『君は放課後インソムニア』が面白い! 不眠に悩む高校生の青春漫画
★2023年7月5日 追記★
テレビアニメ「君ソム」最終話は原作マンガ第6巻くらいです!
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アニメでは描かれなかったシーンもありますよ。
その後の二人の青春の行方は? ⇒ 第6巻
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★2023年3月27日 追記★
2023年4月10日(月)よりテレビアニメ放送開始&6月23日(金)からは実写映画も公開!原作の冒頭部分をプレイバック!
みんなが寝静まった夜に、異性の友達と待ち合わせして、街を歩き星空を見上げる。さわやかで甘酸っぱい青春のシーンがたっぷり詰まった、心ときめく作品。それがオジロマコト先生の『君は放課後インソムニア』です。書店員が、魅力を徹底紹介します!
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目次
『君は放課後インソムニア』とは?
『君は放課後インソムニア』とは、どんな物語なのか? 作者の過去作は? まずは基本情報を紹介します。
作品の詳細を見る
『君は放課後インソムニア』 1~4巻 オジロマコト / 小学館
『君は放課後インソムニア』を試し読みする
『君は放課後インソムニア』は、ビッグコミックスピリッツ(小学館)で連載中。単行本は4巻まで発売されています。作者は、オジロマコト先生。女の子が男の子より20センチ高い身長差カップルを描いた『富士山さんは思春期』、親戚のお寺で、年上の従姉と同居することになった高校生の毎日をつづる『猫のお寺の知恩さん』など、さわやかな恋愛漫画を描いてきた作家さんです。
本作は、不眠症で悩む高校生の男の子と女の子が主人公。青春ストーリーに、「不眠」という現代人ならではの悩みを取り入れたところが新味となっています、また、石川県七尾市が舞台となっていて、海が近く、町中に川が流れる風景も叙情的。七尾市は地元を挙げて本作を応援し、聖地巡礼に訪れるファンも多いということです。
『君は放課後インソムニア』あらすじ
中見丸太は不眠症に悩む高校1年生。夜眠れない分、学校で眠気に襲われる彼は、廃部になって久しい天文部の、今は倉庫になっている天文台というかっこうの寝場所を見つけます。ところが、天文台にはすでに眠っている先客が。それは同じクラスの曲伊咲。彼女もまた不眠症に悩み、学校内で眠れる場所を求めていたのでした。ふたりのボーイ・ミーツ・ガールのシーンは、まるで「眠れる森の美女」のように描かれていて、ドキドキします。
一緒にいると、なぜか安眠できる二人は、天文台を秘密基地にします。また、眠れない夜を楽しむために「夜のおたのしみ会」を発足。深夜に集合して街を歩くという、ちょっとした冒険を始めます。しかし、天文台に居着いていたのが養護教諭の倉敷先生にバレてしまうことに。そのときとっさに、天文部の部員になると先生に申し出た丸太。学校側からのOKが出て、丸太と伊咲を部員とした天文部が復活するのでした。
そうして二人は、天体観測と撮影という天文部としての活動を始めていきます。
『君は放課後インソムニア』のキャラクター
主人公の二人を中心に、本作のキャラクターを紹介します。丸太たちの通う九曜高校の生徒と教師、それからOBが主要メンバーとなります。
中見丸太(なかみ がんた)
石川県の九曜高校に通う1年生。成績優秀なメガネ男子です。ただ、夜眠れないために、昼間は常に眠気に襲われていてイライラが止まらないため、クラスでは少々浮いた存在になっていました。しかし、伊咲と出会って、学校生活が楽しくなることに。天文部では部長となって、伊咲とともに活動していきます。
曲 伊咲(まがり いさき)
丸太のクラスメートの女子。同じく不眠症に悩まされていて、丸太よりも先に天文台を寝場所として確保していました。明るくて奔放な性格で、丸太をどんどん活動的な男の子に変えていきます。天文部だけでなく水泳部にも所属しているのですが、水泳を始めたきっかけには、人には言いたくない秘密が隠されているようです。
ツーちゃん
九曜高校に住み着いている白黒のネコ。職員室にふらりと入ってきて、倉敷先生のお昼のサンドイッチをくすねるなど、やりたい放題です。天文台にも入り込んできて、伊咲に「ツーちゃん」と名づけられます。その意味は、「夜のおたのしみ会員2号」。丸太はネコより格下の会員3号にされてしまいます(笑)。
倉敷(くらしき)
九曜高校の養護の先生。天文台で寝ていた丸太と伊咲を発見しますが、必要以上に騒ぎにすることのない、いい先生です。のちに天文部の顧問となって、二人の面倒を見ることに。さっぱりした性格で、お酒が好物です。ちなみに、作者の過去作『富士山さんは思春期』にも同名の女性養護教師が登場します。
白丸 結(しろまる ゆい)
天文部のOG。廃部前最後の部員で、在学中には全国高校生天体写真コンテストの大賞を受賞した経歴の持ち主です。現在はゲームセンターの店長。高校にも足を運び、丸太に天体写真の撮り方をイチから教えてくれる頼れる先輩になっていきます。男女交際に関しては超絶ストイックで、たまに丸太を「スケコマシ」と呼びます。
受川(うけがわ)
丸太の小学校からの幼なじみで、伊咲に出会うまでは唯一、不眠症の悩みを打ち明けることができた親友です。面倒見のいい性格で、丸太と伊咲の恋愛未満の関係を、そっと見守っていきます(ときに丸太を冷やかし過ぎて、引かれることも)。生徒会に所属していて、イベントの仕切りなどで有能さを発揮します。
蟹川モトコ(かにかわ もとこ)
丸太、伊咲のクラスメート。クラスでも目立つ勝ち気な美少女で、成績も優秀です。丸太のことは最初、常にムスッとしていて、人を見下していると嫌っていましたが、次第に心を許していきます。帰宅後は実家のお好み焼き屋を手伝っています。
穴水(あなみず)
丸太、伊咲のクラスメート。ソフトボール部に所属する、サバサバした性格の女の子です。蟹川とともに、丸太たちが企画した流星群観測会を手伝ってくれたり、みんなで花火大会に出かけたりします。蟹川や穴水は、伊咲と楽しそうにじゃれ合う場面も多く、とてもいい関係性にあります。
『君は放課後インソムニア』の魅力
この作品でなければ味わえない、さまざまな魅力に満ちた『君は放課後インソムニア』。その中から、特におすすめの5つのポイントを紹介します!
穏やかな青春の時間
この作品にはイケイケな生徒も登場しますが、地味なタイプの丸太に対してイヤミなところがありません。そんな環境の中で描かれるのが、丸太と伊咲の穏やかな関係性です。不眠症という同じ悩みをかかえる二人は、一緒に眠るとなぜか安眠できることに気づきます。その安心が最初に二人を結びつけて、次に異性として意識し始める。恋が始まる過程が、みずみずしく描かれていきます。
ロマンティックな真夜中の散歩
天文台で出会った二人は、不眠症同士だということがわかり、「夜のおたのしみ会」を発足させます。さっそく深夜に待ち合わせて、夜の町を探索します。1巻で描かれる真夜中の散歩は、この作品で最初のロマンティックなシークエンスです。自転車に乗る警官から身を隠して、二人でドキドキするシーンもあり、本当に青春! やがて海までたどり着いた二人は、一緒に波を見つめます。夜空と寝静まった町、そして海。七尾市の景観を見事に活かしたシーン作りが素敵です。
舞台・能登半島(七尾市)の風景
真夜中の散歩のシーンだけでなく、要所要所に七尾市の風景が、効果的に描かれているのが本作。町の中心を川が流れていて、2巻では九曜高校に伝わる、川と橋に関わる伝説が、伊咲の友達の女の子の口から語られます。また、七尾市には全国的に有名な和倉温泉があり、白丸先輩のゲームセンターはそこから近いという設定。さらに3巻では、七尾港まつりの花火大会が物語の舞台に。読むと絶対に、能登半島に出かけたくなるはず。
伊咲がとにかくかわいい!
伊咲の全身を描いた大ゴマが多いのも、本作の特徴です。ここでピックアップしたのは花火大会のときの浴衣姿。制服から私服まで、伊咲のファッションはどれも健康的でかわいらしく、大ゴマが出てくる度に微笑ましくなります。なぜ、大ゴマが多用されているのか? それは恋する丸太から見た、彼女の姿が表現されているからでしょう。「夢の中にいるみたいだ」という丸太のモノローグは、それを象徴しています。
天体写真の奥深さ
復活したばかりの天文部が部費をもらうには、実績が必要。丸太は子供の頃に父親にもらった一眼レフカメラを使い、天体写真の撮影に挑戦することに。白丸先輩という頼れる師匠が、そのノウハウをたたき込んでくれるのですが、彼女のアドバイスは分かりやすく的確。読者としても、美しい星空を撮ってみたいなという気持ちにさせられます。2巻で出てくる千里浜は、日本のウユニ塩湖と呼ばれる星空写真の有名スポット。さらに、この後の巻では、夏休みを使っての丸太と伊咲の撮影旅行が描かれることになりそうで、楽しみです!
『君は放課後インソムニア』の感想【ネタバレあり】
『君は放課後インソムニア』1巻の感想
眠れない寂しさが繋ぐ関係
不眠に悩む高校生が知り合い、夜の散歩を楽しんだり、天文部で星の写真を撮ってみたり。私も寝付きが悪いので、不眠友達がちょっとほしくなりました。
お話はカテゴライズが難しい感じでゆったり進んでいくので、スピーディーな展開が好きな人はちょっとじれったく感じてしまうかも。とにかく主人公のふたりの友達以上恋人未満なやりとりがかわいくてかわいくて。まわりの人もマイペースなたたずまいなので、疲れてる時に読むとめっちゃホッとします。
少しずつ知名度が上がってきているので、もっといろんな人に読んでもらいたいな、と思います。
オジロマコトさん、2019年新作!
不眠で悩む高校生・丸太と、同じ悩みを持つ
クラスメイトの伊咲。偶然出会ったふたりは
学校内の「秘密の場所」を共有することに…。
オジロマコトさんは、こういう少年少女の出会いと
細やかな想いのやりとりを描くのがほんとに巧いですね。
今回も、まだ初巻なのに、大きな事件も起こってないのに、
伊咲のふとした仕草や表情の魅力に
丸太と一緒にどきどきしてしまっています(笑)。
ふたりの不眠症生活は、この先どうなるのでしょう。
倉敷先生の存在感もいい感じですw。
posted.by ブクログ
『君は放課後インソムニア』最新4巻の感想
やりたいことがあって、仲間を募って、やりたいことのためだけに消化するお金を稼ぐ。友達とはしゃぐ夏、好きな子と一緒に過ごす夏…どんだけ青春オンパレードなんだ!羨ましいなぁ、チキショーが。
posted.by ブクログ
合宿の計画、アルバイト、流星群観測会の準備、そして…。わくわくしてキラキラしてる高校生の夏。どの作品でもそうだけど、「この時間」には特別な何かを感じます。何なんでしょうね、あの時期の持つ特別感は。気になったのは「体が弱かった」という曲の秘密がちらっと明かされる一コマ。そうか、だから「心臓の音」なのか…。
posted.by ブクログ
終わりに
『君は放課後インソムニア』は、人とは違う悩みをかかえた男の子と女の子が、お互いを無意識の孤独から救い出す話であり、何度も描かれる美しい星空には、彼らの無限の可能性が投影されているのだと思います。寒くなるこれからの季節、本作を読んで、ぜひほっこりしてください。