レッドゾーン

レッドゾーン

1,485円 (税込)

7pt

病む人がいるなら我々は断るべきではない。

【第一話】レッドゾーン
日進義信は長野県信濃山病院に勤務する内科医(肝臓専門医)だ。令和二年二月、院長の南郷は横浜港に停泊中のクルーズ船内で増加する新型コロナ患者の受け入れを決めた。呼吸器内科医も感染症医もいない地域病院に衝撃が走る。日進の妻・真智子は、夫がコロナ感染症の患者を診療することに強い拒否感を示していた。

【第二話】パンデミック
千歳一郎は五十二歳の外科医である。令和二年三月に入り、コロナの感染者は長野県でも急増していた。三月十四日、千歳は限界寸前の日進に変わり、スペイン帰りの三十二歳女性コロナ確定患者を診察し、涙を流される。翌日、コロナ診療チームに千歳が合流した。

【第三話】ロックダウン
敷島寛治は四十二歳の消化器内科医である。コロナ診療チームに加わって二月半が過ぎた。四月上旬、押し寄せる患者に対応し、信濃山病院が総力戦に突入するなか、保健所は感染症病床を六床から十六床に増床するよう要請する。医師たちはすべての責務を信濃山病院だけに負わせようとする要請に紛糾するが、「病める人がいるのなら、我々は断るべきでない」という三笠内科部長の発言により、増床を受け入れる。

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レッドゾーン のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    信濃山病院でコロナ診療に携わる医師たちの話。

    横浜のクルーズ船からの感染から端を発し、著名人も亡くなっていく未知の病には心底怖かったことをよく覚えている。
    「パンデミック」という言葉がテレビで流れてきたことは、生きている間にないと思っていた。きっと忘れないだろう。

    大学病院を始め、近隣の病院がコ

    0
    2024年04月19日

    Posted by ブクログ

    コロナ第1波、いや、その前のクルーズ船からの出来事が書かれているから、0波とでも言うのだろうか?
    偶然にも、これを読む前に「臨床の砦」を読んでいたので、出てくる方々には様々な思いがある。
    0波や、1波の頃、「コロナは日本にはこない」「日本に来たとしても、死者は出ないはず」などという、希望的観測を持っ

    0
    2024年03月20日

    Posted by ブクログ

    コロナの対応に追われる医師たちの姿が描かれている。医師の覚悟がとても伝わってきた。長野の片田舎にある救急センターで急遽コロナを受け入れることになり専門でも無い医師たちがコロナに怯えながらも勇敢に治療をしていく様は今後自分も見習うべき姿だと感じた。今となってはコロナを軽視しているが発生した当時は未知の

    0
    2023年12月23日

    Posted by ブクログ

    新型コロナウイルス診療の最前線を戦っていた、長野県の公立病院を舞台とした内容です。
    本編は壮絶な第1波の頃を回想している著書でした。
    先日読んだ『臨床の砦』とは比べ物にならないほど、未知の疾患に対しての恐怖心が描かれていました。

    現在、ワクチンや投薬などで治療法は確立しましたが、未知の疾患として震

    0
    2023年11月20日

    Posted by ブクログ

    新型コロナが第5類になった今、少し落ち着いて過去を振り替えらる作品。報道で知ったいたハズが、実は全く知らなかった医療現場の現実が分かる。
    後半、敷島医師と娘とのやりとりに感動。

    0
    2023年08月25日

    Posted by ブクログ

    コロナの中では、どの立場の人も判断に迷いながら、自分にできることを考えて最善を尽くしてきたと思う。
    ただ本当に命をかけて戦ってきた人たちの過酷な日々を知ることができた気がする。
    「代替案のない反対は意味がない」というセリフに共感した。

    ハードカバーで重かったけど、読んでよかった。

    0
    2023年08月19日

    Posted by ブクログ

    新型コロナウイルス初期の頃、クラスターとかの言葉が耳馴染みのない頃、呼吸器内科のない地方都市の病院の医師たちが、未知の感染症に向き合ったり戦慄したりする話。
    小心者で皮肉屋でおそらく人一倍感受性の高い日進が、コロナ患者を診察するまでのくだりは、とても人間味を感じる箇所だった。

    0
    2023年05月18日

    Posted by ブクログ

    新型コロナ感染者が徐々に、しかし急激に増えていった頃。

    一斉休校
    緊急事態宣言
    マスク、消毒薬、体温計の不足…

    医師とはいえ、未知の病気に接するのはわからないことだらけ、でも、病気の人を前に、逃げ出すことはできない、という葛藤がとてもよくわかり、読んでよかったです。

    その中でも『沈黙の壁』とい

    0
    2023年04月26日

    Posted by ブクログ

    未知の物に対する恐怖が、不安を大きくし、それが募って誹謗中傷やいじめに繋がる。
    医者だって、一人の人間。
    恐怖から逃げ出したくなることも、
    自分のことや家族を守りたいのも、
    まして、持病があって感染を恐れることも、
    医者だって、普通の人とおんなじ!
    日進先生の存在は、人間としての本音そのもの。
    「誠

    0
    2023年04月15日

    購入済み

    たった2年半前の事でしたね

    私も医療機関に勤務しています。医師ではありませんが、新型コロナに対する医療機関の立場をよく描いていると思います。医師以外にも苦労している職員は数多くいますが、小説としては医師に絞った内容です。
    マスクや防護服、消毒薬がなくなっていく恐怖を思い出しました。
    私はコロナ前からインフルエンザ対策でマスクを

    0
    2022年10月08日

レッドゾーン の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    小学館
  • ページ数
    320ページ
  • 電子版発売日
    2022年08月30日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    2MB

閲覧環境

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