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『イジらないで、長瀞さん』感想解説|RABマロン話題の漫画レビュー

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どーもマロンです!みなさんは後輩からイジられた事ありますか?僕はダンサーの後輩にめっちゃイジられました(笑)でも時々思うんです。このイジってくる後輩が男じゃなくて、可愛い女の子だったらどうだったのかな~って…

…と、いうわけで今回はレビューするのは「イジらないで、長瀞さん」ですー!

イジらないで、長瀞さん

あらすじ

「イジらないで、長瀞さん」はマガジンポケットに連載中。ナナシによるラブコメディ。風早高校に通う2年生の『センパイ』 は大人しい性格の美術部員。ある日センパイは、放課後の図書室で自作の漫画をスーパード”S”少女『長瀞さん』に見られてしまい、その日以降、長瀞さんにイジられる日々が始まる。

絶妙なバランスのいじり

この作品の胆は何といっても長瀞さんの主人公へのイジりである。しかし、このイジりの表現のバランスとは難しいもので少し間違えると読者が不快に感じてしまう可能性がある。少し前にお笑いとは少なからず“イジメ”の要素があると話題にもなったが、特に漫画では暴力による突っ込みや、刺激的な言葉で相手を貶すことがギャグ漫画などには良くある。
長瀞さんにもそういったシーンはあるし、イジりの結果、センパイが泣いてしまうなど割と攻めた内容となっている。
しかし、ここで面白いのは長瀞さんが後輩であるということ。そして、小柄であること。体格的にも立場的にも下である長瀞さんがイジることで絶妙にバランスが取れているのである。全てにおいて上の人からのイジりはただの嫌がらせになってしまうが、体格、立場と二人の関係が逆転しているのが面白く、コメディとして受け入れやすくなっている。
そして、イジった結果、長瀞さんが痛い目をみたり、反省したりするところも嫌味なく読めるポイントだろう。
あとはシンプルに主人公にMっ気があるところ(笑)

意外と今までにいない?長瀞さんのキャラ

いわゆる最近流行りの「オタクに優しいギャル」に近い題材に見えるが、長瀞さんはスクールカースト上位のグループにはいるもののギャルではない。肌の色も日焼けサロンや、メイクによるものではなく、運動が得意で部活の助っ人に良く頼まれるから日焼けしているという何とも体育会的な設定。スーパード”S”少女という設定ではあるがSな部分を発揮するのもセンパイだけであり、身持ちも固い。というジャンルに当てはめるにはあまりいないキャラクターである。公式では”Sデレ”というジャンルらしい(笑)
そんな長瀞さんのドSモードからデレに一転する破壊力は中々のものである。

不器用な二人の不器用なコミュニケーション

お笑いの世界でもイジりを好意的に捉えるのは関係性が重要とある。センパイにとって長瀞さんのイジりは積極的にコミュニケーションを取りに来てくれる数少ない存在なのではないだろうか?だからこそ苦しくも一緒に居たいと思うのではないだろうか。
昔からある「好きな子につい意地悪をしてしまう」という感情はコミュニケーションを取りたいのだけれど、好きな人への接し方がわからないという不器用な人間像を浮き上がらせる。つまり、二人とも恋愛に不器用であり、必要とし合っている。だからこそ二人の行く末を見守りたくなる感覚にさせるのだろう。
直線では交わらない極めて変化球な二人のラブコメディ。歪なコミュニケーションの行きつく先をみなさんも見届けてみてはいかがだろうか?

紹介した作品はこちら

『イジらないで、長瀞さん』

イジらないで、長瀞さん

『イジらないで、長瀞さん』 1~9巻 ナナシ/講談社

RABマロンの描く”長瀞さん”!

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RABマロンのマンガ連載はこちら

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