名称未設定さんのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
京都が昔からとても好きでタイトルを見て購入。
結論からいうと「買ってよかった!」
まず主人公の女子高生、葵ちゃんに好感がもてる。彼女はホームズくん曰く「本物を見分けるのにかなり良い目をもっている」と評されているけれど、ごくごく普通の女の子である。言動も自然で可愛い。漫画では何かしらの能力をもっていたり…とかの設定がされていたりする事が多いけれど、この作品はそうではない。
そこが逆にいい。
ホームズくんが作中で「鼻の低い方のことを御室桜ともいうんですよ」と言っている場面があるのですが、これに対して葵ちゃんが「京都の方は揶揄も上品なんですね」と返していて。
こういうやり取りもいい。
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ネタバレ 購入済み
美しくて素敵なお話
もとなおこ先生の作品は好きでいろいろ読んでいますが、全作品中この「ガーフレット寮の羊たち」が一番好き。
テニスン、ウィリアム-ブレイク、キーツといった詩の一節を始め、かの有名なシェイクスピアや聖書の一節など綺麗な言葉がそこかしこに散りばめられ、それがイギリスの伝統ある格式高い全寮制のパブリックスクールという舞台と相まって、おとぎ話のような、幻想的な世界を生み出している。
けれどもそこに集い、共に生活する学生たちはさまざまな事に悩み苦しみ、また喜びといった中、高校生たちが誰しも経験するであろう道を歩み、成長していく。決して「ファンタジーの中の登場人物」として描かれているわけではない。
主人公 -
ネタバレ 購入済み
わりと昔の作品ですが、時代が1870年代のイギリスというだけあって何の違和感もなく読める。
ライトな感じに見えて、実はいろいろ考えさせられるところの多い作品。パブリックスクールの寮が主な舞台なので、登場人物は13~18歳までの学生が殆ど。その羊たち(この作品では学生たちのことをそう呼んでいる)が一つの寮、学校の中で切磋琢磨しあいながら一緒に生活し、学んでいく。
そのような環境であるから、気の合う友人や尊敬し、信頼のおける先輩ができる反面、反りが合わずに衝突する人間も出てくる。
この巻では主人公のアーネストと同じ部屋のスタンリーが一触即発の状態からついに激突する。アーネストは普段は優し -
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千佳は成長できるか?分岐点
この巻の見所はたぶん、いよいよ始まったB級ランク最終戦なのだろうが、私が個人的に挙げるなら、ヒュースが千佳に投げかけた「千佳は人が撃てるんじゃないか?」からの千佳の背中をそのヒュースが押した所に尽きる。
作中で栞が言っていたように、ヒュースがなかなかズバズバ言うので、賛否両論分かれるところではある。けれど、この問題は玉狛第二にとっては避けては通れない問題であり、いつかはきちんと向き合わなければならない時が来る。
千佳の事情や性質を知っているだけに修を始め、玉狛支部の人間は今まで面と向かって千佳にその話題は持ちかけられなかったのだろう。
それは優しさゆえに。玉狛の人間は優しいから。 -
ネタバレ 購入済み
この作者さんは「斎さん」シリーズで知り、読んですっかりファンになったところ、この「影御前」という作品に出会いました。
日常に潜む誰でも経験しうるような事や身近に在るもの等が題材に採られて描かれていることが多いです。そこに心霊が絡むのですが、不思議と「怖い」と思うことはありません。
学びや考えさせられることの方が多かったりします。
例えば、今回は桐生さんが「物はそれを扱う人、所持する人が大事に思えば思うほど、魂のようなものが宿る」というような発言をしていますが、それぞれの刀剣にそれぞれの魂のようなものが宿っています。切ない気持ちになるお話もあります。
また形を持たない水、今回は御神水です -
ネタバレ 購入済み
無料お試しのマンガを読んだことがきっかけで、思っていたよりも作品の世界に入り込み、小説の方を購入。一気に読んでしまった。
読んでいる時から想起させられる場面はあったけど、あとがきを読んで納得。
「9日間の女王」と呼ばれるジェーングレイというイギリスの女王様の処刑がベースになっていたんですね。本作のクリスティアンと重なってとても苦しくなった…もう470年以上も昔の事ですが……
本作ではクリスティアンの臨終の際の無念を転生後のティアレシアが悪魔の力を借りて見事に晴らす。もちろん悪魔と契約したことで、代償として自身の魂を明け渡さねばならないし、それ以外にもティアレシアの優しさゆえに葛藤もさまざ