ノンフィクション・ドキュメンタリー - 小学館作品一覧

  • カミカゼの幽霊 ~人間爆弾をつくった父~
    値引きあり
    4.5
    父はなぜ別人になって生きようとしたのか? 1994年5月、大阪市東淀川区に住む大屋隆司の父親・横山道雄が突然、失踪した。この失踪騒ぎの後、みるみる衰弱していく父を看病する中で、隆司はこれまで知らなかった父の過去を知る。 父の戸籍上の名前は「大田正一」といい、死亡により除籍されていた。 大田正一といえば太平洋戦争末期に「人間爆弾」と呼ばれた特攻兵器「桜花」を発案したとされる人物である。大田は終戦の三日後に遺書を残し、茨城県神之池基地を零戦で飛び立ち、そのまま帰ってこなかった。 ところが、大田は生きていた。「茨城で牧場をやっている」「新橋の闇市に連れて行った」「青森で会った」「密輸物資をソ連に運んでいる」……断片的な目撃談や噂はあったものの、その足取りは判然としなかった。 1950年、大阪に「横山道雄」となって現れた大田は、結婚した女性との間に三人の子供をつくり、幸せな家庭を築き、94年にその生涯を終えた。 それから20年後の2014年、大田の遺族を名乗る女性からの電話に興味を持った著者は、大田の謎多き人生について調査を始める。それは隆司ら家族にとっても父を知るための貴重な時間となっていく。 「本当の父親」を探す旅の結末は――。
  • 逃亡の書 西へ東へ道つなぎ
    値引きあり
    -
    逃げるはふつうに役に立つ!? 韓国に流れ着いたイエメン難民に会うために済州島に渡り、スペイン・フランスではカタルーニャの音楽家パウ・カザルスとドイツのユダヤ系作家ヴァルター・ベンヤミンの亡命行を辿った。牛久入管収容所で難民申請者の絶望を目の当たりにし、祖国を追われたウクライナ人とはディズニーシーでビールを飲み交わす。時代も場所も異なる人びとの「逃げる技法」――それは、彼らの生きる知恵であると同時に国を守る術でもあった!?  銃で国を守るのではなく、逃亡者の傍らで平和を生きる。そんな呼びかけが戦争の時代に胸を衝いた――東浩紀(批評家) 逃げていいぞ逃げていいぞ逃げていいぞ逃げていいぞ逃げていいぞ逃げていいぞ逃げてくれ――本書より
  • 愛を描いたひと イ・ジュンソプと山本方子の百年
    値引きあり
    4.0
    第27回小学館ノンフィクション大賞受賞作。 イ・ジュンソプは韓国の国民的画家である。 朝鮮半島の平原(現在は北朝鮮)に生まれ、日本統治時代に東京で絵を学び、朝鮮戦争により釜山へ避難。1956年にソウルで没した。 その人生は映画や演劇の題材とされ、美術の教科書にも掲載されている。 しかし、日本で名を知るものは少ない。 その妻・山本方子は日本人である。方子は、貧困と混乱の極みにあった朝鮮半島に夫を残し、幼な子とともに日本に帰国した。 夫への愛を胸の奥にしまい、ひたすら子供のために暮らしを支えた。 筆者は、韓国での現地取材に加え、方子へのロングインタビュー、夫婦が交わした数々の手紙から、運命に引き裂かれた夫婦の実像を描く。 カラー口絵に26点の絵・手紙を収録、未公開書簡も多数掲載。 第27回小学館ノンフィクション大賞受賞作。 この作品を通じて彼という画家の存在を多くの人たちに知ってほしいと純粋に願う――辻村深月(作家) 太く短く生きた情熱的な画家と、日々を懸命に生きた寡黙な妻。その非対称性が胸に迫り、日韓の微妙な関係性まで映し出しているように思えた――星野博美(ノンフィクション作家) 朝鮮戦争時に、家族に怒濤の勢いで押し寄せてくる歴史の荒波が、あたかもそこにいるかのような臨場感で迫ってくる――白石和彌(映画監督) ※いずれも選評より。 ※この作品はカラーが含まれます。
  • 幻のオリンピック~戦争とアスリートの知られざる闘い~
    値引きあり
    4.0
    東京五輪中止! そのときアスリートたちは。 新型コロナで東京五輪は延期。今、アスリートたちは夢の舞台を信じ、黙々と練習に励んでいるが、かつての日本には、夢のみならず命までも奪われたアスリートたちがいた――。 1940年に開かれる予定だった“幻の東京五輪”。活躍が期待された選手たちは、戦争一色に染まる時代の中でスポーツの晴れ舞台から去り、戦地へと送られた。有名なアスリートたちは、国威発揚のために “宣伝効果”の高い激戦地に送り込まれ、多くの者が遠く離れた地で無念の死を遂げた。 いま再び、東京五輪が混乱する中、アスリートの尊厳を奪った戦争の事実を明らかにし、彼らの激動の人生を見つめる。 2019年8月18日に放送されたNHKスペシャル「戦争と“幻のオリンピック” アスリート 知られざる闘い」の書籍化。同番組は、北島康介や長谷部誠がガイド役となり“幻の東京五輪”で活躍が期待されたアスリートたちの無念の人生を辿り、話題となった。戦地に赴いたアスリートたちが家族に宛てた手紙や遺族の証言など、番組で放送できなかった重要資料も加え、個人のエピソードを軸に、戦争とスポーツの関係を改めて問う。
  • 宿命の戦記~笹川陽平、ハンセン病制圧の記録~
    値引きあり
    -
    差別にまみれた感染症との果てしない戦い。 「右翼の大物」「日本のドン」と差別された笹川良一の三男として生まれ、晩年の彼を支えた笹川陽平(現・日本財団会長)のライフワークが、父の遺志を継いだハンセン病制圧活動だ。 彼は約40年にわたって、「業病」と恐れられてきたこの病気に戦いを挑んできた。世界各地のハンセン病患者の施設に自ら赴き、薬を届け、差別や偏見の撤廃を説く。「制圧」(有病率が1万人あたり1人未満)を達成するための施策を各国の元首と話し合い、実行に導く。こうした活動の継続によって、1980年代から現在までに1600万人を超える人々が治癒し、未制圧国はブラジルを残すのみとなった。 著者は約7年にわたって陽平の「戦い」に密着した。アフリカのジャングルから西太平洋の島国まで、ハンセン病患者や回復者たちが暮らす土地には、深い絶望と、かすかな希望が広がっていた。父の復讐を果たすかのように邁進する陽平の姿を、著者は「いま彼が実現しようとしているのは、ハンセン病差別の撤廃、人間としての権利・尊厳の獲得運動なのである。彼は暗黒の人類史に革命を起こそうとしている」と看破する。 日本人が知らない世界の現実、人間の真実を知るための一冊。
  • 50万語を編む ~「日国」松井栄一の記憶~
    値引きあり
    -
    『日国』を編んだ者達の記録と記憶。 『日本国語大辞典』は、総項目数50万、用例数100万を収録したわが国最大にして唯一の大型国語辞典。 国語学・国文学の専門家にとどまらず、歴史・仏教・漢籍・民俗などの各界の権威、経済・法律などの社会科学、および動物・植物など自然科学の研究者など、3,000人以上におよぶ識者によって40年以上の歳月を費やし完成しました。 その『日本国語大辞典』、通称『日国(にっこく)』の初版と第二版を、編集委員会の中心として支え、編んだ、故・松井栄一(まついしげかず)の最後の著作(新書)に、第二版編集長・佐藤宏の解説、松井栄一と佐藤宏の対談や初版刊行時のインタビューも加えて大幅増補。秘蔵写真も。 (底本 2024年4月発売作品)
  • 世界で最も危険な男 ~「トランプ家の暗部」を姪が告発~
    値引きあり
    3.3
    トランプ家の暗部を臨床心理学者の姪が告発。 11月の大統領選で再選を目指すトランプ大統領。そのトランプの兄の娘で臨床心理学者のメアリー・トランプ氏による衝撃の告発本。 メアリー氏が、「自分のおじが、どのようにして世界の安全や経済、社会の仕組みを脅かす男になったか」を、一族の闇の歴史に光を当ててすべてを詳らかにした。 トランプが替え玉受験で名門ペンシルバニア大学に入学したエピソードから、父親の脱税を手伝っていた決定的証拠まで、家族だけが知る驚愕の事実が次々に明かされる。 この本を執筆したメアリー氏に対し、トランプ大統領は大激怒! 大統領の弟が出版差し止めの訴訟を起こしたが、裁判所が最終的に出版を許可した。世界騒然、全米でヒットした大ベストセラーついに日本発売! <著者紹介> メアリー・トランプ(Mary L. Trump) 1965年生まれ。ドナルド・トランプ大統領の兄、フレッド・トランプ・ジュニアの娘。臨床心理学者(博士)。現在、ニューヨーク在住。
  • あんときのRADWIMPS ~人生 出会い編~
    4.7
    RADWIMPS初の公式ノンフィクション。 「本当のことじゃないと、届かない」と洋次郎は度々語っていた。 でもこんなに何でも赤裸々に歌ってしまって、大丈夫なんだろうか? レコード会社の社員として「化け物みたいに圧倒的なアーティスト」を探していた著者は、CDショップの試聴機で横浜の高校生バンドと出会う。 イントロもなく突然始まった歌を聴いた瞬間、新しい風が吹いてきたように感じた。 「ついに見つけた! ここにいたのか!やっと出会えた!」 10代の少年だった彼らは、2006年に発売されたメジャーデビューアルバム『RADWIMPS 3 無人島に持っていき忘れた一枚』、『RADWIMPS 4 おかずのごはん』の2枚で熱狂的なファンを獲得。「大人が知らない社会現象」を巻き起こすことに。一方で表現者として恐るべきスピードで進化を遂げていく野田洋次郎とメンバーとの間には見えない亀裂が生まれ、名曲が誕生するごとにドラマが起こっていた。 “すごいバンド”になるために、変わり続けることを選んだ4人の若者達の歓喜と苦悩の日々。すべてを見守っていた著者が克明に描いた公式ノンフィクション。 巻末には野田洋次郎による書き下ろし原稿を掲載。
  • 宿命の子~笹川一族の神話~
    値引きあり
    3.0
    父・良一を支えた笹川陽平の「復讐の物語」。  本書は、競艇の創設に尽力し「日本のドン」の汚名を背負った故・笹川良一氏と、ハンセン病制圧を中心とした慈善事業を担う三男の笹川陽平・日本財団会長の、父と子の物語である。  1899年に生まれた笹川良一氏は戦後、A級戦犯容疑者として巣鴨プリズンに収監。48年の釈放後、51年のモーターボート競走法制定に尽力、全国モーターボート競走会連合会、日本船舶振興会を設立し、会長に就任。競艇の売り上げの一部を慈善活動に使う集金システムは、「右手でテラ銭を集めて左手で浄財として配る」と揶揄され、90年代にはメディアが“笹川帝国”批判キャンペーンを繰り広げた。  ロシアの沈没船引き揚げに大金を投じるなど、暴走を始めた晩年の父を陰ながら支えた陽平氏は、父なき後、父が特に心血を注いできたハンセン病制圧活動をライフワークに据えた。ジャングルの奥地など世界のあらゆる場所に自ら赴き、薬を届けて啓蒙活動に身を捧げる陽平氏の姿を、著者・高山文彦氏は「これは大いなる復讐の物語だ」と捉え、数奇なる父子の人生を綴ったのが本書です。  本書は週刊ポストで2012~2013年に全74回にわたって連載された。 ※この作品には一部カラーが含まれます。
  • 力道山未亡人
    NEW
    4.5
    第30回小学館ノンフィクション大賞受賞作! “戦後復興のシンボル”力道山が他界して60年。 妻・田中敬子は80歳を越えた今も亡き夫の想い出を語り歩く。 しかし、夫の死後、22歳にして5つの会社の社長に就任、30億円もの負債を背負い、4人の子の母親となった「その後の人生」についてはほとんど語られていない──。 〈未亡人である敬子には、相続を放棄する手もあった。 しかし、それは考えなかった。 「そんなことを、主人は絶対に望んでないって思ったんです」 敬子は社長を引き受けることにした〉(本文より) 「力道山未亡人」として好奇の視線に晒され、男性社会の洗礼を浴び、プロレスという特殊な業界に翻弄されながら、昭和・平成・令和と生きた、一人の女性の数奇な半生を紐解く傑作ノンフィクション! 選考委員絶賛!  ●辻村深月氏(作家) 「未亡人・敬子さんの人柄がくらくらするほど魅力的」 ●星野博美氏(ノンフィクション作家) 「戦後日本の闇の深さを際立たせることに成功した。過去と現在がうまく共存し、そこから日本の変遷が透けて見えた」 ●白石和彌氏(映画監督) 「アントニオ猪木や周りの人との関わりも、プロレスファンが読んでも堪らなかった」 (底本 2024年5月発売作品)
  • 坂本龍一 音楽の歴史 ~A HISTORY IN MUSIC~
    値引きあり
    4.5
    世界的音楽家坂本龍一の「音楽活動の記録」。 生誕70年記念!特別評伝 世界的音楽家坂本龍一の生誕から現在までの人生における音楽の歴史と活動のすべてを包括した唯一の「音楽活動の記録」。 長年にわたり坂本龍一を取材してきたライターの吉村栄一が、自ら記録したその貴重な肉声と未公開エピソードを満載。加えてこれまで発表された雑誌、新聞、ライナーノーツなど数多のインタビューを踏まえ、執筆2年を経て書き上げた渾身の「音楽活動の歴史」。
  • 中浜万次郎集成
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 坂本龍馬、勝海舟、福沢諭吉など維新前後の英傑たちに大きな影響を与え、日本の外交史の端緒も作った万次郎の全貌を、初めて立体的に浮き彫りにする。万次郎の見聞、紀行、論評などを、膨大な写本・英文記録などから集大成。 幕末・明治初期を、万次郎の業績を通して、新たな視点から照射。日本初の英会話書『英米対話捷径』の完全原寸復刻版つき。
  • 合本版 猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」全16巻
    値引きあり
    -
    「日本の近代」をテーマにセレクトした猪瀬直樹著作集全16巻を待望の電子合本化! 日本をアップデートするヒントがここにある! ノンフィクション分野で多くの優れた作品を残し、現在も精力的に執筆を続ける作家・猪瀬直樹の作品から、若き日に心血を注いできた「日本の近代」をテーマにセレクトした猪瀬直樹著作集。書籍版12巻+電子オリジナル版4巻、計16巻を待望の電子合本化。 昭和から平成へと移りゆくなかで猪瀬作品がどのように位置づけられてきたのかをあらためて概観でき、いまに続く日本の課題が見えてくる! 〈収録作品〉 第1巻 構造改革とはなにか 新篇 日本国の研究 第2巻 ペルソナ 三島由紀夫伝 第3巻 マガジン青春譜 川端康成と大宅壮一 第4巻 ピカレスク 太宰治伝 第5巻 ミカドの肖像 第6巻 土地の神話 第7巻 欲望のメディア 第8巻 日本人はなぜ戦争をしたか 昭和16年夏の敗戦 第9巻 唱歌誕生 ふるさとを創った男 第10巻 天皇の影法師 第11巻 日本凡人伝 第12巻 黒船の世紀 ガイアツと日米未来戦記 第13巻 道路の権力 第14巻 道路の決着 第15巻 二宮金次郎はなぜ薪を背負っているのか? 人口減少社会の成長戦略 第16巻 ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」

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