海外ミステリー - 筑摩書房作品一覧

  • アガサ・クリスティーの大英帝国 ──名作ミステリと「観光」の時代
    4.0
    英国を代表する「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーはまた「観光の女王」でもあった。奇しくも同じ1841年に端を発する「ミステリ」(ポー「モルグ街の殺人」)と「観光」(トマス・クックによるツアー)は、束の間の「非日常」を楽しみ、平凡だが価値ある「日常」へと帰還する営みとして、大衆社会なかんずく大英帝国の繁栄の下、花開いた。その頂点をなすクリスティーの傑作群、66作に及ぶクリスティーの長編の分析を通して、彼女が「ミステリ」と「観光」に託して描いた二〇世紀大英帝国の変容を明らかにする。
  • オシリスの眼
    4.2
    エジプト学者ベリンガムが不可解な状況で忽然と姿を消してから二年が経った。生死不明の失踪者をめぐって相続問題が持ち上がった折も折、各地でバラバラになった人間の骨が発見される。はたして殺害されたベリンガムの死体なのか? 複雑怪奇なミステリに、法医学者探偵ジョン・ソーンダイク博士は証拠を集め、緻密な論証を積み重ねて事件の真相に迫っていく。英国探偵小説の古典名作、初の完訳。
  • ベルリンは晴れているか
    3.9
    1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が米国製の歯磨き粉に含まれた毒による不審死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、なぜか陽気な泥棒を道連れに彼の甥に訃報を伝えに旅出つ――。圧倒的密度で書かれた歴史ミステリの傑作、待望の文庫化!
  • ホームズと推理小説の時代
    4.0
    舞台はヴィクトリア朝のロンドン、拡大鏡を片手に元軍医のワトソンとともに活躍した鷲のような鋭い目、細身で寡黙な探偵。そう、彼の名前はシャーロック・ホームズ。登場以来時代を超え全世界を魅了し続けてきたのは、なぜか? その疑問をもとに推理小説がどのように誕生し、黄金時代を迎えていったのかをホームズを起点に丹念に辿る。本書はその歴史、基礎知識を交えながら、イギリス、アメリカ、そして日本の推理小説を概観し、正当な評価を与えるべく英文学者、愛好家の視点から考察する。推理小説を愛する多くの読者に捧げる一冊。書き下ろしオリジナル作品。
  • われらロンドン・シャーロッキアン
    -
    シャーロック・ホームズは生きている! 百四十歳の誕生日を迎えたホームズは、時折リューマチの発作に襲われることを除けば、今も元気でイングランド南部のサセックスの田舎で悠々自適の生活を送っている……。商社マンとして五年間ロンドンに駐在し、熱狂的シャーロッキアンになってしまった著者が、仕事の合間をぬって名探偵の足跡を追い、同時にホームズの拡大鏡を借りて英国と英国人の素顔を探偵する。

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