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エッセイが得意ではありません――。自らはそう語る伊坂幸太郎がデビュー以来ぽつぽつと発表した106編のエッセイ。愛する小説、映画、音楽のこと。これまた苦手なスピーチのこと。憧れのヒーローのこと。趣味を語る中にも脈々と流れる伊坂的思考と、日常を鮮やかに切り取る文体。15年間の軌跡を辿った、初のエッセイ集。裏話満載のインタビュー脚注に加え、幻の掌編2編を収録。
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Posted by ブクログ
今から10年前に出版された伊坂さんのエッセイ。 以前「仙台ぐらし」を読んだ時に、 「エッセイより小説の方が好きだなぁ」と思い、この1冊を読むのがこんなに遅くなってしまいました。 こちらは伊坂さんの小説と同じくらい好きでした。 このエッセイを片手に、デビュー作からもう一度全部読み返したくなりました...続きを読む。 いつか絶対やります。 まず伊坂さんのお父様に魅了され、 「なるほど、伊坂さんの作品(考え方)にはお父様から受けた影響も大きく関係しているのか」と納得しつつ、自分の親もこうであったらよかったのにと嫉妬を覚えました。 続いて、私が最も好きな「魔王」について伊坂さんが「とり憑かれるようにして書き上げ」たと表現されていることに自己満足な幸せを感じました。 そして何より、このエッセイで紹介されている本達全てが何と魅力的に感じられることか。 最近好みの本が見つからないな、もう読み尽くしたかしらと考えていた自分が恥ずかしくてたまりません。 伊坂さんに向かって 読書っていいですよね、小説って楽しいですよね、と話しかけたくなるような、そんなエッセイでした。 相変わらず、伊坂さんの作品となるとレビューがいつも以上にうまく書けません。 その代わりに、特に印象に残った部分を記します。 「『何かを断定するのには覚悟が必要で、その覚悟を持たないで軽々しく物事を決めつけている人が多いんじゃないかな』」 「表面的な事実だけを見て、『理解できない』物には蓋をしてしまい、『若者は異常になってきている』と決めつけるのは、このカミュの時代から現代まで、変わっていないということかもしれません。」 「読書というものは、別の世界へ精神的な旅に出かけるようなもの」 「やるべきことをやる、『弱いけど強い』」 「世界は大変だ。残酷なことや理不尽なことで満ちている。僕たちは繊細で、弱い。それは分かっている。分かった上で強く生きていくほかない。」 デビュー20年目の今年もエッセイ集が出るといいな。 2020年21冊目。
エッセイや解説・書評の総まとめ本。 今まで『伊坂さんの書いた文章が掲載されているものは全てかき集めてコレクションしてやるぜ!』と、意気込んでいたのに、この1冊が出版されたことで落胆と歓喜が混ざりあって何とも言えない気持ちになった人は多いことでしょう。 伊坂氏オススメ&お気に入りの、マンガや小説...続きを読むや映画についても語られているので、自分もそれらを消化したい。 その人物に関心を持つと、その人が興味を持っているもの全てを知りたくなるというストーカー心理そのものである。 様々な本や作家と出会いながら読書をすると、自分の守備範囲が広がっていく気がする。いや、どこ守ってんねんって話しやけどな。 伊坂氏が、 『普段、小説を読んでいて、にやりとすることはあるが、噴き出して笑うようなことは無い』とエッセイの中で言うてたけど、自分はそんな伊坂作品で大いに爆笑している。隣人から苦情来るんちゃうかという音量で。 手を叩きながら。 このエッセイでも…笑 東北出身者が東京で初めてゴキブリを見たときに 「何だ?この美しい虫は。」 とか、 犬を飼ってもいないのに 「いつもポケットにドッグフードを入れている人」 とかな笑 2014年10月08日
面白かった。 初めて伊坂先生のエッセイを読んだ。 あまり知らなかった人柄について知れた。 なんかすごく身近な人って印象で楽しかった。
#深い #笑える #シュール
「この文章は、解説というよりはお祈りに近い」 15年の軌跡を気軽&濃密に辿る一冊 エッセイは苦手と自虐するけど、一つ一つの文章や仕事に手を抜かない人柄が伝わって、もっと好きになっちゃうじゃないか! 特に干支エッセイ。ニヤニヤが止まらない。
伊坂氏のエッセイ。伊坂ファン必見だと思う。 以前、別の作者のエッセイを読んで失敗しエッセイは苦手かもしれないと思っていたが、伊坂氏のエッセイは面白かった。 本人は刺激の少ない平凡な毎日だと書いているが、人気作家になった人の日常が見れた気がして私には刺激的だった。 伊坂氏がお父さんの事を書いてい...続きを読むるが、陽気なギャングシリーズの響野さんっぽい気がした。実行力と判断力に優れ正義感が人一倍強く善人の人だと絶賛していて、お父さんのことが好きなのが伝わってきてほっこりした。 「世の中には時折ゲームが予告なしに現れる」という普段の出来事すらゲームになってしまうのが素敵だなと思った。その思考回路が数々の名作を生み出してるのかと思った。 伊坂氏がおすすめしている本が多数書かれていて、感想文というか解説の書き方も上手くてかっこいいなと思った。 おすすめされてる中の「僕の愛したゴウスト」を次は読むつもり。
伊坂幸太郎初のエッセイ。 「オーデュポンの祈り」でデビューして10年を祝って出版。 今までの様々な雑誌でのコラムや書評などを集めたもの。 小説しか読んだことがなかったので、エッセイを読んでみて、また違った側面を知ることが出来た。 意外と気が小さくて人が良くて、出不精ってこともわかって何か面白かった。...続きを読む彼の薦める本も相当メモらせもらったので、早速どんどん読んでみようと思う。 「いいんじゃない?」という章が好き。 彼は元はサラリーマンと兼業していた。ある日、通勤のバスの中で、大好きな斎藤和義の「幸福な朝食 退屈な夕食」という曲をウォークマンで聴いていたとき、何故かその日はいつもより新鮮に聴こえ、「小説に専念しない限り、この曲に勝てるような作品は作れないんじゃないかな」と強く思ったらしい。そして翌日に会社に辞職の意思を伝えた。 カッコいい。こういう、自分の運命を変える一瞬ってあるんだろうな。 あと、表紙がかわいい。木工作家の三谷龍二の作品の温かい感じが好き。 次読む本が最後で、伊坂の小説、全て読破である。 同じ猪年、というところも親近感を感じる要因の一つ。
伊坂幸太郎さんの貴重な15年分の106のエッセイが綴られたエッセイ集。小説ではない、伊坂さんの日々の生活しているなかで感じていることや、頭の中で考えてることが詰まったとってもやさしいエッセイ集でした。心がやわらかくなるというか、ゆっくりしたテンポになれる素敵なエッセイ集です。 「名前がまた恐ろしい...続きを読むですね。口に出すと、その響きから恐怖が倍に増してしまいます。『ごきげんよう、おひさしぶり』などと呼ぶことにしたらどうでしょうか。」 素敵。今年の夏あいつに会ったらやってみよう。
伊坂幸太郎ファンにはたまらない一冊です。 何と言っても「干支エッセイ」。 困りながらなのか楽しんでるのかわかりませんが12年続いた年頭エッセイ。 私は十分に楽しめました。
「伊坂幸太郎」のエッセイ集『3652―伊坂幸太郎エッセイ集―』を読みました。 『火星に住むつもりかい?』、『夜の国のクーパー』、『残り全部バケーション』、『ガソリン生活』に続き、「伊坂幸太郎」作品です。 -----story------------- 愛する小説、苦手なスピーチ、憧れのヒーロー。...続きを読む 「小説以外」を収録した初のエッセイ集。 エッセイが得意ではありません――。 自らはそう語る「伊坂幸太郎」がデビュー以来ぽつぽつと発表した106編のエッセイ。 愛する小説、映画、音楽のこと。 これまた苦手なスピーチのこと。 憧れのヒーローのこと。趣味を語る中にも脈々と流れる「伊坂」的思考と、日常を鮮やかに切り取る文体。 15年間の軌跡を辿った、初のエッセイ集。 裏話満載のインタビュー脚注に加え、幻の掌編2編を収録。 ----------------------- デビュー10周年のタイミングでまとめたエッセイ集として2010年(平成22年)に単行本として出版されたので、10年間の日数… 365日×10年間+うるう年の2日の合計である3,652日がタイトルの由来となったようです、、、 その5年後の2015年(平成27年)に出版された文庫本を購入したので、5年分のエッセイや掌編が追加収録された作品です。 ■2000年 ・幾つもの映像や文章に影響を受け、そして現在 ■2001年 ・キャラメルコーン ・ハードボイルド作家が人を救う話 ■2002年 ・健康療法マニア ・アメリカンコーヒーゲーム ■2003年 ・B型とセガールとヨーグルト ・映画館は平和だ ・言葉の壁 ・自由な席 ・ごきげんよう ・壁 ・連絡を待つ ・会いましょう ・心を広く ・町から戻り、本を読もう ・狂っちゃいないか? ・読んでいるだけで幸せな気分になりました。 ・CD特等席 ・一〇六人の作家に聞きました。 ・叫ぶ、叫ぶとき、叫べば、叫べ ・私の隠し玉 ■2004年 ・猿で、赤面 ・読書亡羊 ・また、っていつだよ ・マニュアル通り ・わが心の恋愛映画 フィッシャー・キング ・よろしくお願いいたします。 ・私が繰り返し聴く3枚のCD ・熱帯と化した東京を舞台に灼熱のファンタジー ・こちらマガーク探偵団 ・「亡くなったけれど、ベンチにいる」人たちの声が聞こえる短編集 ・我、この地を愛す。仙台01 政宗が二人 ・我、この地を愛す。仙台02 自慢話 ・我、この地を愛す。仙台03 松島 ・私の隠し玉 ■2005年 ・吾輩は「干支」である ・人気作家63人大アンケート! ・運命を分けたザイル ・記憶に残る短編小説 ・青春文学とは? ・これは僕の映画だ! としか言いようのないアカルイミライ ・リョコウバトのこと。 ・連作のルール ・魔王が呼吸するまで ・大好きな本 『キャプテン翼』 ・調査官とチルドレン ・私の隠し玉 ■2006年 ・父の犬好き ・経験を生かす。 ・近況 ・いいんじゃない? ・「強度のある小説」という言葉にもっともふさわしい作品 ・打海文三の指摘が的確であろうと、的外れであろうと、僕は姿勢を正さずにいられない ・無邪気なようでいて、イマジネーションと邪悪さに満ちた、実は恐ろしい物語 ・警察や国を、どこまで信じていいのか? この事件の顛末に、恐怖を感じずにはいられない ・このマンガを読んでいると、喜怒哀楽に分類できない、変な感覚になる ・あの作品につけたい「架空サウンドトラック」 ・『鎌倉ものがたり』が描く異界の日常 ・私の青春文学、この一冊 『叫び声』大江健三郎 ・特別料理 ・私の隠し玉 ■2007年 ・猪作家 ・お正月は映画ですごそう ・身近な生活と広大な世界を、同時に歌える稀有なバンド ・人気作家63人大アンケート! ・『ぬかるんでから』佐藤哲也 解説 ・どれにしようか。興奮しながら本の準備 ・恰好いい小説 ・私の隠し玉 ・青春の棲みか ■2008年 ・逃げ出したいネズミ ・人気作家63人大アンケート! ・僕を作った五人の作家、十冊の本 ・斉藤和義さんとの仕事 ・『ぼくが愛したゴウスト』打海文三 解説 ・私の隠し玉&私のハマっている○○ ■2009年 ・牛の気持ち ・人気作家55人大アンケート! ・精神宇宙を旅するかのような本に惹かれます。 ・私の隠し玉&私のデビュー直前/直後 ■2010年 ・おもちゃの公約 ・人気作家56人大アンケート! ・武田幸三という格闘家の存在。 ・三谷龍二のもうひとつの世界 ・「残り全部バケーション」オートマとバケーション ・十年目に考えたこと。 ・私の隠し玉 ■2011年 ・う・さぎの話 ・人気作家54人大アンケート! ・『殺し屋 最後の仕事』ローレンス・ブロック 解説 ・私の隠し玉 ■2012年 ・タツノオトシゴの記憶 ・私の隠し玉&二〇一二年の№1 ■2013年 ・時にはとぐろを巻いて ・人気作家54人大アンケート! ・豊かで広大な島田山脈の入り口 ・ヒーローに必要なもの ・スピーチはしたくない。 ・私の隠し玉 ■2014年 ・木馬が怖い ・「国境なき文学団」アンケート ・人気作家57人大アンケート ・「!」と「?」 ・私の隠し玉 ■2015年 ・メエにはメエ ・人気作家58人大アンケート ■Bonus track ・定規 ・ソウルステーション ■あとがき(この本ができるまで) ■文庫版あとがき 「伊坂幸太郎」が偏愛する本や映画に音楽、喫茶店で巻き起こる数々の奇跡、退職を決めたあの日のこと、干支に恐怖する年末年始、封印された小説のアイデア、青春の部屋の直筆間取り図、デビュー前のふたりの恩人、恐るべき料理 等々に加え、裏話満載の語り下ろし脚注付きなので、ファンには堪らない内容でしたね。 個人的には、、、 映画館でのマナー(の悪さ)に共感した『映画館は平和だ』、 新幹線の自由席をフリーダムと言ってしまった駅員さんに笑ってしまった『自由な席』、 映画と漫画は映像を見せてしまうという点で同じジャンルだが、そういう意味で言うと小説は音楽の仲間ではないかと語る部分に共感した『町から戻り、本を読もう』、 年配の男性二人が、IP電話のIPが何の略か語り合う… そして『ミッション:インポッシブル』と間違いそうになるシーンで笑ってしまった『よろしくお願いいたします。』、 読んだ小説のあらすじを覚えていない… という部分に、思わず納得しながら読んだ『記憶に残る短編小説』、 が印象的でしたね。 あとは、「ザ・ブルーハーツ」や「斉藤和義」、「ラモーンズ」等、好きなミュージシャンが紹介されていることに喜んだり、「キーズ・ピータースン」や「ローレンス・ブロック」、「島田荘司」の作品が紹介してあり読んでみたくなり… と、趣味の近い部分を嬉しく感じながら、そして愉しみながら読めました。 たまにはエッセイも良いですね。
「喫茶店」で巻き起こる数々の奇跡、退職を決意したあの日、「青春」の部屋の直筆間取り図、デビュー前のふたりの恩人、偏愛する本や映画に音楽、「干支」に怯える日々、恐るべき料理、封印された「小説」のアイディア。20世紀「最後」の「新人作家」が歩んできた10年。 伊坂幸太郎さんのエッセイ集第一弾。発刊さ...続きを読むれたのが、デビューしてから10年。 伊坂さんの人柄、優しさ、謙虚さで溢れていて、とてもほっこりしながら読むことができました。伊坂さんのお父さんがたびたび登場し、謎の存在感を漂わせる。 「父は行動する人である。『今できることはすぐにやるべきだ』とよく言った。服にこぼれたスープの染みを布巾ですばやく拭き取り、『すぐにやれば大抵のことはどうにかなる』と言ったりもした。』 たびたび登場するお父さんの話がどれも好き。ゴキブリに恐れ慄く様子や、干支に怯える姿。 「小説というのは理不尽なことに悲しんでいる人に寄り添うもの」 心に響く言葉も数多く残されていて、大満足です。 伊坂さんのことが好きな人は、もっと好きになれると思うし、伊坂さんを少し好きな人は、もっと好きになれると思います (?) 他の方のエッセイ集を読んだことがないのでわかりませんが、とてもユーモアとやさしさにあふれた作品です。みなさんもぜひ、手に取ってみてくださいね。
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3652―伊坂幸太郎エッセイ集―
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伊坂幸太郎
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