パッと目についたのがきっかけ。 独身女性、母、妻、娘…女性が主人公の短編集。 「こたつのUFO」「怒りの漂白剤」そして ...続きを読むタイトルにもなっている「意識のリボン」が 好きだった。 ここしばらくの自分と重なるものが多すぎて ちょっと苦笑いしてしまう場面も。 怒りは、ちょっと厄介だ。 そのまま放置していればどんどん膨れ上がり いつか爆発、暴走しかねない。 かといって、ないものにはできない。 そこのところのさじ加減を 見つめるきっかけになったし いまの自分の受け止め方や対処の仕方を更新。 “意識”については、まだまだ大人になりきれていない年頃からぼんやりと考えてた。 心ってなに?どこにあるの? 意識って?意識と無意識のさかいは? この本のなかに、その答えのようなものがあった。 父が逝ってしまったときから、“この世”も“あの世”も自分とぜんぶが一体化したように思う。 安心したくて、そう思いたいのかもしれない。 でも、そこから見守られながら わたしの意識とわたしは結ばれているんだと思うと 安心感で包まれる。 綺麗事ではなく 人間臭い負の感情と呼ばれるであろう 怒りや情けなさ… そういう部分に蓋をすることなく まっすぐでリアルな感情むき出しの描写に とても共感したし、好感が持てた。 なんだかホッとできた作品だったな。
不思議で、どこか怖さのある短編集。 昔読んだのを読み返してるけど、全然覚えていなかった。 ●履歴のない女 娘と自分が、肺炎をきっかけに剥がれる。 病気になったのが自分じゃなくてよかった、と思ったと。 妻や母の役割が剥がれて、自分になるきっかけがわたしにも訪れるのかも。不思議な読後感。 ●履歴のな...続きを読むい妹 妙に魅力的な、裸の写真にまつわるお話。 本物の、生の、写真なんて私にはいらない。笑顔でピースしてる写真さえあれば良い。って言い切る潔さ、自分にはまだ無い。
みなさんおっしゃってる通り、エッセイなのか小説なのか分からない不思議な短編ばかりだった! 「こたつのUFO」にあったように、書いたものからその筆者の人柄を判断してしまうのは多かれ少なかれあるなあ、と思った 何ならその人がどういう文章を読むかでも判断してしまうこともあるし 相手のことを知りたいと思った...続きを読むときに、相手がどういうものを作るか・好むかから知ろうとするのってよくないのかな とか言いつつ「怒りの漂白剤」を読んで、そうか綿矢さんの文章から感じるエネルギーって根底には怒りがあるのかなって納得してしまった 「意識のリボン」は、ちょうど同じタイミングで読んでた 全然雰囲気の違うような2作だけど、フランクルの「それでも人生にイエスと言う」と同じようなメッセージを感じたところがあった(愛に関するところとか、その人なりの実りある人生だったっていう記述とか、意味/超意味みたいなところとか)
超久しぶりの綿矢作品は短編集。エッセイなのかと思わせる小説、独特の捻くれた視線が鮮やかな小説、どれも面白かった。
エッセイ集のような短編小説集。 「こたつのUFO」の突拍子もなさに笑いながら、姉妹の話に心当たりがあってすこし気分を害しながら(それだけ巧みだということ)。だけど「意識のリボン」表題作で、それまでのちまちまとした感情を突き抜けてしまった。 ずっと読んできた綿谷りさによる、魂と肉体とひかりの話を読める...続きを読むなんて最高としかいえない…この1篇があるから手放せない1作になりました。
綿谷りさの表現力には脱帽。この話は小説というより、 名前の知らない女性たちの日記を読んでいるかのよう。だから、面白いではなく、共感できるといった感想が沸く。 頭の中で渦巻くもやもやに形を与えてくれた。 特に好きなのは、怒りの漂白剤。
エッセイのような“岩盤浴にて”や、異色の“こたつのUFO”、あったらいいなの“怒りの漂白剤”あたりが好みかな。軽妙なタッチも重厚な哲学的思考も、どっちもいける。久々に綿矢ワールドを堪能しました。あぁ、この鬱屈したものを吐き出したい!
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