猫耳少女が喋る両手剣を振り回す冒険譚『転生したら剣でした』感想解説|鷹野凌の漫画レビュー

今回は『転生したら剣でした』をレビューします。知性ある「剣」として異世界転生した男(元)と、寡黙な猫耳少女の冒険譚です。原作小説の著者は棚架ユウ(たなか・ゆう)さんで、「小説家になろう」で連載中。マイクロマガジン社「GCノベルズ」で書籍化され、9巻まで刊行中です。
今回レビューするコミカライズ版は、幻冬舎「comicブースト」(旧:デンシバーズ)で連載中。作画は丸山朝ヲ(まるやま・ともを)さん。キャラクター原案は、るろおさん。単行本は7巻まで刊行中です。なお、マイクロマガジン社「コミックライド」では、公式スピンオフ『転生したら剣でした Another Wish』(作画:いのうえひなこさん)が始まったばかりです。
『転生したら剣でした』作品紹介
BookLive!で読む
『転生したら剣でした』 1~7巻 丸山朝ヲ・棚架ユウ・るろお/幻冬舎コミックス
『転生したら剣でした』を試し読みする
主人公が「剣」
知性があり、意思を持つ剣。それは「インテリジェンスソード」と呼ばれ、ファンタジーな創作の世界では比較的古くから存在しています。インテリジェンスソードと聞いて、私が最初に思い浮かべるのは『ゼロの使い魔』主人公の相棒剣・デルフリンガー。あるいは『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース(第3部)』の強敵スタンド、アヌビス神あたり。いずれも、主人公の相棒だったり、敵だったりと、脇役として存在している印象でした。
ところが本作は、主人公が「剣」。以前レビューした『転生したらスライムだった件』 では、異世界転生でモンスターになってしまう設定がユニークだと書きましたが、本作は無機物が主人公なのです。もう、この設定だけで面白い。ある意味、ずるい。第1話のタイトルコールは、絶妙です。
もう1人の主人公は、猫耳少女
そしてもう1人の主人公は、猫耳少女。タイトルの『転生したら剣でした』だけで興味を惹かれていたので、表紙のイラストを見た次の瞬間、既刊すべて即買いでした。ちいさな子がでっかい両手剣を振り回し、モンスターをバッタバッタとなぎ倒す。萌える! いや、燃える! 完全に私のツボに入ってしまいました。
剣と魔法のファンタジー世界というありふれた設定も、アイデアと料理の仕方次第でこれほど異なる魅力を味わわせてもらえるのですね。強い意志の力と努力の成長譚でもあるし、悪いやつはしっかり倒される勧善懲悪物語でもあるし。萌えるし、燃える。いやあ、爽快。期待以上でした。
なお、本作の主人公(剣)は種族名が「インテリジェンス・ウェポン」となっており、剣(ソード)以外の意思を持つ武器もいずれ出てくるのかな? なんて想像をしてしまいました。原作小説未読なので、楽しみです。
BookLive!で読む
『転生したら剣でした』 1~7巻 丸山朝ヲ・棚架ユウ・るろお/幻冬舎コミックス
『転生したら剣でした』を試し読みする
『転生したら剣でした』のレビューページ

